東京マルイ ガスガン M9A1
実銃のベレッタM9は米軍が1985年に制式採用したオートマチックピストルだ。それまで制式となっていたコルトM1911A1に代わりトライアルを勝ち抜き米全軍の制式拳銃となった。口径は9mm×19パラベラム弾を使用する。このM9ピストルはイタリアのベレッタ社が開発したM92Fがベースであることもよく知られている。制式採用されるとともにM92Fは映画でも多く登場し、「ダイハード」や「リーサルウエポン」「男達の挽歌」など、主人公達が使用する拳銃として世界的にも有名になった。
このM9ピストルを2006年に米海兵隊の要請で改良したものがM9A1となる。
大きな改良点としてははウエポンライトなどを装着できるアンダーマウントレールを装備、グリップ前後面にチェッカリングが施され、リアサイトはホワイトドットに変更された。
東京マルイ ガスガン M9A1 スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||
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パーツリスト |
東京マルイのガスブローバックガン、M92Fミリタリーモデルは1999年10月に発売された。すでに当時、WAやKSCからもM92シリーズが先行して発売されていたので、やや遅れての人気モデルの投入となった。
東京マルイとしてはデザートイーグル.50DEに続くガスブロ第2弾という初期モデルだったこともあり、固定ホップアップやデコックの機能がオミットされているなど、ファンにとってはちょっと物足りない部分もあったが、マルイならではのその高い命中精度と12,800円というリーズナブルな価格設定から、サバイバルゲームユースに重宝された。
すでに発売から10年以上の歳月が経過し、内部パーツの細かなマイナーアップデートもされてはいたが、ついに2012年5月の静岡ホビーショーでフルモデルチェンジが発表され8月に発売となった。
スライド、フレーム、バレルの仕上げを変えて質感を向上している。フレームにはM9A1の特徴であるアンダーマウントレールが装備される。またトリガーガード前面の形状もM9とは異なる。刻印はマルイオリジナルだがそれっぽくなっている。
バレルとフレームはややザラついたブラストした様な表面。アウターバレルはプラ製ながらサンドブラストによるザラついた感触でダークグレーのパーカライジングのような処理。実銃もこんな感じの色合いなので、上手く質感を再現していると思う。
リアサイトはホワイトドットが入り、3ドットでエイミングする。
ファイアリングピンも再現されており、セフティレバーを押し下げると連動してピンも上を向く。
ベレッタ独特のスライド上面が大きくえぐれたデザイン。マズルクラウンの形状もリアルな雰囲気だ。
スライドを引いたときの感触がジャコキンと心地よい。またリコイルスプリングのテンションも若干強めになっている感じがする。
スライドのエジェクションカット面が内側に傾斜しているのも実銃同様に再現。
また、従来モデルよりノズルの後退量が増してホールドオープン時のシルエットがリアルになった。
バレル側のエキストラクターの切欠も再現されている。
従来から要望の多かったデコック機能が再現された。ハンマーがハーフコック、フルコック、どちらのポジションからでもスライド後部のアンビセフティを下方に押し下げれば安全にハンマーを落とすことができる。
グリップは前面と後面にチェッカリングが入りより確実なグリップが可能となっている。
またグリップ後面の親指が当たる部分の形状が深くアールを描いており、よりハイグリップしやすくなっている。
グリップパネルの刻印はマルイオリジナル。ベレッタが矢なのに対してマルイのは剣になっている。
マグウェル部分も従来モデルより拡大されてより素早く確実なマグチェンジが可能。
グリップパネルの内側には重量増のための錘が仕込んである。
グリップパネルは実銃とサイズ互換なのでさまざまな実銃用のグリップパネルが装着可能。
アンダーマウントレールには十字に溝が切ってある。実銃採寸と言うことをうたっているが、実物SUREFIRE X300を装着したところ僅かにカタついた。
手持ちのホーグのラバーグリップとSUREFIRE X300ウエポンライトを装着。うーん、渋い。
グリップ装着時には取り付けるグリップに応じてプラ製のワッシャーを取り外したりと調整が必要。またネジを締め込みすぎるとフレーム側に埋め込まれた真鍮製ナットがポロリと取れたりするので注意。
筆者も1カ所これをやってしまい、慌てて瞬間接着剤で取り付けたという...。このナット、フレーム内側から打ち込んであるのでは無く、外側から差し込んで接着されている様な状態なのでグリップ交換時に破損しやすいようだ。
マガジンは従来モデルと共用。亜鉛ダイキャスト製で6mmBB弾を26発装填できる。
フィールドストリッピング(=通常分解)。矢印のテイクダウンレバーを90度回転させればスライドを前方へ引き抜くことが出来る。
アウターバレルを取り外すとインナーバレルに取り付けられた錘がみえる。
これにより前方重量が増して、重量バランスがとても良い。
従来固定ホップだったがチャンバー右側面には可変ホップアップの調節ダイヤルが装備された。
実測重量は963g。かなりズシリと重い。
これは実銃の空マガジン装着時の重量とほぼ同じ。
グリップパネルの重量比較。マルイは両面で110gに対して、ベレッタ純正の実銃グリップは32g、ホーグのラバーグリップは33g。グリップを取り替えると当然軽くなるが、それでも886gと十分な重量がある。
グリップパネルを取り外したときにマガジンキャッチを左右逆向きに入れ替えることも出来る。これによって左利きの射手でも親指でマガジンキャッチを押して交換できるという実銃同様のアンビ仕様だ。
最後の旧型メカモデルのサムライ エッジ改 [クリス・レッドフィールド モデル]と一緒に。グリップはベレッタ純正の実銃グリップパネルを装着してみた。これでも十分な重量感がある。
東京マルイ M9A1の開封動画をどうぞ。
さて、実射だがもともとホップアップが適正に調整されており、その弾道は真っ直ぐに狙ったところに飛んでいく。相変わらずの安定性だ。リコイルは手持ちのサムライエッジ改と比べてもあまり大差は無い。従来モデルも内部パーツがリファインされ、かなり良くなっているのかもしれない。
WAのM9と比べるとスライドスピードは速く射撃音も派手で大きな音がする。KSCのM9が故障してしまっていて比較できないのが残念だがHWモデルに比べたらスライドスピードは速そう。
マルイの他のモデルとリコイルを比べてみた。
直近に発売されたXDM-45と比べると流石にリコイルはそれなり。大口径シリンダーユニット搭載のXDMと比べるのは酷か。ではベレッタPx4と比べるとどうか。うーん、僅かにPx4に軍配が上がる感じ。P226 E2と比べるとリコイルは同じくらいだがスライドスピードはM9A1のほうが遅い。MEUと比べるとスライスピード、リコイルともに同じくらいか。
初速はマルイのガスブロの中では高い方で、これはやはりサバイバルゲームでガンガン使うのが楽しいだろう。
もちろん質感も初期モデルに比べてずいぶん向上しているし、実銃同様の重量感は所有感をくすぐられる一品。
特にベレッタM9独特の形状と米軍制式採用に魅力を感じるのであればオススメの1丁だ。
2012/09/09
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