ノーベルアームズ SURE HIT 41650 TACTICAL SSTP スコープ
レポート:池上ヒロシ
「スコープ」といったら、まさにこういう形のものが定番……というか一般的に想像されるものだろう。ラッパ状に広がった大口径の対物レンズ、上部と左右に着いているゴツい調節ノブ。手元のパワーセレクターは16倍の高倍率まで調節可能。静かに隠れ潜み、遠距離からターゲットに必殺必中の一発を送り込む精密射撃スナイパーなら、やはりショートタイプよりもこういったスコープらしいスコープを使いたい。
16倍という倍率は、エアガン用としては少々オーバースペックな感がしないでもないが、最大倍率でも視界が極端に狭くなるわけではない。16倍でのFOV(スコープを覗いた時に見える範囲)は1.92m。棒立ちの人間の頭のてっぺんから足の爪先まで余裕で入る広さがある。狙いすました一発を送り込むのならこのくらいの倍率は使いこなしたい。
■スペック
倍率: | 4~16倍 |
レンズ径: | 50mm |
チューブ径: | 30mm |
レティクル: | Mildot-SSTP |
M.O.A.: | 1クリック=1/4M.O.A. |
アイリリーフ: | 4x=125.50mm/16x=92.50mm |
全長: | 348mm |
重量: | 580g |
作動幅: | UP,R/45M.O.A. |
インパクトポイント: | 1M.O.A.以内 |
F.O.V.: | 4x/7.1m、16x/1.92m |
付属品: | フリップオープンキャップ、サンシェード |
価格: | 29,000円(税抜) |
光学照準器を使いこなす 豆知識&用語集
スコープのマウント方法
実際のビューについての説明
まず最初に、スコープを通さないで普通に見るとどんな感じなのかという写真から。中央にある赤いドーム状の建物までの距離は約40m。その窓の中に敵がいる(という想定)で狙ってみよう。
最小の4倍。肉眼では見つけられなかった敵でも、このくらい大きくするとかなり発見しやすくなる。それでいて見える範囲も広いので広範囲の索敵もしやすい。実際のサバイバルゲームでは、このくらいの倍率がもっとも使う機会が多いんじゃないだろうか。
最大の16倍で同じターゲットを見たところ。ここまで大きな倍率はサバイバルゲームでは使いづらいかもしれない。ただ、これだけの倍率でも画像が暗くなったりしていないのはさすがだ。なにやら複雑な目盛りがたくさん描かれたレティクルになっている。レティクルの十字線上に描かれた○は「ミルドット」。スコープを最大倍率にしたときに、ドットの間隔が「1ミル=1000m先の1m」になるように描かれており、ドットの間隔とスコープを通して見えるターゲットの大きさから、ターゲットまでの距離を類推するためのものだ。
ミルドットレティクル。右の写真は中心部の拡大。
ダイヤル類の扱い方
接眼レンズの「縁(ふち)」の部分が回せるようになっている。
これは「ディオプター」といって、スコープを覗いた時に特別に目を凝らしたりしなくてもレティクルが自然にクッキリと見えるように調節するためのものだ。自分の視力に合わせて調節したら、基本的にはもう触らなくて良い場所である。
上下左右の調節をするのが、エレベーション/ウインデージ調節ノブ。SUREHIT 41650の調節ノブは特に工具無しに簡単に回せるようになっているが、不用意に回ってしまわないようにロックする機能がある。ノブ自体を押し込むとロック、引き出すとロック解除だ。
スコープの倍率(ターゲットが拡大される率)を無断階で調節するためのリングが「パワーセレクター」だ。スコープの手前側にあり、大きな滑り止めの凹凸が付いていて回しやすい。
ちょっと変わった付属品
サンシェード(長めの筒状の部品)が付属する。これは対物レンズの先に取り付けることで、スコープ内に入り込む外光の量を減らすためのものだ。逆光にあるターゲットを狙う時などに効果を発揮する。
対物レンズの縁に切られているネジにそのままねじ込めるようになっている。
取り付けたところ。もともと大型のスコープがさらに長くなり、本格的な狙撃用スコープといった雰囲気が更に増した。
ここがポイント
スコープの左側面に着いている「サイドフォーカス・ノブ」。目盛りが「10」から「∞(m)」まで書かれている。これは、レティクルとターゲットの両方にきちんとピントをあわせるためのものだ。
人間の眼は、遠くのものと近くのものの2つに同時にピントを合わせることはできない。遠くを見ようとすれば近くはぼやけるし、その逆も同様だ。スコープは、遠くにあるターゲットを見たままで同時にレティクルにもピントをあわせ、両方がハッキリクッキリ見える状態で照準できることが最大の利点だが、高倍率のスコープの場合、「レティクルまでの光学的な距離」と「ターゲットまでの距離」に食い違いが生じ、レティクルにピントがあっているのにターゲットがぼやけてしまうという現象が起きてしまうことがある。
それを解決するのがサイドフォーカスだ。レティクルのピント合わせはそのままで、ターゲットのピント合わせだけを独立して行う機能だ。サイドフォーカスを使用することで、眼を楽な状態にしたときにクッキリ見えるように調節してあるレティクルと同じ位置にターゲットのピントを合わせる、つまり「レティクルとターゲットが、同時にクッキリハッキリ見えるようにする」ことができる。
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