[パート1 10式戦車お披露目] [パート2 観閲行進] [パート3 模擬戦闘訓練]
2010年7月11日、静岡県駿東郡小山町にある陸上自衛隊富士学校にて開催された設立56周年記念行事の模様をレビュー。パート2は様々な陸上兵器が登場する観閲行進をレポート。
富士学校は、普通科、野戦特科、機甲科及び普通科部隊・特科部隊・機甲科部隊の相互協同に必要な知識・技能を修得させるための教育訓練を行うことが基本任務。
各科職種の幹部及び陸曹の教育と各科職種に関する研究を行っている。
富士学校は学校本部とともに、富士教導団を直轄する。富士教導団は富士学校を卒業した教官により組織されており、主に富士学校幹部学生の戦闘訓練支援及び富士総合火力演習を担任する。
左の像は資料館エントランスに飾られている像で、普、特、機の若い学生が富士学校の校風のもと、教育に邁進する姿を表現している。
像の台座に刻まれた「進んで難局に当る」が当校の校風・精神を示す。
富士学校のグランドにずらっと勢揃いする観閲を受ける隊員と車両。この日はあいにくの天気で小雨がパラつき、霧が濃く、視界が悪かった。
73式小型トラックで本日の記念式典執行者、陸上自衛隊富士学校長兼、富士駐屯地司令、三本明世 陸将が登場。
合図とともに整列していた隊員たちが一斉に行進準備に取り掛かるため車両に乗り込む。
音楽隊を先頭に、観閲行進が始まる。まずは富士教導団 本部中隊から行進がスタート。
82式指揮通信車。富士教導団 本部中隊所属。
搭乗しているのは観閲部隊指揮官、富士教導団長、越智正典 陸将補。
96式多目的誘導弾システムを搭載した高機動車。愛称は96マルチ。富士教導団、本部中隊所属。
続いては偵察教導隊。スカーフの色はオレンジ。
82式指揮通信車。偵察教導隊所属。
12.7mmのM2銃機関銃と5.56mm機関銃MINIMIを搭載している。
軽装甲機動車。愛称ライトアーマー。偵察教導隊所属。ルーフから5.56mm機関銃MINIMIを構える隊員。
乗員4名、全長4.4m、全幅2.04m、全高1.85m、最低地上高0.41m、登坂能力60%、ディーゼルエンジン160馬力、、最高速度100km/h、行動距離500km。製造会社は小松製作所で、平成14年から部隊配備が開始された。
偵察用オートバイ。偵察教導隊所属。このバイクはカワサキのKLX250。
87式偵察警戒車。偵察教導隊所属。砲塔にはエリコン社製の25mm機関砲を、また機関砲同軸には74式車載7.62mm機関銃を装備する。車体は82式指揮通信車と共通の部分が多い。
続いては普通科教導連隊が行進してくる。これは普通科教導隊、本部管理中隊の82式指揮通信車。愛称「コマンダー」、CCVとも呼ぶ。
普通科の隊員のスカーフの色は赤色。
普通科教導連隊の本部管理中隊、情報小隊にも偵察バイク(カワサキKLX250)が配備される。
89式装甲戦闘車。愛称はライトタイガー。普通科教導連隊、第1中隊所属。
重量26.5t、全長6.8m、最高速度約70km/h、移動距離約400km、毎分550発発射可能なエリコン社ライセンス生産の90口径35mm機関砲KDE×1、74式車載7.62mm機関銃×1、79式対舟艇対戦車誘導弾発射装置、通称「重MAT」×2(砲塔両側面)、車体砲塔制作は三菱重工。
戦場で戦車に随伴しながら歩兵を輸送する目的の機械化戦闘歩兵車両だ。乗員3名に加え、兵員を7名輸送できる。
普通科教導連隊、第2中隊の軽装甲機動車。ルーフのターレットから5.56mm×45弾を使用する5.56mm機関銃MINIMI(いわゆるミニミ軽機関銃)を隊員が構える。
普通科教導連隊、第3中隊の高機動車。
96式装輪装甲車。普通科教導連隊、第4中隊所属。乗員2名に加え、兵員8名を輸送でき、後部ハッチより兵員を展開させることが可能。全備重量約14.5t、全長6.84m、全幅2.48m、全高1.85m、最低地上高0.45m、登坂能力60%、最高速度100km/h、行動距離500km以上。
武装は96式40mm自動てき弾銃または12.7mm重機関銃を1門装備可能。
この車両は車体上部のターレットには96式40mm自動てき弾銃を装備している。
旧型の73式小型トラックに搭載された、79式対舟艇対戦車誘導弾(重MAT)。普通科教導連隊、対戦車中隊所属。
高機動車に牽引された、120mm迫撃砲 RT。普通科教導連隊、重迫撃砲中隊所属。
続いては特科教導隊。
本部中隊の73式小型トラック。
特科のスカーフは黄色。
73式中型トラックがベースの1トン半救急車。特科教導隊、本部中隊所属。
牽引された155mmりゅう弾砲 FH70。特科教導隊 第1中隊所属。第2中隊にもFH70が配備されている。
FH70は155mmりゅう弾砲で、有効射程約24Km、西ドイツ、イタリア、イギリスの参加国によって開発されたものを日本製鋼所がライセンス生産している。
99式自走155mmりゅう弾砲。特科教導隊 第3中隊所属。重量40t、最大速度49.6km/h、空冷4サイクル直列6気筒のディーゼル機関で最大出力は600ps、乗員4名。155mmりゅう弾砲の最大射程は約30km。富士学校からだと沼津や熱海までを砲撃可能。
99式弾薬給弾車。
特科教導隊 第3中隊所属。
203mm自走りゅう弾砲。特科教導隊 第4中隊所属。最大射程は通常弾で約23kmとなっている。
87式砲側弾薬車。
特科教導隊 第4中隊所属。
多連装ロケットシステム MLRS。
特科教導隊 第5中隊所属。
88式地対艦誘導弾の射撃統制装置。特科教導隊、第6中隊所属。
88式地対艦誘導弾の発射機。愛称はシーバスター。特科教導隊、第6中隊所属。
続いて特科教導隊の第303観測中隊が登場。
この車両は気象測定装置 JMMQ-M5。
大気の温度・湿度・風向などを測定し、射撃命中精度を高めるのが目的。
上記、JMMQ-M5の構成装置である、ゾンデ追跡処理装置。303観測中隊所属。
対迫レーダ装置 JMPQ-P13。303観測中隊所属。後ろに牽引されているのがフェーズドアレイレーダー装置で、それを処理する管制装置が荷台に積まれている。
敵の迫撃砲の位置を迅速に自動的に測定する。
対砲レーダ装置 JTPS-P16。303観測中隊所属。74式特大型トラックにフェイズドアレイレーダーが折り畳まれて搭載されており、敵砲迫の発射位置及び弾着位置特定に用いる。
遠隔操縦観測システム(FFOS)。特科教導隊、303観測中隊所属。無人誘導型の偵察ヘリコプターを遠隔操縦するシステム。偵察ヘリコプターのほうは行進がなかった。朝霞の広報センターに展示があるそうだ。
続いては教育支援施設隊が登場。スカーフの色はえび茶色。
教育支援施設隊の96式装輪装甲車。
この先頭車両は12.7mm重機関銃M2を搭載し、他2両は96式40mm自動てき弾銃を装備していた。
3トン半ダンプ。教育支援施設隊所属。
作業装置(クレーン)付の73式大型トラック。教育支援施設隊所属。
91式戦車橋。教育支援施設隊所属。
81式自走架柱橋。教育支援施設隊所属。
92式地雷原処理車。教育支援施設隊所属。
最後は戦車教導隊が登場。まずは第5中隊所属の隊長機が先頭を走る。
その後ろに第2中隊の90式戦車が2両。砲塔の流れ星のマークは黒でペイントされている。
戦車教導隊、第1中隊の74式戦車。第1中隊のマークは鷲。
74式戦車はその名のとおり1974年に制式となった。
乗員4名、重量約38t、全長9.41m、最高速度53km/h、行動距離約300km、105mm戦車砲×1、12.7mm M2機関銃×1、74式車載7.62mm機関銃×1、三菱重工製。
次に戦車教導隊、第3中隊が続く。
第3中隊の74式戦車。砲塔のマークは騎士。
第3中隊の騎士のマークは3色のバリエーションが見られた。
第4中隊の74式戦車。砲塔のマークはペガサス。
続いては第2中隊の90式戦車が行進。砲塔のマークは流れ星。
最後に第5中隊の90式戦車。砲塔のマークは5の数字を砲塔風にデザインしたもの。
第5中隊の最後の1両はドーザブレード装備の90式戦車(右後)だった。
パート3 模擬戦闘訓練へ続く!!
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