ノーベルアームズ TINY DOT ドットサイト
レポート:池上ヒロシ
レンズと電池ケースだけ、といっても過言ではない超小型ドットサイト。ちなみに、「タイニー・ドット」と読むのが正式な読み方だ。一時期、新製品であるTM DOTの登場によりカタログから消えていたが、「やっぱりこっちの方が良い、なんとか手に入らないだろうか」というユーザーの熱い要望に応えて復活した形になる。最大の特徴は、「スイッチ」に相当するものが一切存在しないことだ。ドットのON/OFFは付属するカバーの着脱によって行う。明るさを検知するセンサーが取り付けられており、カバーが外されると自動的にONになる。明るさの調節もそのセンサーの働きによって自動調光される。外部が明るければドットも明るくなり、暗ければドットも暗くなる。ユーザーは、「使うときはカバーを外し、使わない時はカバーを着ける」というただそれだけを気をつければOKという気軽さが魅力だ。
■スペック
倍率: | 1倍 |
レンズ径: | 24mm |
全長: | 47mm |
重量: | 65g |
ドットサイズ: | 5M.O.A. |
付属品: | カバー、マイナスドライバー、スケールディスク |
価格: | 12,800円(税抜) |
実際のビューについての説明
指先でつまめるほどの超小型ドットサイトなのに、レンズの歪みは少ない。ドットサイトの宿命であるレンズを通した時の色の変化もそれほどでもなく、写真を見るとまるでレンズを取り払って素通しの状態で撮影したかのように見えるほどだ。ドットは比較的大きめで明るく視認しやすい。
スイッチの扱い方
スイッチは存在しない。付属するカバーを外せばONになり、カバーを被せれば自動的にOFFになる。ドットの明るさ調節も、センサーが外光を感知して自動的に行われる。
ドットサイト前面にあるセンサーが外光を感知して、ドットのON/OFFや、明るさに応じた自動調光を行う。
点灯させた状態(左)から、センサーを指先で塞いでみる(右)。ドットが暗くなっているのがわかる。
電池交換
本体にあるネジを2本外すことで本体をマウント部分と分離することができる。
電池は、本体とマウント部分の間に挟まるようにして入っている。バッテリーはCR2032を一つ使用する。
マウント手順
最初からマウントが付属するので、そのまま20mmレールに取り付けることができる。
ゼロイン
上下左右の調節は、上面と右側面にある小さなマイナスのスクリュウを回して行う。後面にある2つのスクリュウは調節には関係しないので、基本的に触る必要はない。
付属するマイナスのドライバーを使って調整を行う。上面がエレベーション(上下)調節を行うスクリュウ。時計回りだとドットの位置が下に、反時計回りだと上に移動する。
右側面にあるのがウインデージ(左右)調節を行うスクリュウ。時計回りだとドットの位置が左に、反時計回りだと右に移動する。
付属するスケールディスクの使い方。
中央の穴にドライバーを差し込むことでウインデージ/エレベーションの調節をするときに、どれだけドライバーを回すとドットがどちらの方向に、どれだけの量を移動するのかが事前に分かるというものだ。
ここがポイント
本体の下に着いている20mmレール用のマウントは、取り外した状態でもドットサイトは問題なく機能する。ハンドガンのリアサイト部分などに固定して使うときはできるだけ取り付け位置を低く、小型軽量にしたいのでマウント部分は取り外して本体だけを使用する。
エアガンの機種によっては、リアサイトを外したスペースにピッタリハマるように作られた専用のアダプターも販売されているが、ここはお手軽に自作してしまおう。
厚さ3mmのアクリル板を切り出して、TINY DOT本体の下面にある突起の位置に合わせて3.2mmの穴を4つ、固定用ボルトの穴位置に合わせて3mmの穴を2つ開ける。穴の位置や角度はかなりシビアなので、それなりに精密な穴あけが要求される。
エアガン本体の加工。ドナーとなるのは、たまたま手元にあった東京マルイのエアーコッキングG17Lだ。スライド上部に、固定ボルトの位置に合わせてネジ穴を2つだけ開ける。
本来ならタップでネジ切りするべきなのだけれど、お手軽改造ということでまずは2.5mmの穴を開けてからボルトをねじ込んでOKということにしてしまおう。
取り付けたところ。これだけでも十分頑丈なのだけれど、万全を期すのならば接着剤なども併用するといいだろう。「ちょっと大きめのリアサイト」程度の大きさしかない超小型サイトだからこそできるマウント方法である。
もちろん付属する20mmレール対応マウントを使用して、例えばスコープと並列に取り付けたり、ハンドガード・レールの斜め上に取り付けたりして、近距離用のバックアップサイトとして使用するというやり方もアリだろう。
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