WA ガスガン BOB CHOW ver.1.5 ビンテージ
1981年10月の月刊Gun誌にて永田市郎氏が米国よりレポートしたその拳銃は、瞬く間に当時のガンマニアたちの心を鷲掴みにし、そして現在に至るまで根強いファンを増やし続けている。ボブ・チャウは1948年のロンドン・オリンピックにおいて.22口径ラピッド・ファイア部門で銅メダルをとり、.45口径でも数々の世界記録を持った射撃の名人でありながら、自らのガンショップを経営するガンスミスでもあった。
銃の修理のためにサンフランシスコにあるボブの店に訪れた永田はボブの.45口径のカスタムガンをみて驚き、この名文句が生まれる。
"その全く光らない、真っ黒な野獣のなりふりかまわぬ獰猛な姿に私はひと目で魅せられた。"
ある日シューティングマッチで優勝した永田とボブが話をしていると、幸運にも彼が永田のためにカスタムガンを作ってくれることになった。
戦うために無駄をいっさい削り取った一種異様な雰囲気、そのコンバット・カスタムガンこそが今なお多くのファンを魅了し続けるボブ・チャウ スペシャルである。 ボブ・チャウ氏はすでに他界し、彼のカスタムフォーティーファイブは世に数丁ほどしか存在しないという。
WA ガスガン BOB CHOW Ver.1.5 ビンテージ スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||
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そんなハンドメイドのプライベートカスタムガン、ボブ・チャウ スペシャルがウエスタンアームズよりモデルアップされたのはずいぶん前のことだが、そのたびに完売し何度か再販も行われた。
今回レビューするのは2014年2月に渋谷試作少量限定カスタムとして再販されたBOB CHOW ver.1.5 ビンテージだ。
ナショナルマッチ刻印のスライド。ヘビーウェイト樹脂製とは思えないほどの金属感が漂うビンテージ・フィニッシュ。手にした重厚感も素晴らしい。
作動システムはマグナブローバックのS.C.W.ハイスペック・バージョン3を搭載したガスブローバックガンで、スライドとフレームはヘビーウェイト樹脂製。一丁一丁手作業で丁寧に仕上げられたビンテージフィニッシュは樹脂製ということを忘れるほどに使い込まれた鋼鉄をイメージさせる。
グリップ前後には滑り止めのためのステッピングが施される。グリップパネルはヘレッツ社製木製グリップで、親指の当たる部分はマグキャッチを押しやすいよう削られている。
マガジンバンパーは金色のメッキ仕上げ。後半で実銃のボブチャウと比べてみてもらえばわかるが、WAのはかなりピカピカなので、もう少しくすんだ仕上げがよかった。
マズルブッシング前面にはCHOWの文字が刻まれる。
低くマウントされたリアサイトもエッジが丸められている。
コルトガバメントのシリーズ70をベースとしたスライドとフレームの角は丸く削られ独特の存在感を放っている。このメルトダウンという加工法は現代のタクティカルガンにも採用されるほど。またスライド右側に設けられた携帯用のベルトクリップも特徴的だ。
スエンソン刻印のアンビサムセフティを装備。
ver.1.5では81年当時に紹介された姿から、ロングトリガーや、ストレートタイプのメインスプリングハウジング、金色のマガジンバンパー、グリップセフティが変更されるなど、現在永田氏が所有する外観を再現している。
シアの切れを感じやすいロングタイプのトリガー。マガジンキャッチやスライドリリースレバーもエッジが丸められている
メタルチャンバーにはナショナルマッチの刻印、擦れ具合も実銃を踏襲。エジェクションポートも広げられている。
アウターバレルはガンメタル調のメッキ仕上げ。少し綺麗すぎるくらいで、この部分もチャンバー同様の擦れた加工のビンテージフィニッシュだったらいいのにな。
マグナブローバックの射撃時のリコイルはドシッと重く引き締まっており、トリガーはキレが良く、シアがスタッと落ちフィーリングは抜群。新型固定式ホップアップバレルと、内径6.03mmの精密バレルの効果もあり命中精度も高い。
まさしくあらゆる面で究極の一丁と言える伝説のコレクションだろう。
実銃のボブチャウ
カリフォルニアの永田市郎氏宅で実銃のボブチャウ スペシャルとボブチャウ2を見せて頂いた。
しかもボブチャウ スペシャルはなんと撃たせていただくこともできた。
実銃のボブチャウ スペシャル。長年使いこまれた鉄の表面は鈍く輝いている。
角の取れたスライドとフレーム。艶めかしい輝き。
ベルトクリップはこんなふうにパンツに差し込んで使う。
スライド左側面にはナショナルマッチの刻印。また、トリガーガードとグリップに施された滑り止め用のステッピングは上から下へと鱗のような流れの規則性があり、効果が最大限発揮するよう加工されている。
リアサイトまわり。
グリップはマットな質感。
コルトのメダルも使い込まれた渋い質感になっている。
真鍮製のマグバンパーにはM&Wという刻印がある。
マズルブッシングにはCHOWの刻印。
こちらはボブチャウ2。ボブチャウ スペシャルに比べてエッジのたったスタイル。
スライドにはマークIV、シリーズ70の刻印。グリップの削りやトリガーガード&グリップのステッピングは踏襲されている。
リアサイトはBO-MARサイトが搭載される。
ボブチャウ2のマズルブッシングにもCHOWの文字が刻印されている。
フロントサイトの形状も独特。
カリフォルニアの自宅にて、実銃のボブ・チャウ スペシャルを持つ、ガンフォトグラファーの永田市郎氏。70歳を超えてもなお射撃時の凛とした佇まいはさながら現代の侍。
永田市郎氏自らガンハンドリングして撮影したボブチャウ スペシャルの実弾射撃動画もどうぞ!!
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