WA ガスガン ウォーリアーカスタム/ジョン・ウィックモデル
レポート:戸井 源太郎
世にある1911系をすべてモデルアップするくらいの勢いがあるWESTERN ARMS(以下:WA)からウォリアーカスタム/ジョン・ウィックモデルが現在、好評発売中です。ベースはキンバーのウォリアーで私が好きな銃の一つでもあります。
では、このウォリアーカスタム/ジョン・ウィックモデルの性能、精度はどうか、早速、実射レビューをして行きましょう。
キンバー社(Kimber Manufacturing)はアメリカで1911系カスタムを製造しているメーカーです。
キンバーを一躍有名にしたのはLAPDでTLE Ⅱ(Tactical Law Enforcement)が採用されたことにあるでしょう。
キンバーの特徴は高品質、高精度なのに1,000ドル程度とコストパフォーマンスに優れていることにあります。
通常、1911カスタムは、職人により1丁ずつ調整されるため、その価格は2〜3,000ドルは当たり前。その上、何ヶ月も待たされるのが普通の世界です。STIなどカスタムメーカーのファクトリー製品でもそのくらいの価格はします。
しかし、キンバーではCAD/CAMによる精密設計と製造により、ファクトリー生産でありながら1911カスタムにも劣らぬ高品質、高精度を低価格で実現しているのです。
今回、紹介するウォーリアーカスタム/ジョン・ウィックモデルは、その名称どおり、今年7月に公開された映画『ジョン・ウィック:チャプター2』にて、キアヌ・リーブスが演じる元殺し屋が使用する銃をガスブローバックで再現したモデルです。
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映画『ジョン・ウィック:チャプター2』 登場銃器解説
元々、キンバーのウォーリアは元々米海兵隊向けに開発されたMARSOCモデルがベースとなっており、その民間市場向けモデルになります。レールを装備しているところが、MARSOCと異なります。
キンバー ウォリアーをマットブラック焼付塗装を施し、忠実に再現しています。
スライドはヘビーウェイト樹脂製で、ほぼ1kgと手にズッシリとくる重量感あります。メカはトランスファーハンマー ver.3、新型シアー&ディスコネクター、新型固定式ホップアップバレルなどを採用したマグナブローバック S.C.W.ハイスペック Ver.3と最新メカを搭載しています。このため、各部の滑らかな動き、射撃感、信頼性は抜群です。
スペック & 初速データ | |||||||||||||||||||||
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※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温約28.7度、湿度43%、XCORTECH X3200にて測定。 |
パッケージはWA共通のものです。上面には「WESTERN ARMS」のロゴ、側面にモデル名のステッカーが貼られています。サイズは270 x 180 x 60mmです。
銃本体はパッケージ内の型抜きされた発泡スチロールに収められています。
同梱物は1911系共通の取説、エアソフトガンの扱い方、アンケートハガキ、お知らせ、BB弾、ブッシングレンチ(樹脂製)が同梱されています。
スライドとフレームは樹脂製ながら、マットブラック焼付塗装を施し、黒鉄の質感をよく再現しています。またトリガー、ハンバー、エジェクションポートがシルバーとなっており、よいアクセントになっています。
スライド左面にはキンバーのロゴ、スライド右面には「WARRIOR」とフレームにはキンバー社の刻印があります。
エジェクションポートには「.45 ACP」と刻印が入っています。
ほぼBB弾の直径の倍ある迫力ある.45口径のマズルフェイスです。ブッシングリング式のオーソドックな1911系を継承しています。またスライド前部にもセレーションがあります。
アンダーマウントレールももちろん装備されています。細身の1911系フレームに一体となっており、先端も少し延長された独特のデザインです。WAではレールは後付けの別パーツもあるのですが、ジョン・ウィックモデルでは一体成形となっています。
アウターバレルはシルバーで、バレルとチェンバー部で分割されるツーピース仕様です。インナーバレルは6.03mm精密バレルで、NEW固定ホップを搭載しています。
トリガーはシルバーの3ホールタイプです。トリガーの前から六角レンチによりストロークを調整できます。
ロングタイプのサムセフティはアンビ仕様、スケルトンハンマー、ビーバーテールグリップセフティと最近のタクティカル系に必須のパーツを採用しています。
フロントサイトはドブテイルのホワイトダット入りで、リアサイトはノバックタイプを採用しています。衣服などに引っかかりにくくシンプルかつ、確実に狙えます。
キンバー独特の楕円の溝が多数掘られたG10タイプのグリップは手触りもよく、しっかりグリップできます。材質はG10ではなく、カーボンブラックヘビーウェイト樹脂で、内側にはさらに金属製ウェイトが組み込まれており、重量増に寄与しています。フレーム前部はチェッカーなしのプレーン、ハウジングはチェッカー入りです。またランヤードリングを底部に装備しています。
マガジンは最新のRタイプ・マガジンです。細くてもダブルカラムで装弾数は21発と充分にあります。リップ部はプラ製となっており、BB弾をキズつけることなく、しっかり保持します。またガスの再注入には背面のプレートを下げるのをお忘れなく。
工具を使わずに実銃同様にフィールドストリップができます。バレルを抜くためにブッシングレンチが付属していますが、使わなくても分解できます。ちなみに実銃ではレンチなしではとても分解できません。
実射テスト
テストはハンドガンなので、距離は30mで、使用BB弾はいつもと同様、東京マルイのベアリングバイオ0.2gと0.25gBB弾です。
固定ホップなので、BB弾、ガスを装填して試射を行ってみたところ、その弾道は少し前にレビューした【SVI】マイアミ Tikiと同様、かなりホップは強めです。距離40m以上は飛びますが、かなり浮き上がっていきます。
距離30mで人物大にヒットさせようとするとかなり下目を狙わなければならないです。動画を見ていだければわかるかと思いますが、弾道は、かなりアッパー気味です。
ホップは強めですが、左右のブレはなく、狙点がわかれば、ビシバシと当たります。精度は悪くないと思います。飛距離もハンドガンでは充分以上あります。
テストでは100発以上は撃ちましたが、トラブルはありませんでした。信頼性も高そうです。
ホップに関しては、何百発か撃つことでホップが馴染んでくるかもしれません。いずれ0.28gの重量弾で弾道はどうなのかも試してみたいですね。
総評
高い工作技術により、実銃と見紛う…いや、実銃以上に美しく仕上げられているだけでなく、手にした時のズッシリくる重量感も含め、もうトイガンの域を超えていると思います。
ブローバックの作動、そしてリコイルもWAでは20年以上に渡るブローバックのノウハウがあり、快調に動き、手に“ガツン!”ときます。
ただ1点惜しいのは、ホップが強すぎることでしょう。WA製品は素性がよいだけにホップだけはなんとかしていただきたい部分ですね。
新型シアー&ディスコネクターとトランスファーハンマー ver.3により、トリガー、ハンマーの動きは非常に滑らか、かつキレがあります。全く素晴らしいの一言です。価格は38,000円(税抜)とハンドガンクラスではかなり高級な部類になりますが、充分その価値はあるでしょう。
協力:ビレッジ2
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