東京マルイ 電動ガン M4 CRW 【エアガン レビュー】
2010年5月の静岡ホビーショーで発表になった東京マルイのハイサイクル電動ガンの第3弾、
M4 CRWが2010年7月に発売となった。
M4 CRWのCRWとは
クロス・レンジ・ウエポンの略。10.5インチに短縮されたショートバレル、HK416タイプのショートフィクスドストックにより、全長はアサルトライフルにもかかわらず675mmを実現。
また、ハンドガードには上下左右の4面レールを装備したアルミダイキャスト製のR.I.S.(=レール・インターフェース・システム)を標準装備し、インドア戦などに必須装備となるウエポンライトや、より銃を取り回ししやすくするためのバーティカル・フォアグリップなどを簡単に装着可能となった。
そしてなんと言ってもメーカー純正のハイサイクルユニットを内蔵し、秒間25発の高速連射が可能だということ。
これらにより敵の制圧力に優れ、セミオートのレスポンスも良い究極の
接近戦闘用M4カービンが完成した。
東京マルイ 電動ガン M4 CRW スペック & 初速データ |
全長 |
675mm |
重量 |
2,400g(バッテリー含まず)
|
銃身長 |
260mm(インナーバレル長)
|
装弾数 |
6mmBB弾 300発 |
定価 |
38,800円(税別) |
発売日 |
2010年7月14日 |
バッテリー |
ミニS |
|
最高 |
83.64m/s |
平均 |
82.93m/s |
最低 |
82.10m/s |
ジュール |
0.688J |
※エクセル バイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、気温25.2度、湿度44.0%
パーツリスト |
パッケージデザインはハイサイクル用の意匠で、M4 CRWはシールによる対応。
パッケージサイズは72.3cm(W)×25.3cm(H)×8cm(D)。
パッケージ内容は本体、300連マガジン、フロントサイト・アジャストツール、保護キャップ、クリーニングロッド、BB弾少々と取扱説明書。
レシーバー左側面には「HIGH CYCLE」のシールが張られている。レシーバーはプラ製でブラック塗装されていて精悍。レシーバートップレールは亜鉛ダイキャスト製となっていて耐久性を上げている。
レシーバー右側面。デルタリングは艶消し仕上げで
M933 コマンドよりも渋みが増し、ストック基部リングもガンメタルの塗装仕上げとなっていて、細かい部分での品質が向上しているように思える。ただ、ボルトフォアードアシストノブのみ無塗装なプラ質感でどうした?といった感じ。M933ではダークグレーに塗装されていたのに。
フロントサイトはオーソドックスなデルタポストで亜鉛ダイキャスト製。付属のフロントサイトアジャストツールでフロントサイトピンを上下に調節できる。
フラッシュハイダーも亜鉛ダイキャスト製でこれまた標準的なバードケージタイプ。
マズルブラストが土埃を上げないように下面ポートがないアドバンスドタイプ。
フラッシュハイダー下面のイモネジを緩めるとハイダーを取り外すことができる。
M14逆ネジ仕様となっているので、各種サイレンサーを装着可能だ。
ハンドガード部にはアルミダイキャスト製のレール・インターフェース・システム、RISが装備される。米ナイツアーマメント社が開発したこのハンドガード、上下左右4面に様々なオプションを搭載可能なレールがあり、これにフラッシュライトやバーティカル・フォアグリップなどを簡単に装着しドレスアップすることが可能。
東京マルイは
コルトM4A1 R.I.S.に搭載されていたものと同じ初期タイプのRISをモデルアップしているのでレールガイドナンバーの刻印はフロントからカウントアップされている。また刻印はトップとボトムレールのみ入っている。
ただし、仕上げはアノダイズド処理の上から焼付け塗装を施し、表面の耐久性は向上している。
アウターバレルは新規設計の剛性の高いアルミ製でRISが強固に装着できるようになっている。
実際、アッパー部分はまったくグラつくことなく装着されている。ボトムレールはデルタリングを引いて取り外しが簡単にできるのでやや前後に動く感はあるがほとんど気にならないレベル。
また、ハンドガードキャップも金属製になっている。ちなみにフロントサイトポストからバレルナット部分までのガスチューブは再現されていない。
米軍はこのRISを導入して夜間戦闘や特殊任務など作戦の対応能力が飛躍的に向上したと言われており、現在ではRISから発展した様々な形状のRAS(レール・アダプター・システム)が市場に出回っている。
フラットなレシーバートップレール後方にはバックアップ用のフリップアップ・アイアンサイトが装着されている。
ドットサイトなどの故障時に緊急的に照準するためのもの。側面のダイアルを回して左右に微調整できる。もちろん取り外すことも可能。
チャージングハンドルを引くとボルトが連動して後退し、可変ホップアップのダイアルが現れるのはスタンダードM4カービン/M16A2系共通の仕様。
ストックはM4 PMCで使用されたHK416タイプのショート・フィクスドストック。従来のA2ストックよりも約9cmも短く、軽量で取り回しが良い。
ストック、バット部共にラバーコーティング塗装が施されてグリップ感は良好。
ネジ頭を押し(1)、下方にスライド(2)させるとバット部が取り外せる。
バット部を取り外して簡単にバッテリーの装着が可能。
バッテリーはミニバッテリーが装着可能だ。もちろん社外品の大容量ニッケル水素バッテリー(7セル8.4V)も入る。
ただしハイサイクルメカの都合上、取説には
マルイ純正のニッケル水素ミニSバッテリー8.4V 1300mAhを使用することとある。
レシーバーがプラ製なので、テイクダウン可能なのがスタンダード電動のM4カービン系の魅力。
テイクダウンするとハイサイクル仕様のメカボックスが現れる。ブラックメッキされたメカボックスとシルバーメッキされたシリンダーがクールな印象でカッコイイ。
このメカボックスにはハイサイクル専用パーツがふんだんに使用されている。
自己潤滑性メッキシリンダー、歯数をカットした専用ピストン、ハイトルク焼結ギヤ、オイルレスメタルのギヤ軸受けなど、内部カスタムパーツが満載。
そしてグリップ内には軸受けに国産高級ベアリングが使用された30,000rpmの高回転ハイトルクモーターを内蔵する。
アッパーレシーバーのいわゆる耳部分には金属の補強材がインサートされており、レシーバーの破損を防いでいる。
真鍮製インナーバレルの長さは260mm。
M4系のスタンダード電動ガンはこのようにピン1本で簡単にテイクダウンしてインナーバレルを取り出せ、バレル清掃やパッキンの交換などメンテナンスが容易な点もメリットといえる。
標準で300連のゼンマイ給弾式のマガジンが付属する。もはや電動ガンユーザーにとってはもっとも馴染み深いマガジンといっても良いかもしれない。上の蓋をスライドさせてBBボトルからジャラジャラとBB弾を入れ、マガジン底部のギアをジージーと回してゼンマイを巻く。
ただ、ゼンマイ給弾マガジンのジャラジャラという音がゲーム中に響くのが嫌というベテランゲーマーも多く、私も最近はそうなのだが、スプリング給弾のマガジンを使用するユーザーも増えている。
300連マガジンと社外製のニッケル水素ミニバッテリーを搭載しての実測重量は2,585g。
ドットサイトなどの光学照準機器を搭載しても3kg未満でまとまりそうな軽さ。
この軽さはサバイバルゲームにおいて機動力にメリットとなるはずだ。
アトランティス製1600mAh7セル8.4Vのニッケル水素バッテリーをコネクトして実射してみると確かにハイサイクルだけあって、セミオートの切れが良く、トリガーを切った瞬間にタッタッタッとドライブするロックタイムの短さは心地よい。またフルオートでは、ブラララララーッと実測25~26発程度の高速連射が味わえ、強力なゲームウエポンだということを実感できる。発射音を録音してみたので聴いてみたい方はどうぞ。
M4 CRWの射撃音(MP3)
さて、総評だが、秒間25発の高速連射によりサバイバルゲームでの制圧力は高い。また標準で300連マガジンが付属するので、初心者には心強いウエポンといえる。
初心者に限らず、リアのショートストックにミニバッテリーを搭載し、フロントにRISを装備するというレイアウトはゲームウエポンとしてはかなり理想的。サイレンサーやトレーサーを付けても全長をコンパクトに抑えられるのも良い。
ではゲーム経験者や上級者はこのハイサイクルをどのように扱うか?
とりあえず1マガジンブチ込んでおこう、といった無粋な使い方は避けたほうが良いだろう。ハイサイクルのロックタイムの短さを生かして、小弾数のノーマルマガジンでセミオートや数発区切りのバーストでレスポンス良く射撃、
狙ったところにピンポイントで素早く弾をまとめていくような射撃法、そしてそのコンパクトと軽量さを生かして機動力で勝負といった「撃たないハイサイ」、渋くないだろうか。
また、スタンダード電動のM4をみるとどうしてもドレスアップしたくなる。ストック周りはバッテリーを収納するのでそのままとしても、フロントセクションやグリップ、マガジンもPマグショートにして最新のCQBRカスタムに、とか考えていたらパーツショップに走りたくなる衝動が抑えきれなくなってきた。
2010/08/15
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