東京マルイ 電動ガン HK417 アーリーバリアント
実銃のHK417はドイツのH&K社が開発した7.62mm×51弾を使用するライフル。作動方式は信頼性の高いオペレーティングロッド・ガスシステムを採用し、5.56mm弾を使用するアサルトライフルのHK416と同様の操作性をもたせ兵士の訓練負担を軽減している。HK417はイギリス、オーストリア、フランス、ドイツ、ノルウェー、ポーランドなど数か国の軍隊や法執行機関で使用されているという。
上の写真はラスベガスのデザートシューティングツアーで射撃した民間用のMR762A1。セミオート仕様でハンドガードがショートバージョンとなっている。7.62mmだけあって反動は大きいが、跳ね上がる感じではなくて真後ろにくるストレートなリコイルだった。
東京マルイ 電動ガン HK417 アーリーバリアント スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||||||
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パーツリスト |
東京マルイの次世代電動ガンの最新作はこのHK417の初期型をモデルアップ。つまりアーリーバリアント。今回の特徴は4.5kgというド迫力の重量、そして初採用となる高磁力・サマリウムコバルトモーター、そして82,800円(税別)という最高峰価格!! それでは東京マルイの次世代電動ガン、HK417 アーリーバリアントをレビューしていこう。
パッケージはかなり大きめ。およそ99.5cm × 32.5cm × 11cmとヘビー級だ。黒を基調としたデザインで、"ズシリとくる4.5Kgのド迫力!!"、"マルイ史上初の最超強モーター採用!!"といったセールスポイントが記載されている。最超強モーターってどんなモーターよ?
パッケージ内容は本体、マガジン、保護キャップ、チャージャー、チャージングロッド、クリーニングロッド、SOPMODバッテリー用専用コネクター、取説とBB弾少々。
4.5kgのヘビー級と聞いて相当重いんだろうなと覚悟して箱から取り出してみると、まあ思っていたよりは重くはなかった。ただしこれは光学機器を装着していない素の状態であってこれにオプション類を装着すれば5kg前後にはなるだろう。
アルミダイキャスト製のレシーバー。彫りの深いボルトキャリアが印象的。イジェクションポートカバーは実銃同様に樹脂製。射撃時にはボルトキャリアが激しく前後する。
HK416同様に左右両方から操作できるアンビタイプのセレクターも装備。ただしセレクターをフルオートに入れる際にやや硬い印象だった。
のっぺりとした印象のレシーバー左側面。マガジンハウジングにはHK417Dのレーザー刻印。
次世代電動ガンなのでリアルな射撃感を体感できるシュート&リコイルエンジンを内蔵。残弾がなくなるとメカユニットが自動停止するオートストップ機構も備える。マガジンチェンジしてボルトキャッチを押せば再び射撃可能となる実銃同様のアクションが可能だ。
レシーバーのハンマーピンとフルオートシアピンは相変わらずモールドだが、価格的にはこの辺りも別パーツにしてほしかった。
チャージングハンドルを引けば連動してボルトキャリアが後退し、可変ホップアップの調節ダイヤルにアクセスできる。ダイヤルはバレル同軸式のドラムタイプで操作しやすい。
フルフラットなレシーバーとレールハンドガードのトップレール。レーザー刻印によるレールガイドナンバーも入る。レールハンドガードは強固に固定されていて手にしたときの剛性感はカッチカチ。
ハンドガードは4面にレールを装備するアルミ削り出し製で、フォアグリップやライトなど様々なオプション装備を装着可能。なおトップレールのサイズだが、溝の深さは均一ながら2.82~2.84mmと浅め。ピッチはほぼピカティニー規格準拠だが、深さは3.0mm程度は欲しいところ。
リアサイトは取り外し可能なHKドラムタイプが装備される。チャージングハンドルのロックレバーもロングタイプ。
フロントサイトもHKタイプでHK416Dに装備されるものと同じだ。アルミ製のアウターバレルは16インチレングス。フラッシュハイダーもアルミ削り出しでアルマイト処理されている。
長銃身フリーフロートの構造上致し方ない部分もあるが、このアウターバレルをつまんでみるとややグラつく。命中精度に影響はほぼないレベルではあるものの、せっかくなのでガッチリと固定してもらいたかった。
フラッシュハイダーは取り外せてM14逆ネジタイプなので各種対応サイレンサーを取り付け可能。
さらにアウターバレルはガスブロック前方部分から取り外せるのでレール内部に干渉しない外径35mm未満のサイレンサーなどを装着してスタビーなカスタムもできそうだ。ちなみにレール側面のSとNは実銃で言うところのガスレギュレーターの切り替え目印。
グリップ。気になる角度はHK416Dと同様で実銃に比べるとわずかに寝ているが比べみないとわからないレベル。断面が楕円状で握り心地も良い。
新型モーター、"高磁力・サマリウムコバルトモーター"が今回初搭載となる。
従来のモーターに比べて2倍のトルクを発揮するという。
高トルク化によってセミオート時のトリガーレスポンスが向上している。
ストックは伸縮式で5段階に調節できる。なお、リコイルバッファチューブ径は28.96mmのHK416に対してHK417は34.74mmと太い。
コンケイブ型と呼ばれる反りのあるバットプレートが特徴的。バットプレート部は硬質ゴム製で、構えた時にしっかりとホールドできる。
ストックにはスリングスイベルがあるものの、レシーバーエンドやフロント周りにはスイベルがないのでなんらかのオプションパーツを装着しないとスリングは使用しにくいだろう。
バットプレート上部のボタンを押して上部へスライドさせればプレートを取り外せる。ストック内部にSOPMODバッテリーをセット。ミニコネクタータイプとは異なり、差し込むだけで接続できるのは便利ではあるが、バッテリーがこのタイプ一択になってしまうのは不便でもある。ミニコネクター変換カスタムパーツが販売されているので交換してしまうユーザーもいる。ただし故障してもメーカーの修理保証が受けられなくなる場合もあるのでカスタムは自己責任で。
やはりこのクラスのライフルとなるとスコープとバイポッドを装着したくなる。気分はアーバンスナイパー!! サバゲーフィールドでもスナイピングポジションに陣取って、ある時は隠密にそしてまたある時はアクティブに味方のバックアップをおこなったりと、ミドルスナイパーポジション向きのウエポンといえる。
HK416Dとの比較。416はバレルをショートにしているが、レシーバーなどのサイズを見ても417のほうが大きいことがわかる。
本体重量はマガジンとSOPMODバッテリーを装着して4,430g。
ダミーカートの見えるシースルーのリアルなマガジンは装弾数70発。当然5.56mm×45弾のマガジンよりも大きいので、マグポーチなどはこれに対応する大きめのものが必要になる。
マガジン1本の重量は約199g。
別売オプションで600連の多弾数マガジンが3,980円(税別)で販売されている。
ノーマルマガジン底部の6角ネジを外すとマガジン内部が上方へ引き抜ける。左側面のダミーカートを取り外せば装弾数の切り替えスイッチが現れる。後にスイッチすると70発、前へスイッチすると20発装填のリアルカウントとなる。
さて実射。今回実射で使用したバッテリーはマルイ純正のSOPMODバッテリー。昔買っておいたSOPMODバッテリーを使用しようとしたところ、お亡くなりになっていたので今回新しいものを購入。前夜にフル充電して試射に臨んだ。まずは動画にてどうぞ。
射撃性能は申し分なく、屋外の少々風が吹いている場所でも0.25gベアリングバイオBB弾を使用してスッと伸びる弾道は動画を観てもらってもわかるだろう。リコイルショックがありながらもフルオートでは数珠つなぎにBB弾が飛んでいく。
屋外レンジでバイポッドと4倍スコープを装着して、約40m先の直径15cmのプレートにそこそこの確率でカンカン当たる。まさにピンポイントでスナイプできる性能と言える。
初速は0.2gBB弾で約92m/s平均と次世代電動ガンとしては普通くらいか。
射撃音はHK416Dと比べると、バイーンと余韻の大きいHK416に対して、HK417はバシッと引き締まったサウンド。しかし射撃音は迫力のあるかなり大きめの音だ。重量があるのでリコイルはそれほど激しく感じない。
純正のSOPMODバッテリーを使用したが、初採用の高磁力・サマリウムコバルトモーターにより、セミオートの立ち上がりがかなり良い。同じSOPMODバッテリーを使用してHK416Dと撃ち比べてみたが、体感できるほどにロックタイムが短くなっている。とくに充電してから何百発か撃って電圧が少し落ちてきた際にその違いがはっきり分かる。
立ち上がりは早いが、回転数は780rpmと平均的。トルク重視のモーターだ。
このトルクフルなモーターで軽々とギアをドライブしている感覚は撃っていてとても気持ち良い。HK416Dの時はリポバッテリーを使用していたが、このレスポンスならばSOPMODバッテリーでも十分だと感じた。
ただしこの新型モーターが発生させる磁力は強力で、ドライバーがぶら下がるほどのパワー。
くれぐれもロレックスなどの時計を装着したまま手にしないように注意したいところ。持ってないけど。
性能的には申し分ないHK417ではあるが、スコープやバイポット、さらにはライトなどのフル装備状態になると結構重い。男性でもこれで一日サバゲーしたらかなりの筋トレ効果が出るんじゃなかろうかってくらい。サイズも大柄なので取り回しも気を遣うのだけど、これをバリバリと使いこなしているプレーヤーを見かけたら、相当カッコいいことだろう。えっ、 M320A1? いやいや、そんなの付けたら腰が抜けちゃうよ。
M320A1グレネードランチャーをアンダーマウントした絶望的に重い究極の筋トレマシーン...もとい、究極の漬物石...、いや違う、次世代電動ガンのHK417。グリップ位置も遠くなるのであまり実用的じゃないかも。
あとは価格。定価で82,800円。今回はエチゴヤ秋葉原で58,126円(税込)で購入した。バッテリーも新しいのに買い替えたりして楽々6万円越え。トレポン買っておいて6万が高いのかお前は、と突っ込まれそうだけど、やっぱりマルイの電動ガンの中では最高峰であるし、正直高いよねぇ...。
それでもVFCのHK417の実売価格などと比べると特別高価と言うわけでもない。まあ、そのあたりは判断難しいところだが、実際にマルイのHK417を手にしてみるとその製品としての良さは分かるだろう。
2014/12/27
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