東京マルイ 電動ガン HK416C カスタム 【エアガン レビュー】
HK416CはドイツH&K社が開発したHK416シリーズのショートバリエーション。2009年のDESiにてコンセプトモデルが発表され、その後2011年のショットショーにてほぼ現在の形で展示された。ガスブロック部のレギュレーターで発射速度を通常のAR15よりも低速回転にし、連射時のコントロールを容易にしている。HK416 PDWやHK416 Kurzとも呼ばれるようだ。HK416同様に5.56mm×45弾を使用し、ショートストロークガスピストンによる確実な作動などをHK416から引き継ぐ。
今回東京マルイはこのHK416Cを次世代電動ガンでリリース。最初の発表は2015年9月に開催された全日本模型ホビーショーなので、バリエーションモデルとはいえ、マルイとしてはかなり早い製品化といえる。
HK416Cはショートモデルながら、次世代電動ガンのシュート&リコイルエンジンや残弾ゼロでユニットが停止するオートストップ機能も備える次世代電動ガン最小モデル。
そして最大の特徴は、マガジン内にミニSバッテリーを内蔵するか、PEQなどのバッテリーケースを搭載してフロントから給電するか2WAYによる選択可能な給電システム。
それではさっそく東京マルイのHK416Cを見て行こう。
東京マルイ 電動ガン HK416C カスタム スペック & 初速データ | |||||||||||||||||||||||
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※東京マルイ ベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、気温20.7度、湿度41.0%、10発、X3200にて測定。 |
パッケージデザインは艶消しのグレーを基調としたもの。パッケージサイズは82.5cm × 28.5cm × 11cm。今回は知り合いのツテでフライング・スクワッドというネット通販で購入。
黒を基調としたシックなパッケージ内部。パッケージ内容は本体、バッテリー内蔵型30連マガジン、保護キャップ、サイトアジャストツール、マガジン端子保護カバー、チャージャー、チャージングロッド、クリーニングロッド、取説類とBB弾少々。
全長は571mm~695mm (ストック伸長時)、重量はマガジン、ミニSバッテリー含めて3,100g。
レシーバー左面。HK416シリーズ同様のアンビのセレクター、ピクトグラムのポジション刻印。シリアル番号は変更されている。また、残弾が無くなるとユニットが自動停止するオートストップ機構も採用、リロード時はボルトキャッチを押して再度発射するという実銃同様のアクションが楽しめる。
レシーバー右面。ストックのワイヤーを保持するループパーツが左右に新設されている。このため、ストックを伸縮した状態だと、ワイヤー部が指にあたり、セレクターの操作がややしづらく感じた。
剛性感も高く、塊感、質感ともに良い感じ。マルイの次世代のレシーバーって塗膜が厚くてぼってりしたイメージだったのだが、このHK416Cはさらりとしていて引き締まっており、レシーバーとレールの質感に違和感もない。
最短で全長571mmと非常にコンパクトなアサルトライフル。HK純正タイプのバーティカルフォアグリップも付属し、とてもホールドしやすく、銃をコントロールしやすい。構えた感じはズシリとした重量感を感じる。もう少し軽ければ女性でも扱いやすくなると思うのだが。
フラットなトップレール。レシーバーとハンドガードは途切れることなくレールが連なっている。トップレールにはレールガイドナンバーの刻印が入る。レシーバートップレールの実測寸法は幅21.0mm、ピッチ10mm、深さ3.0mmとピカティニー規格準拠。
バレルレングスは9インチ。インナーバレル長は230mm。ハンドガードはアルミ切削でトップレールのみに番号が振られている。
フラッシュハイダーはアルミ削り出しの4プロング。底部のイモネジを緩めれば取り外すことができ、M14逆ネジ仕様となっている。またガスブロック左右にはスリングポイントがあり、右面にはダミーだが、ガスレギュレーターの調節レバーも再現される。
また2011年のショットショー発表当時、フロントサイトはガスブロックに接続された前方可倒式だったが、マルイのHK416Cではレールに搭載された可倒式のナイツタイプとなっている。付属のサイトアジャストツールで上下調節可能。
リアサイトもナイツタイプの可倒式。ウインデージ、エレベーションの調節が可能。チャージングハンドルにはエクステンデッドドレバーを装備する。
グリップはタンゴダウンタイプ。
HK416D DEVGRUカスタムに装着されていたものと同形状。
HK416Dに装着のものより中央部が細身で握りやすい。
内部にはEG1000モーターを内蔵。せっかくなのだから、HK417にも採用された最新のコバルトサマリウムモーターを採用してほしかった。
ワイヤーストックが標準装備。PDWストックとも呼ばれるもので、最近の米国ショットショーでもよく見かける人気のタイプ。
右側面のリリースレバーを押せばバッファチューブ後端のスプリングテンションでチャッと僅かにリリースされる。もちろん次世代電動ガンなので、この短いリコイルバッファチューブ内にシュート&リコイルエンジンを搭載し、射撃時に激しい衝撃を味わえる。
ストックは3ポジションで調節できる。構えると頬に金属製のバッファチューブが当たり、冷たく感じる。ストック長は最大でも短く感じるが、プレキャリなどの装備を付けていればさして不便な短さでもないだろう。むしろこの簡易的なコンパクトさがデザイン的に魅力と感じる。
チャージングハンドルを引けば連動してダミーのボルトカバーが後退、ドラム式の可変ホップアップダイヤルにアクセスできるのは従来のM4やHK416シリーズと同様。
HK416Cで採用された新機能として、マガジンからの給電機能がある。マガジンは30連のリアルカウントで、内部にバッテリーを装着することができる。上部に端子があり、装着すると通電する仕組み。もちろん残弾0でユニットが停止するオートストップ機能も付いている。赤いパーツは端子の保護カバーで、取り外して使用する。
マガジン底部のスライドボタンを矢印の方向へ動かしながらマガジン内部を引き抜く。
マガジンシェルと内部を分離するとミニコネクターがあるのでここへミニSバッテリーを接続し、再びシェルの中に戻す。なお、ミニ平型ヒューズもマガジン内にある。
ちなみにこの30連マガジン、若干装着が渋く、マガジンキャッチが確実に掛かるまでグイッと押し込まないといけなかった。
HK416Cは2ウェイでの給電方式を採用しており、付属のマガジン以外に、オプションのバッテリーケースを想定したフロント配線のミニコネクターがある。右側のレールがトラップドアの蓋となっており、これを一度外してコネクターを引き出し、再びレールを取り付ける。
マルイ純正のAN/PEQ-16バッテリーケースをトップレールに装着。内部にミニSバッテリーを内蔵できるが、いかんせんデカい。アイアンサイトは覗けないこともないが、かなりの部分を隠してしまっているので圧迫感がある。使用できるドットサイトにも制限がでてきそう。
右側面に取り付けることもできなくはないが、コードの取り回しがギリギリなのと、やっぱりサイズ的には大きい。
社外品のAN/PEQ-15バッテリーケースを装着。写真はG&G製でレーザーサイト付のものだが、他社からも多くのPEQ-15タイプバッテリーケースが発売されている。内部にはOPTION NO.1のリポバッテリー 7.4V 1100mAh (PEQインタイプ)を入れている。これならばコンパクトさを損なわずに使える。しかも突入電流値の高いリポバッテリーなので軽快なトリガーレスポンスを味わえる。
なお、バッテリーはマガジン給電と外部ケース給電を同時に接続してはいけない、と取説にある。
付属のバッテリー内蔵型30連マガジンは空の状態で202g、純正ミニSバッテリーを内蔵すると374g。
また、この30連マガジンは従来のM4/HK416シリーズにも使用できるが、その場合はバッテリーを取り外して使用するようにと取説に記載がある。
純正オプションのAN/PEQ-16バッテリーケースはミニSバッテリーを内蔵して286g、G&G製のAN/PEQ-15バッテリーケースはPEQ用7.4Vリポバッテリー1100mAhを内蔵して162g。
40mでの実射性能
さて今回もサバイバルゲームフィールド、ビレッジ2にて実射テストを行った。
付属のバッテリー内蔵マガジンと外部バッテリーボックスによる両方で射撃した。同じバッテリーを使用したところ、回転数はわずかだがマガジン給電のほうが低下した。といってもその差は10rpm程度、秒間0.17発の差でしかない。
回転数計測ではマルイ純正のニッケル水素8.4V 1300mAhバッテリーで、充電直後は1000rpmほどの回転数を見せたが、半日ほど経過し、数百発程度の射撃で660rpmほどに低下。気温やバッテリーのコンディションにもよるが、比較的バッテリー消費(あるいは電圧低下による回転数低下)が早く感じた。オプションNo.1のPEQ用7.4V 1100mAhのリポでは840~830rpmと比較的安定していた。
初速は0.2gBB弾で平均で90m/sと安定、弾道性能は動画を観てもらうとわかる通り、40mでマンターゲット上半身を楽々狙え、無風状態ならばヘッドショットもできるほどに精度が高い。
ややホップを強めに掛ければ50mマンターゲットにもビシバシ当てられる性能。この日は風が強く、フィールド内は風が舞っていたが、インナーバレル長 230mmのショートカービンとは思えない高性能さだ。
やや重量感はあるものの、コンパクトなボディで取り回しは抜群に良く、軽量なドットサイトとバッテリーケースを装着すれば、従来の次世代用M4マガジンも使用できるので装弾数にも困ることはない。
クロスレンジのインドアからロングレンジのアウトドアフィールドまで、シチュエーションを選ばず軽快なフットワークで戦える心強いウエポンと言える。
問題はバッテリー内蔵型の30連マガジン。これ何本もマガジンを持ち歩く際はマガジン毎にバッテリーが必要なのは明らかに使いづらい。かといって、マグチェンの度バッテリーも繋ぎ換えるなんてナンセンス。
ただ、インドアなどの弾数制限戦などで限定的に100発以下といったレギュレーションで使用するにはアリなのかも? んー、苦しいかな。
で、今後の提案なのだけど、このマガジン給電端子を活かして、写真のような電動給弾のCマグをカスタムし、本体への給電システムもこれで行えればマガジン交換することなく、撃ち続けることができる。
超スパルタンでホットなスタイルも魅力的。写真はICS製のスタンダードM4用を装着して撮影したダミーだが、ぜひサードパーティ製でこんなアイテムを出して欲しい。HK416Cがもっと楽しくなるはずだ。
サバゲーで使用してみた感想
実際にゲームでHK416Cを使用してみた。場所は千葉県にあるQueenアウトドアフィールド。
この日何人かHK416Cをゲームで使用しているプレーヤーを見かけたが皆外部バッテリーボックスを装着していた。
気になった点としては、最近トレポンとマルイのハイサイクルを主に使用していることもあり、トリガーのレスポンスが悪く感じた。バッテリーは7.4Vのリポを使用しているのが、バシンッ、バシンとリコイルショックの重さを感じる射撃感。
HK417を撃った時のようなシュタッとした小気味よさがないのがちょっと残念。
この辺りは最初からサマリウムコバルトモーターや電子トリガー、FETといった既存モデルに採用された技術を惜しみなく搭載してもらいたかった部分ではある。
このクラスとしては重量があり、少し重く感じるが、ボディがサブマシンガンなみにコンパクトなので、取り回しはすごく楽。これ一丁でアウトドアもインドア戦も対応できる万能次世代電動ガンと言ったところか。
ICS 電動給弾 Cマグ M4 アダプター 付属
2016/03/25
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