SYSTEMA 電動ガン PTW INFINITY 試射会スタート
2021年4月に発売予定のSYSTEMA PTW INFINITYが錦糸町のMOVE店内で試射できるようになった。今回は先行して開催された業者向け試射会での模様をレポートしよう。
PTW INFINITYの更新点
前回のレポートから更新された情報を記載しておく。
ギアBOXは前回もお伝えしたように最終仕様では亜鉛ダイキャスト製になる。
前回の試作機まではセレクタープレートが基盤のマイクロスイッチを押すという仕組みでセーフティ、セミ、フルを切り替えていたが、今回展示されていたギアBOXではホールセンサー式に変更された。
セレクタープレートにマグネットが埋め込まれ、この磁気をセンサーが感知してセレクターモードを切り替える。これによりスイッチが物理的に破損するといったことがなくなった。
またセレクタープレートのくぼみにあたって、セレクターレバー切り替えのノッチ感を出すプランジャースプリングもかなり強めのものに変わっていた。
なお、セーフポジション時の待機電流は60μAと極僅か。あくまで理論値だが、700mAhのバッテリーなら5年間は持つ計算。ただし使わないときはバッテリーは取り外して保管するのが普通だ。
小型ブラシレスモーターの耐久性について読者から質問が多かったのだが、基本的にはモーターより先にギア、ギアより先にピストンの耐久限界が来るということで、モーター自体は半永久的な耐久度があるとのことだった。
また、基盤が大型化したことで雨水による誤作動や故障の可能性についても聞いてみたが、従来のPTW同程度の耐水性であり、特段水に弱くなったということはないとの話だった。必要であれば基盤面にシリコンを流し込んだりするカスタムを施せばより水の侵入を防ぎやすくできるでしょうとのことだ。
モーターの熱については現状では50度の発熱で警告音が鳴る仕様になっており、60度でユニットが安全に自動停止する設定になっている。これはプログラムカードでユーザーが変更することもできる。
例えば夏場の炎天下に銃を放置してしまうなどした場合、この安全装置が作動する仕組みになっている。
なお、フルオートで900~1000発程度連射するとモーターが50度まで発熱するそうだ。実際のゲームでそこまで連射することはないと思うので、十分実用的な設計であると思う。
ダミーモーターの製品版。従来のPTWのグリップにモーターの代わりに差し込んでグリップを固定するためのアダプター。
ショップカスタムの展示
MOVE店内にはNBORDEのカスタムレシーバーをMOVEで刻印カスタムしたサンプル品が展示されていた。
BCMのGUNFIGHTER GRIPなど従来では取付困難だったグリップも装着可能だ。
こちらはDaniel DefenseのDDM4のサンプルレシーバー。無刻印のNBORDEレシーバーにユーザーの好みで刻印を入れてくれるサービスも行っているそう。
これら従来型PTW用レシーバーのグリップ取り付け部はリアルサイズグリップが取り付けられるよう切削加工されている。
ネジを差し込むパーツはステンレスの削り出しで、差し込み方向を180度回転させることでミリとインチ規格のネジに対応できるように工夫されている。
例えばこんなアグレッシブなスタイルのスケルトングリップも取り付けられる。いままでガスブローバックにしか取り付けられなかったリアルサイズグリップがINFINITYでは取り付け放題というのは大きな魅力だろう。
発射レートやプリコックの微調整などが可能なプログラムカードは、INFINITYのバリューキットとは同時発売ではなく、後日の発売となるそうだ。
店内のショーケースにもINFINITYが展示されていた。
INFINITYのバリューキットは4月発売予定、MOVEでは122,100円(税込)にて予約販売を開始している。>予約ページはこちら
なお、本価格はバリューキットのものであるため、エアガンとして完成させるには別途レシーバー、アウターバレル、ストック、ハンドガード、グリップなどの外装パーツをそろえる必要がある。
店内奥には新たに展示スペースが追加されていた。
試射の感想
今回はかなり市販版に近いものということで、実際に試射した感想を。
試射したのはSYSTEMA純正レシーバーのINFINITY。セレクターはアルミ製だったが、製品版では亜鉛ダイキャスト製になる。また、最終減速比は27:1に決定した。そのためスパーギアの径が従来型より大きくなり、シリンダーの切り欠きサイズの関係上、従来PTWとのシリンダー互換性はなくなったとのことだ。
錦糸町のMOVEさんにてINFINITYの試射をしてきました。従来型のPTWとの撃ち比べしてみました。INFINITYのグリップはダミーモーター仕様となっています。明日から試射できるので皆さんもぜひ体験してみてください。 pic.twitter.com/E4PfPdMvzr
— ハイパー道楽 (@hyperdouraku) March 18, 2021
試射はこれまでのINFINITYの感覚同様、タッタッタッと非常にキレが良いトリガーレスポンス。
デジタル制御されたブラシレスモーター、デュアルセクターギア(DSG)とプリコック機能も相まって、ギアの作動音はほぼ聞こえない。従来のPTWとは全く異なるレスポンス。
レスポンスだけで言えば電子トリガーを搭載した海外製電動ガンやカスタム電動ガンでも切れの良いものはある。がしかし、INFINITYのギアBOX内蔵小型ブラシレスモーターは回転軸がギア方向に回っており、捻るようなトルクの反作用がなく、実際にはわずかに上方向に作用しているそうだが、とにかくカチッとした射撃感なのだ。またトイガン随一のレシーバー剛性の高さはフレームの共鳴を最大限に抑え込み、塊感を出している。
あえて気になる点を挙げるとすればセレクターだろう。従来型と構造が変わったので、左レバーは六角ネジによる取付けだ。メーカー出荷状態ではこのネジが丸見えなので、気になるユーザーはキャップやシールなどを貼ることになる。ただし実銃の民生カスタムパーツではネジ固定のセレクターレバーもあるのでそのようなイメージのカスタムであれば気にならないだろう。
セレクター操作の感触は従来型PTWのほうがノッチ感が強く節度があった。この点においては個人的には従来型のほうが好みだ。
もう一つ、プリコック式になったことでマガジンを途中で抜くとチャンバーに弾が残る。従来PTWに慣れている人ほど、弾抜きを忘れがちなので注意したいところだ。プリコック状態でテイクダウンするとピストンが解放されてチャンバーの弾が発射されてしまうので要注意。保管の際もできるだけプリコック解除しておきたい。
また、弾を撃ち切った場合はプリコック解除でピストン前進停止となるが、次マガジン装填後の初弾はプリコックではないのでわずかに射撃の感触がことなる。
マガジン装填が頻発するようなタクトレや初弾重視の競技の場合、この仕様がどの程度影響するかは個人差があるかもしれない。
トリガープルは実測で1.1kg。前回の取材時にトリガープルの軽さを指摘したところ、トリガースプリングの巻き方を調整してくれたそうだ。従来のPTWが700~800g程度と考えるとやや重めではあるが、ともすれば軽くなりがちな電子トリガー仕様にあって、リターンが速いので連射は容易であるし、このくらいの重さでも十分納得できるものだ。
MOVE店長の島岡さん。ハイパー道楽をご覧の全国1000万のトレポンファンへメッセージをお願いしますと、お聞きしたら以下の回答をいただいた。
『東京マルイの電動ガンが1991年4月に発売されてちょうど30周年を迎えるこの節目にあって、マルイの電動ガン用カスタムパーツを初期から製造販売し続け、今日まで電動ガン市場を盛り上げてきたシステマ社が、独自の技術と、最先端の機能を盛り込んだPTW INFINITYは、電動ガンの、いやエアソフトガンの歴史を塗り替える一丁だと思うのね。この記念すべき歴史の転換期をトイガンファンとして見逃すことなく、ぜひ実際に試射・体験していただきたい!!
美味しいもの食べた人から「美味しかった」って聞いても自分で食べてみないことにはどんな味かわからないでしょ? まずはお店に来て撃ってみて欲しい。買うとか買わないとかは後でいいから。とにかく試射して感じてもらうだけで良いんですよ。』
MOVEではINFINITYの一般試射を開催中なので、気になる方はぜひ一度お店に遊びに行ってみてほしい。
トレポン専門ショップ -MOVE-
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