RWA 電動ガン MG34

RWA 電動ガン MG34

レポート:戸井 源太郎

M1919などビックサイズの電動ガンで有名な香港のRWA(RED WOLF AIRSOFT)から第2次世界大戦時、ドイツ軍が誇った銘機関銃MG34の電動ガンが発売されました。
MG34の後継に当たるMG42の電動ガンは海外メーカーからいくつか発売されていますが、MG34というと、今から約30年ほど前にアサヒ ファイヤーアームズからBV式のガスガンがあったくらいで電動ガンとなると世界初のモデルアップではないでしょうか? 
海外メーカーで第2次世界大戦の各国主要火器がモデルアップされているのに、今までなかったのは意外な思いがします。
RWA製品は過去のレビューから外観のリアルさ、性能とも素晴らしい出来だったので、このMG34の電動ガンも期待が高まります。

ドイツ軍の主要機関銃 MG34
MG34は第2次世界大戦時のドイツ軍の汎用機関銃です。1934年に制式採用され、1945年のドイツ降伏まで歩兵部隊の機関銃としてだけでなく、装甲車から戦車の車載機銃に、また航空機用としても広く使用されました。
発射機構はショートリコイルのオープンボルトの反動利用式です。バレルも加熱、摩耗を防止するため、簡単に交換できるようになっているのも当時では画期的でした。一人でも運用ができ、50発のドラムマガジンとベルト給弾のどちらでも射撃可能となっています。まさにドイツ軍の初期の快進撃に貢献した機関銃といえるでしょう。
しかしMG34は優秀な反面、削り出しパーツが多く、生産性に問題がありました。
コストダウンと生産性を高めるため、プレス加工を多用したMG42が1942年に登場しましたが、それでもMG34は終戦まで生産され続けられました。戦後も西ドイツではMG42を7.62mm化したMG3を採用し、アメリカではその給弾方式を参考にしたM60に影響を与えています。

また、大きくて長いその独特な形状はビジュアルも生えることから押井守監督の映画「紅い眼鏡」「アヴァロン」などでも登場していますよね。

では早速、RWAのMG34をみていきましょう。

MG34
圧倒的な重厚感
全長1mをゆうに超え、重量7kg以上あるフルメタルの銃本体から発せられる圧倒的な重厚感に気押されそうです。そして特徴的なバレルジャケットの放熱口も忠実に再現し、ストックはリアルウッドと外観の完成度の高さはピカイチです。メカもリポの11.1Vバッテリーにも対応した強化メカボックスを採用しています。また装弾数1,500発、トリガーに連動の電動マガジンが標準装備です。

■スペック & 弾速データ
全長 1,240mm
重量 7,350g(トライポッド含)
銃身長 600mm(インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 1,500発
定価 225,800円(税別)
発売日 2014年11月
最高 88.51m/s
平均 87.31m/s
最低 85.82m/s
ジュール 0.762J
回転数 711rpm(秒間11.85発)
7.4Vリポ仕様
※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、29.4度(屋外)、湿度42%、XCORTECH X3200にて測定。

パーツリスト1 パーツリスト2

パッケージ
パッケージ内容
ドイツの国旗カラーの黒、赤、黄をバッグにMG34の名称と写真が大きくプリントされたパッケージです。パッケージ内にはストックが外され、ドラムマガジン、バイポッドと整理されて収納されています。パッケージのサイズは112×27.5×15cmになります。

英語の取説と補足解説
銃本体の他は英語の取説と補足解説のペーパーが1枚入っています。

フルメタルレシーバー
頑丈そのものの機関部
フルメタルで、頑丈そのものの機関部です。細身で意外にコンパクトに仕上がっています。フィードカバーからメカボックスの一部が丸見えなのが少し残念です。

細長いバレルジャケットの放熱口
細長いバレルジャケットの放熱口を忠実に再現しています。バレルジャケットはアルミ製の削り出しです。バレルは非常にがっちり出来ており、ビクともしません。

バレルジャケット
バレルジャケットはかなり肉厚にできています。放熱口の断面をみればわかりますが、厚みは3〜4mmはあります。

対空用のサイトを搭載するもの
バレル中程にある、この器具は対空用のサイトを搭載するものです。

ハイダー
ハイダーはポートなどないラッパタイプで、肉厚で丈夫な作りです。ハイダーもアルミ製となっています。

グリップ
グリップはメタルフレームと一体型で、パネルはABS製の別パーツとなっています。グリップ内にはモーターは入っていません。

トリガー
トリガーは数字の「3」のような2段式となっています。実銃は上で引くとセミ、トリガーセフティがある下を引くとフルで撃てるのですが、この電動ガンでは上で引いても発射されません。
分っていても、上を引いて弾が出ない? あれ故障? ということが何回かありました(笑)。

セレクター
トリガーの上にセレクターがあります。レバーが後ろ向きで「FIRE」、前向きで「SAFE」です。

ボタンを押し、ロック除
セレクターの操作はボタンを押し、ロックを解除して行います。

コッキングハンドル
コッキングハンドルもリアルに再現しています。ダミーだが、ハンドル操作は可能とのことですが、このモデルは動きませんでした。

エジェクションポートのモールドまで再現
底面にはエジェクションポートのモールドまで再現されています。実銃は真下に廃莢されます。

ストックはリアルウッド
ストックはリアルウッドです。見た目、感触もGOODです。そしてなによりプローンで、構えた時、バットプレートの形状が肩にぴったりきて、しっかり狙えます。

スチール製のバイポッド
スチール製のバイポッドが標準装備です。長さなどの調節はできない簡素な構造です。

クルッと回転
装着はパイポッドの基部の半円形の部分をバレルにある溝に、上から入れてクルッと回転させればOKです。

バイポッドを折り畳む
バレル下面にあるピンに引っ掛けることでバイポッドを折り畳むことができます。

リアサイトの直前にも装着できます
ちなみにバイポッドはもっとバレルの根元部分、リアサイトの直前にも装着できます。

フロントサイト
折り畳み可能なフロントサイトは単なるブロックという感じの簡素なものです。

リアサイト タンジェントサイト
リアサイトも折りたたみ式です。タンジェントサイトになっており、各距離に応じて調整できます。最大2,000mまであります。

フィードカバー
フィードカバーはスチールのプレスです。実銃の初期型はここまで削り出しだったそうです。フィードカバーを開けて、ホップ調整、マガジンとバッテリーを接続します。


フィードカバーの後部を前方向にスライドさせて、開きます。

フィードカバーを開く
フィードカバーを開くとメカボックスがみえ、その後ろにバッテリースペースがあります。銃のサイズに比べてバッテリースペースは大きくないです。

Tコネクター(大)
バッテリースペースは約8×4.5×3cmで、リポのPEQ用が最適でしょう。
それより一番問題点は銃本体側のコードがTコネクター(大)になっていることです。上のコネクターはトリガー連動の電動マガジン用コネクターです。
※今レビューではバッテリーのコネクターをミニからTコネクター(大)に変換して搭載しました。

Ver.6によく似ています
バッテリースペースの下にモーターがみえます。モーターの位置からするとP-90などのVer.6によく似ていますが、独自のメカボックスのようです。

装弾数は1,500発
マガジンは電動式のドラムマガジンが付属しています。装弾数は1,500発と充分です。マガジンの重量は868gです。上部の赤いボタンは初弾給弾用の電動スイッチになります。ここは目立たないように黒にして欲しかったですね。

ヒンジに引っ掛け
マガジンの銃本体への取り付けは、マガジンと銃の前方向にあるヒンジに引っ掛けます。

クリップで固定
銃本体の後方のヒンジにマガジンのクリップで固定して完了です。ただし、ロックが不充分なのか、ちょっとでもマガジンに当たるとすぐに脱落して困りました。

可変ホップアップ調整用ネジ
マガジンの給弾チューブを銃本体に取り付け、イモネジで固定します。その前にあるのが可変ホップアップ調整用イモネジです。

マガジンの装着完了
フィードカバーを締めれば、マガジンの装着完了です。

マガジンの開け方
マガジンの開け方はまず、ハンドルの向きを変えて、クリップと干渉しない位置にします。
あとは手でクリップを外せば、蓋が開きます。

マガジン内部
マガジン内部は電動マガジン用のギア類、BB弾用スペース、マガジン用の006P形電池(9V角電池)用と大きく3つに分かれています。

006P形電池(別売)を使用
初弾給弾用に006P形電池(別売)を使用します。マガジンにある赤いボタンを押すことで給弾できます。あとはトリガーと連動して給弾されるため、射撃中は押す必要はないです。

 

BB弾の補給
BB弾の補給はいちいち、マガジンを外して蓋を開けずとも、上部のフラップを開けて給弾できます。

 

実射テスト

実射テスト
テストは、いつもと同様、距離40mの人物大ターゲットで、使用BB弾は東京マルイのベアリングバイオ0.2gBB弾です。
取説にはリポの11.1V対応と書いてありましたが、バッテリーのコネクター問題と万一の故障を避けるために7.4Vのリポで実射テストを行いました。
ちなみに連射サイクルは7.4Vで711rpm(11.85発/秒)とほぼ実銃と同程度なのでちょうどよいのではないでしょうか。WEBで調べてみると11.1Vでは15〜18発/秒近くあるようですが、安全面とリアルなサイクルから7.4Vのリポで問題はないかと思います。

40mで射撃してみたところ、ほぼボディにヒットしますが、弾はバラつき、ボディ全体に満遍なくヒットする感じでした。ヘッドショットなどピンポイント狙撃は難しいですが、全弾がボディ内に収まる感じで悪いというほどではありません。そもそも軽機関銃、支援火器ということで面制圧するには最適でしょう。飛距離、精度とも充分及第点だと思います。
試しに50mでも撃ってみましたが、かなり山なりの弾道でようやく届く感じでした。狙点も頭の上、2mくらい上を撃つ感じで、ヒットさせるのは難しく、有効射程距離は40mくらいでしょう。

実射テスト
実射テストで気になった点としては、風もそれほどなかったのですが、最初は弾道がすごく左に流れました。これは新品だったので、オイル付着などの影響かもしれません。撃っているうちに徐々にまっすぐになっていきましたから問題はないと思います。

次にホップがイモネジなので、調整がシビアでしたね。美味しいところを探すのに苦労しました。50m射撃の時、ホップを強めすぎて、5mほどしか飛ばないことがありました。うまくホップを調整できたら50mでももう少しまっすぐ飛んだかもしれません。

あと個人的にはトリガーですね。トリガーが実銃同様の形状をしており、ついついトリガーの上部分を引いてしまいます。実銃ではセミになりますが、電動ガンでは引いても無反応です。何度か「動かない! 壊れたか?」と焦りました。またトリガーセフティがある下部分もまっすぐ後ろに引かないとトリガーガードにひっかかり発射されないことがありました。
しかし実射テストでは2,000発近く撃ちましたが、トラブルはなく、信頼性も高そうです。

ちなみに写真のようにRWAのMG34で立射は、実銃より5kg以上軽いといっても重量が7kg以上あります。できないことはないですが、長時間はきついし、現実的ではありません。さらに持って走り回るのは体力的に私には無理です。機関銃らしく据付で撃ちまくるのがいいでしょう。

総評

総評
特徴的なバレルなど主要部分はアルミ製、フィードカバーやバイポッドはスチール製で頑丈で質感たっぷりです。もちろんストックもリアルウッドで1.2m超のMG34を忠実に再現しています。完成度の高さには感服いたします。

機関銃らしくマガジンは1,500発もの装弾数を誇り、トリガー連動の電動巻き上げ式なので、強力な弾幕を張ることもできます。電動ガンとしての性能、精度、そして信頼性と、充分に実戦(サバゲー)で活躍できるレベルに達しています。

ただし対応バッテリーがTコネクター(大)と日本の電動ガンでは一般的でないものなのが問題でしょう。購入時にショップなどでミニコネクターに変換してもらうのがよいと思います。

フルメタルで、まるで鋼のような黒光りする重厚感ある姿は、実銃と見間違うくらいです。そのためRWA MG34は、実勢価格で20万円弱と決してお安くありません。しかし現状、MG34で唯一といえる電動ガンはこのRWAしかないため非常に貴重です。なにより、その存在感は圧倒的です! 総合的にみても充分価値がある1丁でしょう。

撮影協力:ビレッジ2

2017/10/13


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