東京マルイ ガスガン M.E.U.ピストル 【エアガン レビュー】
実銃のM.E.U.ピストルはアメリカ海兵隊の使用する.45ACPオートマチックピストルだ。1985年、米軍はそれまで使用していたコルトM1911A1ガバメントモデルからNATO各国が使用する9mm弾を使用するベレッタM92FSに制式拳銃を変更した。しかし、特殊部隊や前線兵士からの9mm弾に対するマンストッピングパワー不足の要望から、45口径のパワーアドバンテージを推す者もいた。緊急時には戦地に一番乗りする海兵隊もこの例にもれず、独自にM1911A1をカスタムしたものを使用し始めた。これがMEUピストルのきっかけであり、MEUとはMarine Expeditionary Unit(Special Operation Command)の略。MEUピストルは大きく分けて前期、中期、後期型があり、初期のものはM1911A1のフレームを流用したものだったが、スライド、バレル、アイアンサイトはすべてカスタムパーツに変更され、後期型ではフレームもスプリング・フィールド・アーモリー社(SFA)製のものとなり、最新のカスタムガバメントと言える構成となった。
東京マルイはこの後期型をガスブローバックガンでモデルアップ。さっそくレビューしてみよう。
東京マルイ M.E.U.ピストル スペック
MEUピストル 射撃ムービー |
東京マルイ M.E.U.ピストル 弾速データ
パーツリスト |
パッケージはデザートMARPATとタンカラーでオシャレ。合衆国海兵隊のマークも入っている。
パッケージ内容。デザートMARPAT柄の敷布に包まれたMEUピストル。マニュアルもタンカラーでコーディネートされている。
はじめてみた印象は「黒っ!!」。ミリガバのようなグレーではなくてタクティカルなマットブラック!! イイね。
シャンパンゴールドのマガジンが、ゴージャスな雰囲気。
ブラスト加工されたブラックボディが精悍なイメージだ。
なお、スライド右側面には刻印が無い。
本来ならばスプリングフィールドアーモリーの刻印があるところだが、まあ、気になるようであればショップレベルでレーザー刻印サービスとかやってるし、あるいはもうタニコバのHWスライドに換装してしまえば良い。
いやむしろそこまでこだわるユーザーはとっくにミリガバをカスタムしまくっているだろうし、この価格でMEUが手に出来るのであれば文句は言うまい。
ホールドオープン。アウターバレルのパーティングラインも綺麗に消されていて仕上げも美しい。
スライド前後に入ったセレーション、ノバックリアサイトなど、タクティカルなシルエットが渋い。
タクティカルサイトの至宝、ノバック社正式契約のリアサイト。
左側面に
NOVAK'S
PAT.D305146
と刻印がある。
ホワイトドットはなし。
実銃でもドットがあるものとないものが存在するようだ。
ハンマーは大きく三角に穴の開いたデルタハンマー。
実銃のカスタムメーカーNOWLINのバレルを再現したチャンバー刻印。
NW7125.45ACP となっている。
スライドストップのピンが平らなので、指で押してしまうこともない。
ドブテイル式のフロントサイト。別パーツとなっている。
実銃ではホワイトドットがあるものとないものが存在するようで、マルイはドット無しを再現している。
なお、フロント、リアサイト上部にある六角ネジはモールドのダミー。
ちなみにドブテイルとは蟻溝のことでスライドに台形の溝を切って左右からフロントサイトを差し込んで固定している方式のこと。
迫力のマズル。実銃ではここから.45ACPの巨大なドングリのような弾頭が叩き出される。
アンビタイプのサムセフティ。
レフトハンドでも素早くセフティを操作できる。
ビーバーテールのグリップセフティはパームスウェル付き。
グリップはパックマイヤー風の「Pro-grip」。
いわゆるパックマイヤーのレプリカで、とくにラバー素材というわけではなくプラ製だが、握り心地は良い。
マガジンバンパーがあってマグチェンジもしやすい。M1911A1のマガジンも共用可能だ。
トリガーはスリーホールのアルミ製マッチトリガーを再現。マルイのは亜鉛ダイキャストにメッキを施したもの。
トリガー前面にある六角ネジはダミーで実銃のようにトリガーの調節は出来ない。
グリップ底部にはランヤードリングを装備している。
メダリオン部分が気になったので拡大撮影してみた。ライオンに羽根らしきものが生えている。
ちなみに下の写真が実物のパックマイヤーメダリオン。似てますな。
マガジンはウィルソン社製ステンレス7連マガジンをモデルアップ。シャンパンゴールドのカラーが美しい。バンパーにWILSONの刻印はなし。
6mmBB弾を28発装填できる。
最後の1発はちょっとキツめなので装弾は1発控えたほうが良いだろう。
M1911A1のマガジンと互換性がある。MEUのマガジンはマガジンバンパーの長さ分、装弾数が2発増えている。
可変ホップアップの調節ダイヤルはスライドを外してチャンバーの位置にある。調整はちょっと面倒だが、一度設定してしまえば狂いにくい。スライド左側面のPROFESSIONAL CAL.45はスプリングフィールド社製の後期型カスタムスライドの刻印。ブローバックユニットはM1911A1と同様のもの。また、スライドストップのノッチは磨耗対策用にM1911A1と同様の対策が施されている。
ちなみに、サファリランド 6004 タクティカルホルスターにはセフティが邪魔して入らなかった。この部分がカットされたものが発売されているのかな?
フィールドストリッピング。グリップを取り外すと、なんとワンピースだと思っていたグリップが実は3ピース構造。よくできてるなぁ。錘もミリガバ同様に巨大。
実測での総重量は847g。
ちなみにグリップ一式の重量は193g。
総評として、ブラスト加工による質感はブラックボディとあいまってよい雰囲気だ。スタイルもカスタムスライド、ノバックサイト、ビーバーテイルにアンビセフティとタクティカルテイストでカッコイイ。
グリップをパックマイヤーのラバーに交換したいところだが、おそらく重量が軽くなるので考え物。私の場合、これはこれで握り心地は良いし、いいんじゃないかと思う。刻印もしかり。あまり細かいディティールにこだわらずに、ゲームでガンガン使用するサイドアームと言える。ブローバックの感触も基本M1911A1と変わらず。弾道も非常に安定していて、まさに夏にもってこいのハンドガンだ。とにかくこの価格とカスタムパーツがふんだんに盛り込まれたタクティカルスタイルはリーズナブルと言っても良いだろう。
2008/08/11
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