WA ガスガン ベレッタ M92FS INOX/ソルト
実銃のベレッタ M92FSはイタリアの老舗銃器メーカー、ベレッタ社が開発した標準的な拳銃弾である9mm×19弾を使用するオートマチックピストル。1985年に競合他社とのトライアルの末、米軍に制式採用されると、さらにその人気は加速し、「ダイ・ハード」「リーサルウエポン」「男達の挽歌」など、ハリウッド映画で主人公が使用する拳銃としても注目される。INOXとはイタリア語でステンレスを意味し、ステンレス製のスライドとバレルを装備するシルバーの美しいモデルだ。またINOXはブラックモデルに比べて手入れもしやすいと言われている。
今回レビューするのはそんなベレッタ M92FS INOXをベースに、映画『ソルト』のポスタービジュアルからインスパイアされ、その名を冠したモデルだ。
WAのガスブローバックガン、ベレッタ M92FSのルーツは1993年までさかのぼる。弾を発射してからブローバックを始めるプレシュート方式を初めて採用した「マグナ・ブローバック」と呼ばれる画期的なオリジナルユニットを搭載している。
WA ガスガン ベレッタ M92FS INOX/ソルト スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||
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パーツリスト |
パッケージはシンプルなボール紙製。中央にSCW(渋谷カスタムワークス)の文字が入る。
パッケージサイズは27×18×5.8cm。パッケージ内容は本体、マガジン、保護キャップ、BBローダー、取説とBB弾少々。
パッケージ側面には商品ラベルが貼られている。
HW素材に焼き付け塗装でシルバーに仕上げられたWA ベレッタ M92FS INOX/ソルト。
アンジェリーナ・ジョリ―主演の映画『ソルト』のポスタービジュアルからインスパイアされたという美しい仕上がりだ。ただし、劇中でアンジー演じる女スパイのソルトはINOXを使用するシーンはない。
ホールドオープン。優雅な曲線美のなかにも硬質感あふれる造形美。そしてHW素材のスライドを操作した際の重々しい感触や作動音はWAのベレッタならでは。
ハンマー、シアー、トリガーバーにはステンレス製のカスタムパーツが採用される。カチッとした操作感がたまらない。
スライド左側の刻印。最近でこそベレッタUSA刻印だったり、軍用のM9刻印が多いが、WAのINOXは本家イタリアン・ベレッタ刻印。
スライド右側の刻印。トリガーガードのプルーフマークも再現している芸の細かさ。
アウターバレル上部と、マズル下のスライド前面には「STAINLESS」の刻印が入る。この刻印があってこそのINOXと言える。トイガンファンとしては譲れない部分だ。
スライド上部が大きくカットされたベレッタ独自の優雅なデザイン。これがINOXのシルバーモデルになるとさらに美しさが増した印象だ。
フロントサイトとリアサイトにはレッドドットが入る。リアサイトは見やすいように実銃同様のブラック仕上げ。
サイトピクチャーは良好。ファイアリングピンまわりの造形は古い設計のガスブロだけにちょっと物足りないところだ。
ハンマーコック時にスライドのセフティレバーをオンにすれば、安全にハンマーを倒すことができるデコック機能を装備する。
マットブラックのグリップパネルもHW樹脂。中央に入るベレッタ刻印もリアルだ。
重量は1kg越え、構えたときのバランスは実銃かと錯覚するようなズシリとした感覚。
HOGUEのラバーグリップがポン付け可能。やっぱりINOXにはブラックのラバーグリップが似合う。
ワンピースタイプのラバーグリップも装着可能だが、グリップの個体差により、ややスライドに干渉したのでそのあたりは削るなどの調整が必要だ。グリップ交換の際はマグキャッチボタンとスプリング、トリガーバースプリングを落としやすいので注意して分解しよう。
フィールドストリッピング(通常分解)。組み立てるときはちょっとコツがあって、スライドを組んだらバレルを押してショートリコイルさせてからディスアッセンブリーレバーを元の位置に回転させる。
チャンバー下に可変ホップアップの調節機構を搭載する。
ホップアップはWA/ニュー"ホップ・アップ"システムというもので、ホップアジャストスクリューによって押し上げられたロウアー・プランジャー92とホップアップラバーの摩擦差によりBB弾にホップ回転を加える仕組み。
Rタイプのマガジンは6mmBB弾を25発装填できる。十分なキャパシティだ。素材は亜鉛ダイキャスト製で、シルバーの塗装仕上げ。
このマガジンを装填するとチャキンと金属の良い音がし気分が高まる。
ただ、このマガジン、リップがプラ製ではなく、亜鉛ダイキャストの一体式で、かつ、シルバー塗装によるつるつるとした仕上げなので、最終5発くらいになるとブローバックした際のフィーディング時にBB弾がリップから飛んでしまう現象がしばしば発生した。そうなるとスライド内部でBB弾が噛んでしまうこともあり、装填不良が発生する。ここはぜひともプラ製リップに改修してもらいたいところ。
また、この問題点についてWAに問い合わせ、商品をWA本社にて確認してもらったところ、WA純正BB弾では本現象は発生せず、「おそらく使用したBB弾の直径がやや小さいためにダブルチャージされるものと思われます。WA純正弾「ハイスペックBB弾」の使用を推奨します。」とのことだった。また、マルイ製BB弾に合わせてリップの加工も行っていただいた。マルイ製BB弾は以前にもワックスによるダブルフィード現象が海外製電動ガンでも発生したケースがあるので、使用するBB弾の相性には気を配っておきたいところだ。
実測重量は1,050g。フル装填時の実銃に匹敵する重さ。マガジン1本の重量は304g。
さて、実射性能だが、この日テストしたのは日中の最高気温で約14度という、ガスブロには厳しい環境下だったが、マグナブローバック・ユニットが重量感のあるHWスライドをドライブすると、ズシりと重みのあるリコイルを味わうことができた。HWスライドなのでスライドスピードはゆっくり目ではあるが、ドンッと突き出し感のある反動と引き締まった作動音は、質感と言う意味では実銃のそれに近いものを感じる。
弾道性能は20m先のマンターゲットにヒットできる性能だった。夏場など気温が高くなればその射程はもっと伸びるだろう。そして低気温にもかかわらず、装弾数25発を撃ちきってガツーンとホールドオープンし終える快感は堪らないものがある。
2015年のグアム実弾射撃でゲストとしてお越しいただいた映画監督の押井守さん。野外射撃場、ワールドガンのガンロッカーメンバーで、愛銃はBERETTA M92FS INOX。射撃歴16年のキャリアを持つ押井監督は射撃後のメンテナンスもご自身でされる。ステンレスボディのINOXはメンテナンスも楽だという。
実銃のベレッタM92FS INOXはスライドがスレンレスでフレームはアルミ製。したがってシルバーの質感が微妙に異なる。押井監督のINOXにはHOGUEのワンピース・ラバーグリップが装着されている。スタイルアップももちろんだが、常夏のグアムで汗ばんだ手でグリップするにはラバーグリップは都合が良い。
今回、このベレッタ M92FS INOXを押井監督にプレゼントしたいと思い、WA社にお願いしたところ、快く商品をご提供いただいた。こういった粋な計らいは本当に素晴らしい企業姿勢だと思う。この場を借りてWAにはお礼申し上げたい。
WA ベレッタ M92F INOX ソルトを手にした押井監督。実銃のほうが撃ちなれていることもあって、実銃とガスガンとの違いなどを語ってくれた。
プレゼンターの山岸謙太郎監督の事務所内にて許可を頂き、3-4mの距離ではあるものの、実射もしていただいた。ガツッとマグナブローバックの激しいリコイルで銃が跳ねあがっているのが判る。
実銃を長年扱う押井監督だけあり、メンテナンスの重要さも理解されている。早速実銃同様の分解方法でM92F手早くバラし、内部を確認する監督。リアルな内部構造ならではのガスブロはこういった点も楽しいところ。
押井監督、WAのM92F INOX、気に入ってくれたようだ。
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