東京マルイ 電動ガン M4パトリオットHC
『秒間25発の高速連射!!』ファクトリーメイドのハイサイクルカスタムという謳い文句を引っ下げて東京マルイからハイサイクル電動ガンが発売されたのは2009年12月のこと。G3 SAS HC、MP5A4 HCを皮切りに順調にシリーズを増やし、今回第9弾となる、M4パトリオットHCが発売となった。本モデルは2015年9月の全日本模型ホビーショーにて発表、2015年11月のM4A1 MWSや2016年1月のAA-12が発売されたことで、M870ウッドタイプ、HK416C、エアリボルバーのパイソンに続く怒涛の新商品ラッシュ、いわば「マルイ、春の新商品祭り」となった。
東京マルイ 電動ガン M4パトリオットHC スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||||
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パーツリスト |
今回東京マルイがモデルアップしたM4パトリオットは全くの架空のデザインというワケではなく、アメリカの実銃カスタムメーカー、ロックリバーアームズ社製のLAR-PDS ピストルにインスパイアされているという。
ストックレスのARカービンと言うと、映画『今そこにある危機』でウィレム・デフォーが使用していたOlympic Arms社のOA-93や、ゲーム『メタルギア・ソリッド3』のザ・ボスが使用するRocky Mountain Arms社のパトリオット ピストルなど、映画やゲームにもたびたび登場するコンパクトウエポン。
この手のピストルタイプのARカスタムは米国では拳銃カテゴリとして登録できるのでセミオートモデルながら短銃身カービンに規制のある民間市場では人気があるそうだ。これらストックレスARカービンを総称してパトリオット(愛国者の意)のニックネームで呼ばれている。
反動の強いライフル弾をストック無しで撃つのでコントロールは容易ではないが、短いバレルから火薬量の多いライフル弾を撃つと、昼間でもド派手なマズルフラッシュが見えたりして、とても痛快な銃でもある。
それでは東京マルイのハイサイクル電動ガン、M4パトリオットHCをレビューしていこう。
ブラックで統一されたパッケージデザイン。パッケージサイズは61×29.5×8.5cmとコンパクト。今回は通販サイトのフライング・スクワッドにて購入。
パッケージ内容は本体、190連マガジン、フロントサイト・アジャストツール、保護キャップ、クリーニングロッド取説とBB弾少々。
レシーバー、ハンドガード共にプラ製だが、艶消しブラック仕上げが精悍でカッコいい。ストックレスの超コンパクトなARで全長はたったの46cm。重量もバッテリー無しで1,800gと非常に軽く仕上がっている。
レシーバー左面にはTM(Tokyo Marui)のアルファベットを模したオリジナルのロゴマークとPATRIOTのホワイトレターがある。その下にはMODEL HC-9、9番目のハイサイクルモデルということだろう。さらには口径やシリアル番号(のようなもの)などがプリントされている。またセレクターのポジション表示も同様のプリント。
レシーバーはスタンダード電動のM4 PMCで採用されるコルト系レシーバーのシェイプだが、トップレールは部はパトリオットオリジナル形状。オリジナルデザインの操作しやすい大型のマガジンリリースボタンや、プラ製のエジェクションポートカバーを備える。
ハンドガードとレシーバーのトップレールがシームレスでつながったフルフラットレールを採用。ドットサイトやスコープなど、様々な光学照準器が搭載可能だ。なお、溝の深さは2.88mm、幅が21.31mm、ピッチが9.98mm。ピカティニー規格に対してほんのわずかに幅広なのでマウントの種類によってはキツいものがあった。
トップレールは別パーツのプラ製なのでレシーバートップを引っ張ると僅かに浮く感じはあるが、この銃にそれほどヘビーな光学照準器は搭載しないだろうし実用上は問題ないだろう。またプラ製のスタンダード、ハイサイクル電動M4シリーズとしては最高峰とも思える剛性の高さも特筆に値する。
ハンドガードはナイツのURX3に似たような側面レールの中央がないデザイン。このハンドガード内にミニSバッテリーを収納する。バレル長は約8インチ。
フラッシュハイダーは5プロングのアルミ削り出し。特にイモネジなどで固定はされていないので、手で回して簡単に取り外せる。
ハイダーを取り外せばM14逆ネジ仕様となっているので各種対応サイレンサーを装着可能。
緩み防止のOリングによってハイダーが固定されている。
フロントサイトは可倒式。立てた状態ではARタイプのフロントサイトピンで、付属のアジャストツールで上下に調節可能。倒すとピストルサイトになる。
リアサイトも可倒式。立てるとピープサイト、倒すとスクエアノッチのピストルサイトになる。右側のダイヤルで左右調整が可能。フロント、リアサイト共にプラ製でレールから取り外すこともできる。
ストックレスモデルのためレシーバーエンドにはスリングスイベル付きのリアキャップが装着される。
またチャージングハンドルが通常のM4カービンの位置にはなく、実銃ではチャージングハンドルの収まるレシーバー内部にリコイルスプリングアッシーが収まっている。そのため通常のM4レシーバーよりレール高となっている。
スリングは一点式でぶら下げるように携帯するのが良いだろう。おススメは私も愛用しているMAGPUL製のMS3スリング。
グリップはタンゴダウンタイプ。次世代電動ガン以外での採用はこれが初めて。先に発売されたHK416Cと同形状かと思いきや、M4パトリオットのほうが僅かにスリムで握りやすい。
内部には高回転型のEG-30000モーターを内蔵する。このグリップはとても気に入ったので、愛用しているM4 CRWにも取り付けたいところ。
また、トリガーガードもグローブをしていても操作しやすい大型のカスタムパーツになっている。
M4パトリオットHCのコッキングレバーはハンドガードの両側面にある。左右両側から操作できるアンビ仕様で、折りたたまれたレバーを起こして引くことができる。
左右どちらでもレバーを引けば連動してダミーボルトが後退し、可変ホップアップのダイヤルにアクセスできる。
バッテリーはハンドガード内に収納する。アンダーレールにあるスイッチを右に押しながらハンドガードを前方へ引いて取り外す。
アルミ製のアウターバレルはバッテリー用の切り欠きがある。ヒューズはミニ平型20Aを使用する。
アウターバレルの底面に沿うようにミニSバッテリー(ニッケル水素 8.4V 1300mAh)が収まる。
実際には先にバッテリーをハンドガード内に入れて、コネクタを接続しておく。その際バッテリーのケーブルは赤矢印のフックにひっかけておく。取り付けの際はハンドガード内部の4か所の突起を本体側の左右の溝に差し込むようにセットする。
このバッテリースペースはかなりタイトで装着にもコツがいる。例えば少し膨れたミニS互換のリポバッテリーなどはキツかったり入らなかったりするので注意が必要だ。
マガジンはショートタイプの190連ゼンマイ給弾マガジンが付属する。トップのふたを開けてBB弾をジャラジャラと流し込み、底部のダイヤルを巻けばBB弾がせり上がってくる仕組み。
そしてなんと、BB弾1200発装填可能なツインドラムマガジン、8,800円(税別)も同時発売。マガジンチェンジを気にすることなく撃ちまくれる!! トリガーハッピーになること請け合い。
本体と190連マガジンでの実測重量は1,795gと非常に軽い。
ツインドラムマガジンの実測重量は492g。ミニSバッテリー173gと、0.2gBB弾1200発の240gを合わせても2.7kg。さらに軽量なドットサイトを組み合わせても3kg以下という運用重量はサバゲーにおいて機動力を重視するプレーヤーには魅力的だろう。
実射
構えた印象はストックがなく、ハンドガード内バッテリーなのでフロントヘビーではあるものの、銃自体が軽量ということもありハンドリングはしやすい。さらにバーティカルフォアグリップなどを取り付ければ銃をコントロールしやすくなる。
M4パトリオットの軽量さを活かすならば、あえてアイアンサイトで運用するのもありだろう。拳銃のようにピストルサイトでエイムすることもこの軽さならば可能だ。
初速は78m/s前後と控えめながら、その弾道性能には目を見張るものがある。
バイポッドで固定しレスト射撃を行ったところ、40m先のマンターゲットにビシバシとヒットする。しかも秒間25発の高速フルオート連射で弾幕を張れるのは何とも痛快!! こんなにイージーに40m先にBB弾を送り込めるなんて圧倒的な性能だと感じる。
前回レビューした次世代電動のHK416Cも良かったが、このM4パトリオットはほぼ同等の命中精度、いやリコイルが軽い分だけこちらのほうがフルでのバラつきが少ないかも。
インドアや市街地などのCQBフィールドではそのコンパクト&軽量さを活かし、ハイサイクルならではのトリガーレスポンスの小気味良さはセミオート射撃でもその恩恵を受けることができる。
初速の低さはその命中精度の高さと高速連射によって補っても十分おつりがくるほど。1,200連のツインドラムマガジンを装備すれば、マガジンチェンジを気にすることもなく最前線で弾幕を張り続けることができるアタッカー御用達の究極ウエポンといっても良いだろう。
まあ、あえて気になるところを挙げるとするならば、重心が前寄りなのでハンドリングにコツがいるのと、ストックが無いので狙ったポイントに素早く照準を合わせるのには慣れを必要とすること。あとはこの独特なデザインが気に入るかどうか、といったところか。
できることならば簡易型のワイヤーストックを装着できるオプションが発売されると嬉しいかな。
M4パトリオットHC、軽量装備でサバゲーフィールドまで電車で行きたい人や、バイク乗りのゲーマーなんかにもおススメだ。
プロサイレンサーショート、SUREFIRE X300ウエポンライト、AIMPOINT T-2、TDタイプショートフォアグリップ、ツインドラムマガジンを装着したフルオプション状態のM4パトリオットHC。サイレンサーは完全な消音はできないが、けたたましいハイサイクルの射撃音を和らげる効果がある。
ツインドラムマガジンも試射に投入。その実用性をテストした。
左右のドラムに600発ずつ、合計1200発ものBB弾を装填することができる。残弾を気にせずバリバリ撃てるというのは本当に楽。弾を入れたら各ドラムのダイヤルをグルグルまわしてゼンマイを巻くだけ。
底部のスイッチを撃ちたいドラムの方向にひねる。一気に600発は撃てないので1~2回はゼンマイを巻き直さないとならない。
このツインドラムマガジン、電池などを必要とせず、価格も8,800円(税別)とリーズナブル。給弾不良もなく、信頼性は高そう。スタンダードM4使いならばひとつはもっておきたい。いや、ひとつで十分か。
ただ、難点は装着して構えるとハンドガードを掴む腕がドラムにあたって邪魔に感じる。まあ、握れないほどではないので慣れなのかもしれないけど。
ストック装着
高性能でサバゲ向きの電動ガン、M4パトリオットHCに伸縮式のPDWストックを装着。
OH MY GUN MAXIMA AR15 PDW CQB Stock。
レシーバーエンドキャップを取り外して付けるだけで簡単ドレスアップ!!
取り付け方法など、ストックの詳細はこちらのページで解説しています。
OH MY GUN MAXIMA AR15 PDW CQB Stock
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