東京マルイ ガスガン CQBR BLOCK1
レポート:戸井 源太郎
東京マルイ初の長モノGBBのM4A1 MWSが2015年に発売され、第2弾のCQBR BLOCK1が2016年11月に発売されました。今回はそのCQBR BLOCK1をレビューいたします。M4A1 MWSよりバレル長が約10cm短く、扱いやすいことから人気が高い1丁です。
今回はガスブローバックガンのレビューの時期としては適切ではないかもしれませんが、逆に少々寒くても正常に作動するかが興味があるところです。
これからの季節でも使えるのか、早速、実射テストをしてみたいと思います。 実のところ東京マルイ製なので、あまり心配はしていません。
実銃のM4 CQBRは室内、船舶内などの近接戦闘(CQB=Close Quarters Battle)用ライフルを、とのNAVY SEALの要請でアメリカ海軍海上戦センターによって開発されました。開発といっても極端に言えば、余剰のM4のバレルを切っただけです。細いところでは、ガスポート径を広げた他、ボルトにも改修が施され、ショートバレル時でも確実に作動するようになっています。そして厳密にはCQBRとは銃全体のことではなく、アッパーのみを指します。
10.5インチバレルで扱いやすいコンパクトなスタイルです。そして精悍にみえます。M4 MWSとはバレル長の違いの他、ストックはクレーンタイプに、リアサイトはLMTタイプに変更されています。またバーチカルフォアグリップが付属しています。
スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||||
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パーツリスト1 | パーツリスト2 |
商品名は銀箔で超豪華仕様のパッケージとなっています。中央下には、マルイ独自開発のZ SYSTEMのマークが入っています。
最初、商品名の周りがキズだらけだと思いましたが、これはこういうデザインなのですね。
中も豪華です。ベロクロテープ2ヵ所で銃をしっかり固定してあります。パッケージサイズは横860 x 縦290 x 厚100 mmです。
銃本体の他には保護キャップ、フロントサイトアジャストツール、取扱い注意・説明書、補足説明書、チャージャー、チャージングロッド、クリーニングロッド、BB弾(0.2g/100発)が同梱されています。
R.A.SはM4 MWSと同じ7インチ長でフロントサイトの先にすぐフラッシュハイダーがくる10.3インチのショートバレルです。
フレームはアルミダイキャスト製でCerakote™塗装されています。真っ黒ではなく、少しグレーかかった渋い仕上がりです。またセレクターやマガジンキャッチからオイルが染み出てきているのも実銃っぽくて超リアルです。
ロアフレームの刻印はCOLTのM4A1となっています。これはCQBRがM4A1 MWSと共通のレシーバーのためです。
トリガー周りもM4A1と同様のもので、セレクター、ボルトリリースレバーももちろんライブです。セレクターはハンマーダウンしたらセフティに入らないリアル仕様です。
トリガー、トリガーガードもM4A1と同じ仕様となっています。ちょっとトリガーガードの型抜きの跡が気になります。
セレクターは軽すぎず、重すぎず、クリック感もあって操作しやすいです。またセレクターはハンマーダウンしたらセフティに入らないリアル仕様です。
残弾が0になったらボルトストップがかかります。マガジンを装填し、このレバーを押し、ボルトを前進させたら発射準備完了です。またチャージングハンドルを引いてもボルトをリリースできます。
エジェクションポートから覗くボルトは超リアルです。実銃とはポートサイズやボルト窪みが若干形状違うようですが、私はあまり気になりません。
右がボルトを後退した状態。ホップダイヤルは...アッパーレシーバーの上部にありますが、この状態からは見えません。ホップ調整もほぼ不可能です。
可変ホップアップダイヤルの位置はアッパーレシーバーのチェンバー寄りの上になります。ホップの調整はテイクダウンして行う他なく、結構面倒くさいです。
グリップはA2タイプです。もちろんリアルサイズですので、各種実物グリップが装着できます。ただしグリップのボルト(4mmの6角レンチ)はネジロック剤がついているので、取り外すにはかなりの力が必要です。
チャージングハンドルもオーソドックスなCOLTタイプです。長さが違うので、他社のものと共通性はないだろう。ただし、最近はサードパーティから東京マルイ用のカスタムパーツが出てきています。フォワードアシストノブも機能します。
ストックはクレーンが標準装備です。ストックは6ポジションで、パイプ径は28.97mmで、実物ストックもほぼ装着できます。
クレーンストックは次世代電動ガンの流用と思われます。しかしバッテリー挿入口のパーツはネジ3ヵ所で固定されていました。
ストックパイプ基部にはTM刻印入りのスイベルプレートが標準装備されています。これは嬉しいです。
フラッシュハイダーは切欠きがあるナイツタイプで、14mm逆ネジ仕様です。ハイダーを取り外せばサイレンサーなども装着できます。フロントサイトは三角ポストで、付属のアジャスターで上下のみ調節できます。
リアサイトはM16系のキャリングハンドルの後ろ半分のみのLMTタイプを標準装備です。上下、左右に調節が可能で、ピープサイトも大小L型の起倒式となっています。もちろん着脱可能です。
R.A.Sはアルミ製でグラつきなしでがっちりしています。レールにはレーザー刻印でナンバリングされています。
ナイツタイプのバーティカルフォアグリップが標準装備されています。グリップエンドがネジになっており、ここを締めてレールに装着します。刻印は東京マルイオリジナルで、「FOR MARUI ELECTRIC GUN ONLY」となっています。
R.A.Sの下側にプラスチック製のレイルカバーが装着されていました。これはおそらく、テイクダウンした時にフレームをキズ付けないためのものだと思います。
実銃同様にピン1本でテイクダウンが可能です。
そのままチャージングハンドルを引けば、ボルトごと取り出せます。
他社のGBBと全く違う東京マルイ独自のGBBメカを搭載しております。フレーム手前側に見えているシルバーのプレートがボルトストップ時の衝撃を吸収するZ-SYSTEMです。
ハンマー上部にはローラーを装備、左がハンマーがコックされた状態。右がハンマーがダウンした状態。実銃のようにボルトのお尻を叩くわけではないので、ハンマーパーツがあまり露出しない構造になっています。
ボルトはマルイ独自の形状ですが、ロッキングラグなど全体の雰囲気はよく再現しています。材質は亜鉛ダイキャストだと思われます。ボルトの下側にもローラーがあり、フリクション低減に寄与しています。
リコイルスプリングとリコイルバッファーも実物同様に取り出せます。
リコイルバッファーの後端(右側)には別パーツになっており、リコイルの衝撃を緩衝できるようになっています。
マガジンの装弾数35発で、材質はアルミダイキャスト製です。残弾が0になったらボルトストップがかかりますが、空撃ちモードがあったらよかったと思います。
実射テスト
今回、新たなターゲットを用意しました。丸いプレートは直径18cmで頭の大きさ、四角いプレートはA3サイズ(29.7cmx42cm)でボディの大きさをイメージしています。スチールプレートなので、当たれば音でよくわかりますし、今までの人体サイズと違い、これでおおよそのグルーピングの目安になるのではないでしょうか。
実射テストでは、いつもと同様、東京マルイのベアリングバイオBB0.2gと0.25gを用意。距離はガスブローバックなので、まずは30mで行いました。
気温約20℃と人間には心地よい気候でしたが、ガスガンにはそうではないらしく、初速を測ってみたところ0.2gのBB弾で多くで平均70m/s以下と予想外の低さでした。ちなみにガスはHFC134aを使用しています。
射撃してみると初速が遅いため、飛距離も落ちているためか、上目に狙っても距離40mがギリギリという感じでした。ただ、A3サイズに全弾ヒットというわけではないのですが、大外れでもなく、惜しいという感じで、グルーピングはそれほど悪くないと思います。また0.2gより0.25gのBB弾の方が相性が良いと感じました。
気温20℃でもフルオートもマガジン1本撃ち切れましたし、作動は快調でした。この状況でも30mで人体にほぼヒットできる性能とは、さすが東京マルイといったところでしょう。
ちなみに距離20mでしたらビレッジ2の常設15cmプレートには必中でした。CQBエリアなら問題ないと思います。
気になった所としては、セミオートの初弾はホップがかかりすぎる傾向がありましたが、これは新品のため、まだホップに当たりが出てないものと思われます。
総評
新品なのに、初速があまりにも低かったので、念のため、自宅で再測定してみました。暖房が効いた室内で気温23℃、マガジンを5分ほど放置してから初速を測ってみたところ平均78.16m/sありましたので、問題ないでしょう。
テスト時、初速は低かったのですが、撃っている時は、実はリコイルが弱いとは全く感じませんでした。肩と頰にかなりの衝撃がきます。
東京マルイのM4系ガスブローバックはトリガー、ハンマー周りのメカニズムにリアルさがないことを不満に思っている方もいらっしゃるようですが、純粋なトイガンとして、あえてリアルさより、確実な作動、信頼性と精度を重視した東京マルイの方針には、賛成できます。
価格的にも他社のGBBと比べても妥当なところでしょう。
サバゲーでは主に14.5インチ以上のバレル長のM4系の電動ガンを使っていますが、今更ですが10.3インチバレルのCQBRはコンパクトで扱いやすいですね。そしてレシーバーを分割すれば、バックパックにも入るし、そのままでも中型のキャリングケースに装備と一緒に銃が入るため、荷物が一つ減るのがいいですね!
はっきりいって、良い製品です。
この実射テスト後、インドアのサバゲで使ってみましたが、快調に作動し全く問題なく使えました。
私は他社のM4 GBBを数種類所有していますが、サバゲでどれを選択するかとなったら間違いなく、この東京マルイのCQBR BLOCK1を選ぶでしょう。M4 GBBでは東京マルイは後発なだけに完成度が高く、精度、リコイル、信頼性と文句なしの1丁でしょう。
カスタム予告
M4の楽しみといえば、いろいろカスタムができることにあるのではないでしょうか。実銃でも電動、GBBなどトイガンを含め、多くのユーザーが自分流にカスタムしています。
東京マルイのM4 GBBもM4A1 MWSの発売から約2年。現在CQBR BLOCK1、M4A1 CARBINEと、すでに3機種が発売されています。そして、サードパーティからも東京マルイのM4 GBB専用パーツも充実してきています。
近いうちに、このCQBR BLOCK1をベースに各種カスタムパーツを紹介する予定です。
現在、東京マルイ M4 GBB用カスタム特集用にパーツを集めている最中です。
(上左)RWA Fortis SWITCH 556レール
(上右)PTS ADAPTER RING FOR TM GBB
(下)RWA B.A.D. VERTストック
カスタム記事もご期待ください!!
協力:ビレッジ2
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