KSC ガスガン M9 07HK HW スペック
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KSC ガスガン M9 07HK HW 弾速データ
パーツリストI パーツリストII |
ガスブローバックガンでの評価要素はいくつかあって、私の場合は以下の8項目を定義している。
・形状の再現性
・表面仕上げなどの質感
・刻印の正確さ
・重量
・作動性
・作動音
・実射性能
・カスタム拡張性
上記の点で言えばKSCのM9は現在発売されているモデルの中でトップクラスといえる。
表面の仕上げも実銃の持つ黒々した雰囲気をうまくHW樹脂で再現している。WAのカーボンブラックよりKSCのほうが何度か手にした実銃M92FSの雰囲気と硬質感が良く出ている。
刻印の正確さという面ではベレッタUSA刻印の再現がWAのパテントの関係で難しく、BERETTA U.S.A.の部分がARMED FORCESと再現されている。
参考までに米軍に納入されている実銃M9の刻印。丸にPBの文字は民生用と違って袋文字ではない。
07ハードキックの作動は快調で、バキャン、バキャンと従来のKSCからしたらかなり激しくリコイルを感じる。昔のKSCってボコンボコンといった軽くてプラっぽいイメージがあったが、これでやっと他メーカーの最新モデルと並んだといえる。
ABSバージョンならばもっと速くスライドが前後するのだろうが、HWだとドシッとした重みが感じられる。
KSCの作動音はマルイに近い。というよりもWAのほうが異質な音なわけで、WAは擬音で例えるならばベキン、ベキンといった感じ。
ただしリコイルの強さはWAのVer.3がもっともドシッと重く感じる。ちなみに手元にあるマルイでの比較対象はハイキャパ5.1。
M9のフォルムは塊感が強くグリップを握った瞬間に950gの重量とあいまってズシリと男心をくすぐる。
ホールドオープン状態。07ハードキックメカのノズルが見える。
スライドを分解せずにチャンバーから付属レンチで可変ホップアップの調節をおこなえる。
スライドのエジェクションカット面が内側に傾斜しているのも実銃同様に再現。
マガジンリップが金属製なので、ローディング時にBB弾が削れてフィーディングランプあたりに削り粉が溜まる。リップ部分はプラ製にするのが主流なので改良して欲しいところ。
リアサイトはホワイト・ドットタイプ。フロントサイトのホワイトドットと横一線に3つの白い点が並び、狙いやすい。素材はスライド一体のプラ製。ここはエリート系と同様に金属製の別パーツが良かった。
ダミーではあるがファイアリングピン周辺がリアルに再現されている。セフティをかけるとピンも連動して上に回転するのも実銃同様のギミック。
スライド上面にちょこっと飛び出ているファイアリング・ピン・キャッチがスライド一体でモールドとなっているのが残念。動かないまでもWAのようにブリーチ側のパーツとして別の質感にしてほしかった。
アンビタイプのセフティをオンにするとコッキングされていたハンマーが連動してデコックされる。もちろんこの操作では弾は発射されない。
デコックされたハンマーの位置もリアルだ。
ベレッタM9独特のスライド上面が大きくカットされバレルが見える美しいデザイン。ハンマー側面には米軍部品番号が打刻されていて芸が細かい。トリガーガードの内側もマシニング加工されていて綺麗にパーティングサインが消されている。
マズル部分にはライフリングが再現されているが、それほど溝を強調することなく、さりげない程度。
インナーバレルが目立たないようにかなり奥まっている。
マズル先端部分が平面ではなくてラウンドカットされた造形が良かった。
しかしKSCの商品はすべての面とエッジがキリッとしていて美しい。プラ製品でありがちなヒケなどは一切なく、撮影していて楽しい。
9mmダブルカラムマガジンを装備するだけあって重厚感あるグリップだが、握り心地は良い。
グリップ底部には軍用ピストルらしくランヤードリングを装備。
ダストカバーから、トリガーガード、グリップ背面にいたるまで美しくマシニング加工されパーティングラインが消されている。
グリップパネルは交換可能なので、KSCマークが気になる場合はベレッタの純正グリップやホーグなどのカスタムラバーグリップなども無加工で装着可能だ。
マガジンキャッチは左利き用に左右を入れ替えることが出来るアンビデクストラスタイプ。
グリップパネルを取り外してみる。実銃の各種グリップパネルが取り付けられるのはうれしい。
通常分解(フィールド・ストリッピング)。スライドの組み立て時はバレル先端を押してショートリコイル状態にするとディスアセンブリレバーが楽に回る。アウターバレルの色合いは自分のイメージの中では真っ黒ではなく、艶消しのグレーっぽい色味。なので、ダークパーカーなどで再塗装しても良いかも。
マガジンを含む総重量は実測で947g。
実銃の弾薬無しの重量は970g。ヘビーウエイト樹脂でズシリと重く、感触としては実銃を持ったときの印象に近い。
もう少しフロント部分が重ければバッチリなのだが、これはメタルアウターバレルが発売されれば解決しそう。
KSCは実銃にはない自社マークなどを見えないところに配する。ディスアッセンブリーレバーを90度まわすとKSCの社ロゴ刻印が現れる。
また、トリガーバー下にJASG(日本エアースポーツガン協会)の刻印がある。
いずれも目立たなくて良い。
マガジンは6mmBB弾を24発装填できる。
素材は亜鉛ダイキャスト製で、リップ部分も金属製。このリップをBB弾が通過する際にBB弾が削れて粉がフィーディングランプに溜まるので、樹脂製のリップに変更してもらいたいところ。
マガジンフォロアーを一番下まで下げるとカチリとロックがかかり、BB弾を装填しやすい。フォロアーを解除するには軽く押してあげるだけでよい。
またこれは個体差だと思うが、スライド閉塞時に装填されたマガジンを抜くとBB弾が1発、リップからこぼれてしまう。
残弾確認のたびに気を使うので何とか調整できないものか。
マガジン形状は非常にリアルで実銃用マガジンも本体に挿入できるほど。
もっとも実銃マガジンのほうが長いので最後まで入らないが。
射撃ムービー
総評だが、質感、重量感、形状再現性、作動性など、どれをとっても現在国内で販売されているM9/M92Fではトップクラスといえる。刻印もWAのパテント刻印がびっしり書き込まれたものに比べたら自分の中では許せる範囲。メーカー刻印も控えめで奥ゆかしい。ただし、オリジナルマークのグリップは気になるのですぐに交換したくなる。初速は70m/s後半は有りまずまず。弾道性能は可変ホップなので調節は効くが、わずかにデリケートな弾道を描く。しかしながらゲームのサイドアームでも問題なし。やっぱりガスブロは夏場が楽しい。