東京マルイ 電動ガン スコーピオン モッドM
Vz.61 スコーピオンはチェコスロバキアが1961年に開発した小型のサブマシンガン。トップフォールディングのワイヤーストックや20発装弾の.32ACP弾を小さなボディからフルオートで放つその姿から「スコーピオン」の愛称を持つ。
東京マルイが電動コンパクトマシンガンシリーズの第一弾MP7A1を発売したのが2006年2月。その翌年である2007年4月には第二弾のVz.61 スコーピオンを発売する。
電動コンパクトマシンガンはそれまでフルサイズのメカボックスではモデルアップ不可能と言われていた小型サブマシンガンの電動ガン化を実現し、電動ハンドガンとフルサイズ電動ガンの中間を埋めるカテゴリーとしてマルイの電動ガンラインアップの一角を担っている。
とくにMP7A1はドイツH&K社の最新モデルで拡張性が高いこともあり根強い人気を誇る。一方でVz.61、Mac10はもともとの銃の設計年が古いこともあり、拡張性という面では物足りなさもあった。
今回東京マルイはそのスコーピオンを独自のアレンジで近代化。11年の時を超えてモダナイズドされたスコーピオンが蘇った。果たしてその性能や使い勝手は?
今回もフライングスクワッドにて市販品を購入したので早速レビューしてみよう。
パッケージはブラックを基調とした渋いデザイン。背景のガンケースはもしかしてトールハンマーのケースかな? Vz.61も友情出演している。パッケージサイズは横72 x 縦26 x 厚10cm。
パッケージ内部も黒を基調としたモダンなデザイン。トイガンパッケージの内外装にこれだけこだわれるというのは世界中みても東京マルイしかない。パッケージ内容は本体、マガジン、M-LOKレイル(S/M/L)、保護キャップ、六角レンチ、取説、クリーニングロッド、EX変換アダプター、BB弾(0.2g/200発)。
スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||||||
|
パーツリスト |
箱から取り出して手にすると、いや、箱からしてずいぶんと軽い。本当に中身が入っているかと不安になるほど。実際にスコーピオン モッドMを手にするとその軽さにまず驚く。
全長556mm、ストックを折り畳めばわずかに337mmのコンパクトボディ。そしてマガジンとバッテリーを含めても重量はたった1,370gしかない。これはフルサイズ電動ガン最軽量のH&K MP5K HCよりも軽く、圧倒的な軽快さだ。
アッパーレシーバーは樹脂製、ロアレシーバーは亜鉛ダイキャスト製。
コッキングレバーガイドから見えるゴールドのダミーボルトが良いアクセントになっている。
レシーバートップには金色のイジェクションポートを挟んで前後に樹脂製のマウントレールがある。非常に小さいが固定式のフロント、リアサイトも設けられており、レールの中心部を貫通する形でサイトラインがある。とはいっても非常に狙いにくいので、なんらかの光学照準器を搭載するのが前提だろう。
樹脂製のハンドガード左右に2つずつのM-LOKスロットがある。
ハンドガード下にはピカティニー規格のマウントレール。
特徴的なストライクハイダーはアルミ削り出し。
ハイダーを取り外そうと思ったらアウターバレルごと外れてしまった(笑)。美しいゴールドのアルミ製アウターバレルをじっくり眺めたい方は是非。
もちろんハイダーだけを取り外すことができる。ハイダー、アウターバレル共にM14逆ネジ仕様となっている。
このストライクハイダーはリバーシブルとなっていて反対向きに付けることもできる。インドアフィールドなどで尖ったハイダーを禁止しているところもあるので上手く使い分けよう。
左右から操作できるコッキングハンドルを引くと、エジェクションポートがオープンする。
ポート内に可変ホップアップの調節ダイヤルがある。
マガジンを抜くとレシーバー下からもホップ調節可能。
セレクターは左側のみ。中央がセーフティポジションで、後ろがセミオート、前がフルオート射撃位置となる。
トリガーもゴールドのオリジナルデザイン。トリガーガードは堅牢なスチールプレス製だ。
マガジンは樹脂製のワッフルデザイン。マガジンの差し込みがかなり渋い。差し込む角度もシビアで、ぎゅっと押し込んでもロックが掛かりにくく、マグリリースボタンを押しながら差し込んだ。新品のドラムマガジンも同様。使い込めばスムーズになるかも。
標準で装弾数260発の多弾マガジンとなっているのが嬉しい。マガジン上部のフタをオープンしてBB弾を流し込む。マガジン底部にはゼンマイ巻上げダイヤルがある。
グリップもマガジン同様のデザインでこの中にバッテリーを装填する。
マガジン底部のノブをひねってフタを取り外す。
現在、旧タイプのニッカドマイクロバッテリーEX 500mAhは生産終了となっており、電動ハンドガン用の7.2V マイクロ500mAhニッケル水素バッテリーに付属のEXアダプターを介して装着する。
タブを引けばバッテリーが簡単に取り出せる。
ストックはフォールディングタイプ。樹脂製で伸縮はできないが、ほど良い長さでホールド性も良好。
ストック根元のボタンを押せばロック解除できる。
ストックはレシーバー右側に折り畳むことができる。
折り畳むとレシーバー側のフックにロックされる。ストックを伸ばす際にはバット部のリリースボタンを押して解除する。
パッケージには3種類の長さの樹脂製M-LOKレイルが付属する。
付属のレールやオプションパーツをモリモリ装着!! 自分好みにカスタムできる拡張性の高さがモッドMの強みのひとつだ。
ドットサイトはマルイのマイクロプロサイトをミドルマウントで搭載、マルイのプロサイレンサーショート、370連ドラムマガジン、SUREFIRE X300ウエポンライト、TDタイプショートフォアグリップという構成。
レシーバートップレールにライトを装着してみた。バリケから狙い撃つ際に光が遮られないのでこのポジションにライトを装着するシューターもいる。もちろんドットサイトのサイトラインは遮っていない。
コンパクトで軽量なモッドMは入り組んだインドアやCQBフィールドに最適。
折り畳んだストックをフォアグリップ代わりに握ってもOK。ドラムマガジンに干渉することなく、この状態でも射撃できる設計になっている。
軽いのでハンドガンのように片手で撃つこともできる。もしかしてMac10 モッドMとかも出ちゃう?
実射
いつものビレッジ2のシューティングレンジにて試射。弾は東京マルイの0.2gと0.25gのベアリングバイオ弾を使用。バッテリーは新品のマルイ純正7.2V 500mAhのニッケル水素バッテリー+EX変換アダプターを使用した。距離は30mと40mでテスト。
最初に気になったのがトリガーレスポンス。
リポバッテリーと電子トリガーに慣れてしまっていることもあり、セミオートでのウィポン、ウィポン、というもっさりとした射撃感は、懐かしさが込み上げると共に、少々非力さも感じる。試射中にトリガーロックも一度だけだがあった。フルオートの回転数も650rpmとかなり遅め。
マルイから純正リポバッテリーが発売されれば嬉しいが、ここはサードパーティ製の小型リポバッテリーと変換アダプターを使用して運用するのが良いと思う。
この日は風があったがそれでも30mでA3サイズのターゲットにほぼ命中。40mでもマンターゲット上半身にまんべんなく命中という集弾性能を見せた。インナーバレルが182mm、初速が72m/sちょっとということを考えるとなかなか優秀だ。
ただ0.25g弾では重すぎてホップ最大でゆったりと弾が飛んでいくという印象。したがって0.2g弾の使用がおススメだ。
有効射程としては40mあたりが限界。0.2gでも着弾までに時間がかかるが、集弾性は高いのでフルオートであれば弾幕を張ることができる。0.2gでも着弾のインパクトは十分に感じられた。
スコーピオン モッドMは屋外フィールドの遠距離で撃ちあう性格の銃ではない。機動力を活かして敵に気づかれないよう近づき、「蠍の一撃」を浴びせるアタッカー、あるいはインドアやCQBフィールドでのコンパクトな立ち回りに向いている。
小型軽量というコンセプトをキープしつつ、拡張性の高さや、モダンなスタイル、高い命中精度、各部の作りこみも素晴らしい。女性からベテランに至るまで使い勝手が良い一丁ではあるだろう。しかもこれだけカスタムされていてお値段は据え置きの26,800円。実売なら2万円程度ととてもお買い得。
ただ、やはり惜しいのはトリガーレスポンス。とくに接近戦では一瞬の撃ち合いが勝敗を分けるので、こういった閉所戦闘向きの電動ガンにこそ電子制御トリガーやFETといった新しい技術を早急に盛り込んでほしいところだ。
協力 ビレッジ2
■関連リンク
東京マルイ 電動ガン MP7A1
東京マルイ 電動ガン Mac10
東京マルイ 電動ガン Vz.61 スコーピオン
東京マルイ 電動ガン トールハンマー
東京マルイ マイクロプロサイト