SYSTEMA 電動ガン PTW INFINITY 半年使ってみて
システマのPTW INFINITY(以下 INFINITY)を使い始めて約半年が経つので感想を述べてみたい。
最新技術を詰め込んだハイレスポンスマシン
アウトドアゲームにてINFINITYを使用しているが、まず、従来のPTWに比べトリガーレスポンスが格段に向上したので、ゲームでの撃ち合いに強くなった。バリケから現れる敵にレスポンス良くスパっとBB弾を撃ち込めるのはとても気持ちが良い。
指切り連射も従来型よりさらにしやすくなり、セミオート射撃でも弾幕を張るのが容易だ。
世界初搭載となるギアボックス内蔵小型ブラシレスモーター、デュアルセクターギア、プリコック機能、そして最新の電子制御システムとショートストロークトリガー。
現在考えられる技術を詰め込んだ世界最先端の電動ガンは所有するだけでも楽しめる。
PTW INFINITYは世界的にも注目されていて、昨年の発表以降、海外メーカーもこれに追従する動きもあったが、INFINITYの性能にすぐさま迫るのは難しいだろうとも言われている。
高剛性で安定した射撃、雑味の無い上質な撃ち味
トリガーレスポンスのみならず、PTW INFINITYはその剛性の高さによる安定感が秀逸。射撃時にレシーバーの共鳴や振動が圧倒的に少ないので、非常に引き締まった撃ち味になる。
NBORDE製の高精度削り出しカスタムレシーバーもこれをさらに底上げしている要因だ。
ピストンの前後動やギア・モーターの回転を剛性の高いレシーバーがしっかりと受け止める上質な撃ち味。
モーターが縦置きの小型ブラシレスモーターなので、モータートルクの反作用による捻られるような射撃時の横ブレが皆無で、一般的なグリップ内モーター式の電動ガンと比べてとても撃ちやすいのだ。
屋外フィールドでのゲーム中、セミオートで連射していたら、面識のない同チームのプレーヤーがこちらを振り返って私を見ている。なにかマズったかと思ったが、「その銃、凄く良い音しますね。なんですか?」と問いかけられた。あまりにもキレのある射撃音に、電動ガンとは思えなかったようだ。これは嬉しい出来事だった。チームメイトからも「音だけ聞いているとまるでガスガンを撃っているかのよう」という意見もあった。
従来のスタンダード電動ガンに電子トリガーユニットを組み込んだものとはまた違った、雑味の極めて少ないスッキリとした撃ち味だ。
筆者のセットアップは
ハンドガードはHAOのガイズリータイプレプリカ。何が何でも実パーツということではなく、安価でも質の良いものをチョイスすれば十分に雰囲気は出る。フロントにはSUREFIRE XC1ウエポンライトを搭載、MAGPUL RVG、PTSのGriffin Armament M4SDIIサプレッサーにはトレーサーを組み込み、フラッシュハイダーに必要な時に素早く装着できるようにした。オプティクスはAimpoint Micro T-2。このセットアップでライト、ドットサイト、バッテリー含む重量は約2,885g。想像しているよりも軽いので、人に持たせると意外な反応をする。
グリップはMAGPUL MOE K2。この角度の立ったグリップが銃のハンドリングを容易にし、中にモーターが入っていないので、強度も握り心地も抜群。取付方法もGBBと同様なので、今後替えたくなったら簡単にできる。
ストックはVLTOR i Modストック。いろいろ試してみたが、自分にはこれが一番しっくり来た。またストックチューブにバッテリーをセットするときに取り外しやすいのも気に入っている。
このINFINITYのインストール店は錦糸町のMOVE。日本で一番トレポンの組み立て実績が多いショップでオリジナルカスタムパーツも豊富だ。
INFINITYの不満点
INFINITYに対して全く不満が無いかと言えばそうでもない部分はある。
ひとつはセレクターの構造が従来PTWから変わり、ノッチ感が薄くなった。ただスプリングを強化したり、外観もネジ隠しパーツを使ったりして、普通に使用する分には気にならない程度になった。
むしろINFINITYになったことでグリップの自由度が増したことのメリットのほうが大きい。ありとあらゆる実規格のARグリップが付け放題というのは電動ガンとしては非常に魅力的だ。私が使用しているMAGPULのMOE K2グリップはどんなシーンでもハンドリングしやすい。
もうひとつは撃ち切り後に、初弾のみプリコックではなくフルストローク射撃であること。これはオートストップ後のボルトキャッチ解除操作でプリコックする機能を設けられないだろうかとも思う。
命中精度については既に動画でも公開しているが、0.25g弾指定ということもあり、とても低伸した弾道で、ゲームでも十分な性能だ。ただ、このPTWのホップチャンバー構造は2004年の登場時から変わらない構造なので、より安定さを求めマルイのチャンバーシステム+インナーバレルを組み込んでいるユーザーもおり、様々な試行錯誤がされている部分でもある。
ぜひ、システマには決定打となるような安定度抜群の新型チャンバーを開発してもらいたいと思う。
バッテリーはDCI Guns製の11.1v 1000mAhリポバッテリー、Ave. 25C Max 50C仕様を使っているが、低気温下でも問題なく作動する。実は同スペックのバッテリーがINFINITY開発時のリファレンスバッテリーだったそうで、INFINITYの性能をいかんなく発揮できるそう。コネクターはXT30だ。
あとはマガジンだが、ポロっと落ちないマガジンフォロアー構造への改良や、入手性の良い純正ポリマーマガジン、多弾数マガジンのラインアップが発売されたら嬉しいなと思う。
HK416にも使えるPMAG GEN3が、なかなか手に入らないのが困りものなのだ。
ハードルの高さは価格
PTWの最もハードルの高い部分はその価格であることは紛れもない事実だ。ハイパー道楽のチームメイトは経済的に安定しているミドル世代が多いが、それでもトレポンやINFINITYへの乗り換えには躊躇するメンバーも多い。もちろん家族の理解も必要だし、この趣味の道具にどれくらいの金額を割けられるのか、どこに重きを置くのか、人それぞれの事情もあるだろう。
マルイの箱出し最強性能を重視する人もいれば、DASやガスブローバックなどのリアルなアクションに魅力を感じる人もいるし、安価な海外製電動ガンをベースに徹底的に自分でカスタムした一丁に喜びを感じる人もいる。
一般的な大人の趣味という範疇で考えれば、車やバイク、時計にカメラ、オーディオ、ゴルフなどと比べてもことさらに高価な道具というわけではない。
ただ、サバゲーをこれからはじめようとか、初めて間もない人の多くが、いきなりこれほどの出費をするというのは難しいだろう。最初は一般的な電動ガンで遊んでみて、サバゲーにはまっていった先に、PTWに興味が沸いたのであればお店やイベントに足を運んでみて実際に一度試射してみて欲しい。
INFINITYを手に入れた時の充実感、満足感は他のモデルには代えがたいものがあるのも確かなのだ。
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