東京マルイ ガスガン M45A1
M45A1はアメリカ海兵隊特殊作戦コマンド、MARSOCが制式採用するオートマチックピストル。COLT社のRAIL GUNをベースにデザートサンドカラーに仕上げ、ノバックナイトサイト、5インチのナショナルマッチバレルを標準装備し、Close Quarters Battle Pistol(CQBP)として採用された。
ベースとなるM1911A1から100年以上を経てもなお、米軍で愛され続ける.45口径。その最新型がM45A1といえよう。
写真はラスベガスで撮影したデザートシューティングツアー所有のCOLT M45A1。米海兵隊で使用されているものとほぼ同仕様だ。.45口径のリコイル、ストッピンググパワーは迫力もの。
> M45A1の実弾射撃ツアーはこちら
こちらは2018年のSHOT SHOWにて展示されていたM45A1。DecobondのPVDコーティング仕上げ。色味と手触りが異なる。
このM45A1を東京マルイがガスブローバックガンでモデルアップ。2016年11月の東京マルイフェスティバルで発表されたモデルなので、東京マルイとしてはなかなかに素早い製品化といえる。
しかも今回のM45A1では従来のM1911シリーズから内部ユニットが変更され、作動性が向上しているということだ。
実銃のディティール写真も交えてレビューしていこう。
スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||||
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パーツリスト |
パッケージデザインは黒を基調とし海兵隊のマークが入ったた精悍なイメージ。ボックスサイズは30.5 x 19 x 5.5cm。今回もフライングスクワッドにて購入。
パッケージ内容は本体、マガジン、保護キャップ、ブッシングレンチ、フォロアーストッパー×2個、クリーニングロッド、取説、パーツ注文書とBB弾100発。
箱だし状態のM45A1は少し綺麗すぎるほど。使い込んでいくうちに各所がくすんできて渋みが増しそう。
ちなみに実銃のM45A1の写真も掲載しておこう。
比べてみても判るが外観形状についてはほぼパーフェクトな仕上がり。刻印などガスガンとしての最低限の部分を除いて完全再現の域といえる。
スライド、フレーム共に樹脂製ながら、デザートサンドカラーの塗装仕上げで美しい仕上がり。スライド左には「COLT☆☆☆USMC」の刻印。
アンビのサムセフティ、前後に入ったセレーション。サムセフティはハンマーをコックした状態でオンにできる、コック&ロック。
バレルブッシングによるコンベンショナルな固定方法。付属のブッシングレンチを使用してスライドからバレルを取り外す。
チャンバーには.45口径、ナショナルマッチバレルの刻印。
COLT RAIL GUNがベースとなっているので、ダストカバー部にアンダーマウントレールが標準装備される。
SUREFIRE X300 ウエポンライトを装着。インドア戦やCQBに使える。フロントの重量も増してバランスも良くなる。
フレーム右側の刻印。データマトリクス、コルト・ディフェンス社のケージコード、モデルコード、シリアルナンバーが実銃同様に再現される。
実銃の刻印は茶色く焼けているのでマルイ公式ツイッターではオイルパステルを使用した着色方法を紹介していた。
実銃のメーカー刻印。こちらもこげ茶色なので、処理してみるとよりリアルになるだろう。
ドブテイル式のフロントサイト。亜鉛ダイキャスト製で、ホワイトドットが入る。
NOVAK社正式ライセンスのリアサイト。こちらもホワイトドット式。
ちなみにハンマー根元のストラットがシルバーなのも実銃同様。
実物ではTrijiconの刻印が右側面にあり、 トリチウムを使用したナイトサイトになっている。またマルイのリアサイトよりもドット下のベースの厚さ(高さ?)が異なる。
G10グラスファイバーの実銃グリップを、マルイはプラ製グリップパネルに産業用インクジェットプリンタによる印刷で積層模様を再現している。実物と比べるとややコントラストが低く眠いが、難しい模様を断面も含めてよくここまで再現したと思う。グリップ底部にはランヤードリングあり。もちろんグリップセフティもライブ。
グリップスクリューはOリングが挟まっていた。グリップパネル内部に錘が入っている。緊急時には.45ACPケースのリムで回せるように大き目のスクリューヘッドを採用している。
実銃用のアルタモント木製グリップが付くか試してみた。ネジ位置はピッタリでパネルも収まるが、M45A1のネジ頭が大きいので、ツライチに締めこめなかった。加工すれば装着可能だろう。
デザートウォーリアのグリップを付けてみる。グリップスクリュー自体は従来のものを使用すれば取り付けられる。
ホールドオープン。アウターバレルは美しいシルバーメッキ仕上げ。
ただ、このアウターバレル従来のM1911と比べて摺動性を上げたためか、スライド閉鎖状態でも前後に0.7mmほど動く。銃を構えるたびにプラのカタカタと軽い音がするのには興ざめた。
トリガーはMEU同様にロングタイプ。前面にはグルーブがある。ミリガバやシリーズ'70と比べるとトリガーが遠いので手の小さい人は撃ちにくく感じるかもしれない。トリガーガードの外側、内側共にパーティングラインは綺麗に消されている。
ファイアリングピンの再現も従来の六角ネジから、モールドに変更されてリアルになった。
このアングルからリアサイト形状を比較すると、実銃とベース部の厚みに違いがあることがわかる。
ちなみに実銃のファイアリングピン周り。ブリーチ部はグレーでピン上に刻印があり、少し飛び出したファイアリングピンはシルバー。こだわるのであればこんな感じに塗装しても良いだろう。
亜鉛ダイキャスト製のマガジンは6mmBB弾を27装填可能。リップは樹脂製。前面スリットからBB弾を容易にロードできるのも便利。
従来のガバ系シングルスタックマガジンとはマガジンボトムの固定方法が異なっていて、2本のボトムシャフト方式に変更され気化スペースがアップした。
マグバンパーも新形状。
通常分解はマガジンを抜き、スライドキャッチを抜いたらスライドアッシーを前方へ引き抜ける。
そして付属のブッシングレンチでバレルブッシングを反時計回りに60度ほど回転すればブッシングが取り外せる。
リコイルプラグ、リコイルスプリングを取り外してバレルを前方へ引き出せば通常分解完了。
可変ホップアップのダイヤル。スライドを外さないと調整できないのは不便だが、大きく狂うこともない。
MEUとブローバックユニットの比較。シリンダーが長くなり、矢印のネジでユニットが固定されるようになった。
従来からのノッチ欠け対策としてプラスライドの内側のメタルパーツにスライドストップが噛み合うようになっている。
なお、右手で銃を構えてトリガーフィンガーをレストするとスライドストップの突起にあたる。実銃は固いのであまり気にならないが、ガスガンの場合ついついマガジンキャッチを押し込んでしまい、気になってしまう。もう少しカッチリと噛み合ってても良いかと思う。
空のマガジンを入れての実測重量は824g。
屋外での実射は暖かくなったら改めて実施するとして、室内9mのレスト射撃では8cm円内に集弾した。
初速はマルイのフルサイズガバの平均的な気温22度で70m/s前後。気温が26度くらいあれば70m/s代中盤までは初速が上がるだろう。
特筆すべきはそのリコイル。ブローバックユニットとマガジンが変更されてかなりキックが強く感じる。ドカッとスライドがフレームにぶち当たる感触はこれまでのマルイのシングルスタックガバでは味わえなかった感触だ。
気になる点としてはアウターバレルのカタカタと、重量感。ガバメントはズッシリ重いのがいい。その点においてマルイの1911シリーズはフロントがちょっと軽い。あと30gでもフロント側にウエイトがあればずいぶん印象が違うのではと思える。M9A1ではインナーバレルにウエイトを搭載していたが、本シリーズでもできないものだろうか?
ただそんなことを一蹴できるほどの外観の再現度の高さ、リコイルの強さ、命中精度の高さ。
アンダーレイルがあるので使えるホルスターは限られるが、M45A1は是非サバゲーでガンガン使いたい一丁だ。
屋外での射撃テスト
屋外での20m、30m射撃テストを行った。
この日は気温30度を超える猛暑日。弾は東京マルイのベアリングバイオ0.2g弾を使用。
結果、20mでA3ターゲット、30mでマンターゲット上半身を狙える精度を見せた。また気温が高かったこともあり、40mでもマンターゲットを狙えるほどの弾道性能も発揮。ハンドガンとしては必要十分な性能だ。
東京マルイのフルサイズシングルスタック1911シリーズ。どれも個性的で魅力がある。ガバは手にとってカチャカチャしているだけでも楽しい。コレクション派にもおススメだ。
協力:マークワン
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