[パート1 飛行展示] [パート2 地上展示]
2010年6月6日、千葉県木更津市にある陸上自衛隊木更津駐屯地にて第42回木更津駐屯地創立記念第38回木更津航空祭が開催されたのでレビュー。
木更津駐屯地は千葉県木更津市にある陸上自衛隊の駐屯地。
東京湾に面し、陸上自衛隊の第1ヘリコプター団が駐屯する。駐屯地内には固定翼機の離着陸も可能な飛行場を有している。
もともとは大日本帝国海軍の航空基地として埋め立てられた基地であり、現在でも首都防衛の要となっている。
朝9時過ぎに駐屯地内に入るとすでに創立式典が始まっていた。整列する隊員たち。
第1ヘリコプター団団長、金丸章彦陸将補による巡閲。
2010年の現在においても、陸上自衛隊の後方部隊には64式小銃が使用されている。
64式小銃は1964年に自衛隊と海保に制式採用された国産の自動小銃。
豊和工業が開発し、弾薬は7.62mm×51 旧NATO弾を使用する。
全長990mm、重量約4.3kg、装弾数は20発。
現用の89式小銃が制式となるまで23万丁以上が製造された。
婦人自衛官(WAC)も64式小銃を使用していたりする。重いのに大変だなぁ。
式典では、ハンドガン用のレッグホルスターを着けた隊員も見かけた。黒いナイロン製で部隊ナンバーが書いてあったので官給品かと。拳銃は9mm拳銃(SIG P220ライセンス版)を使用する。
陸上自衛隊高等工科学校生によるライフルドリル演技が披露される。
使用するライフルは米国製のM1ガーランド。
米軍の正式名称はU.S.RIFLE CAL.30 M1。
1936年に米陸軍に制式採用となったセミオート射撃が可能なガス圧利用の自動小銃。
設計はジョン・C・ガーランドで、スプリングフィールド国営造兵廠をはじめ民間の銃器メーカーでも製造され、第二次世界大戦から朝鮮戦争まで500万丁以上が製造された。
M1ガーランドは、全長1108mm、重量4370g、銃身長は600mm。
口径は7.62mm×63、いわゆる30-06を使用し、ローディング・クリップにまとめられた8発を装填する。
わが国においても自衛隊が64式小銃を制式採用するまで米国から供与されたものが各部隊で使用されていた。
ビカビカに仕上げられたウッドストックがいかにも儀仗隊といった風情。
さて、編隊飛行が開始されると飛行場で待機していたヘリコプターが一斉に飛び立つ。
気分は映画ブラックホーク・ダウンの「オールユニッツ、アイリーン!!」
←アイリーンって? というかたは再生どうぞ。
陸上自衛隊に配備されている固定翼機のLR-1も滑走路から飛び立つ。
LR-1は偵察連絡機で、固定翼機の高速性能と航続能力を生かして、ヘリコプターには不可能な遠距離の連絡・偵察用に使用されている。
北に飛び去ったヘリの一団が隊列をなしてやってくる。
CH-47チヌーク輸送ヘリを先頭に、EC-225LP要人輸送ヘリ、OH-1観測ヘリ、AH-1Sコブラ攻撃ヘリ、OH-6D観測ヘリ、UH-60JA汎用ヘリ、CH-47、LR-1、LR-2が続く。その数27機。
ヘリコプターの編隊は駐屯地上空を北から南に抜け、東京湾上空を旋回し、西から観閲する我々に真正面から近づいてきた!! 心の奥底では完全にワルキューレが響き渡っている。
←ワルキューレって何? ってかたは再生どうぞ。
CH-47JAチヌーク輸送ヘリ。
陸上自衛隊、航空自衛隊に配備されている最大級の輸送ヘリコプター。優れた積載能力と最大10tに達する揚荷能力は様々な場面で威力を発揮する。
乗員3+55名、全長30.2m、全幅18.3m、全高5.77m、出力3750shp×2、最大巡航速度274km/h、最大全備重量22,680kg、製造会社は川崎重工。米国ボーイング・バートル社のライセンス生産。
EC-225LP要人輸送ヘリ。
AS-332LPの後継機。全長が長くなったことで輸送人員数が増えた。陸上自衛隊特別輸送ヘリコプター隊に配備され、国賓や内閣総理大臣などの要人空輸にされている。
特別輸送ヘリコプター隊は昭和60年9月に政府専用ヘリコプター隊として編成され、61年12月には特別輸送飛行隊が編成、平成20年3月に改編され現在に至る。
EC-225LPは平成18年10月より導入され、全長19.50m、全幅16.20m、全高4.97m、最大離陸重量11000kg、最大速度305km/h、出力2100shp×2、航続距離943km、製造会社ユーロコプター社。
AH-1Sコブラ攻撃ヘリ。
昭和59年度に国産初号機が導入。全長16.16m、乗員2名、最大速度315Km/h、機体製作は富士重工、エンジンは川崎重工が担当する。
翼下には対戦車ミサイルTOWを最大8発、70ミリロケット弾を搭載可能。
機首下には20mm M197 ガトリング砲を1門備える。ガンナーの視線を追尾しその方向を向くようになっている。
発射速度は毎分650発で、750発の弾薬を搭載することができる。
M197 ガトリング砲の20mm弾の模擬弾。
この日はこの模擬弾を用いてガトリング砲の実演を行っていた。
OH-1観測ヘリ。
OH-6Dの後継機として、独自に開発した本格的な純国産観測ヘリコプター。平成9年(1997年)に制式化された。
OH-1は乗員2名、全長12.0m、総重量3,500kg、出力800shp×2、航続距離550km、最大速度290km/h、燃料容量953l、製造会社は川崎重工業。調達価格は1機25億円。胴体左右の小翼には自衛用の空対空ミサイルを4発搭載可能。
OH-6D観測ヘリ。
T字尾翼が特徴的な陸上自衛隊の観測ヘリコプター。連絡・偵察機として利用されるほか、陸自及び海自の訓練機としても利用されている。
乗員1+3名、全長9.5m、全幅8.1m、全高2.7m、出力420shp、最大速度244km/h、航続距離589km、製造会社は川崎重工。米国ヒューズ社のライセンス生産。
UH-60JAブラックホーク多目的ヘリ。
乗員2+12名、全長19.8m、全幅16.4m、全高3.7m、自重7,484kg、巡航速度243km/h、航続距離463km。
製造会社は三菱重工業。米国シコルスキー・エアクラフト社のライセンス生産。
低高度の飛行に備えてワイヤーカッターを装備し、機体各所には防弾が施されている。またこのブラックホークは外部支持装置を取り付けて増槽タンクを装備している。
この地上展示のUH-60JAには左右に5.56mm口径のミニミ軽機関銃と.50口径のM2重機関銃が装備されていた。
そして再びCH-47JA(前)、CH-47J(後)チヌーク輸送ヘリが続く。
JA型は機体両側に張り出た燃料タンクを大型化し航続距離を1000km以上に伸ばし、機首に気象レーダーを搭載した。
一斉に迫りくるヘリのローターから発する風が、観客席に当たる。
結構な風圧で脚立から落ちそうになった(^_^;。
M2重機関銃を搭載したCH-47JAも登場し、射撃を行い着陸地点の確保をおこなう。
第1空挺団の隊員がファストロープで降下する。
CH-47Jが2機、それぞれ高機動車を吊り下げて運んでくる。
ワイヤーを切り離しCH-47Jは前方へ着陸。
着陸したCH-47Jは後部ハッチを開き、高機動車の隊員とともに空挺部隊の偵察小隊所属の偵察バイクが飛び出す。
このバイクはカワサキのKLX250オフロードバイクだ。
これも1台欲しいなぁ。あ、でもシート高がかなり高いので、足着かないや...。
さらに73式小型トラックを展開。
73式小型トラックは三菱自動車が製造するパジェロをベースにした小型の汎用トラック。
73式小型トラックに隊員が乗り込み、89式小銃を構えて走り出す。
高機動車も準備を終えて、一緒に走り出した。
空中でホバリング待機するCH-47からロープが下ろされ、空挺隊員が準備を進める。
隊員をハーネスで吊るしてヘリで一気に輸送する。
この状態のままCH-47Jは飛び去った。
さて、次は木更津基地内の地上展示編へと続く。
[パート1 飛行展示] [パート2 地上展示]