A&K 電動ガン PKM リアルウッド
レポート:戸井 源太郎
1960年代のソ連時代に開発された汎用機関銃 PKMが、A&Kから電動ガンでモデルアップされています。
A&Kは香港のトイガンメーカーで、10年ほど前MINIMIの全プラ製電動ガンを発売していました。しかも価格は3万円程度ということからかなり話題になったのを覚えています。
ただし、中身はというと...かなりカスタムをするか、メカボックスごと、東京マルイ製に換装したほうが早いという代物でした。そのMINIMIも現在はフルメタルになってリニューアルされています。
今回紹介するPKMもフルメタルで外観は非常にリアルになっています。その出来、性能はどうなのか? 早速リポートしてみましょう。
実銃のPKMはあのAK47を設計したミハイル・カラシニコフによる汎用機関銃です。
1961年にSG-43重機関銃およびRP-46軽機関銃の後継としてPKが開発され、その改良型がPKMで1969年にソ連軍に制式採用されました。 現在でもロシアのみならず、世界各地で使われています。
PKMの改良点は銃身にある冷却用フルートの廃止、レシーバーは生産効率と軽量化のために削り出しからプレス加工に改められています。
また、弾薬はAK47とは異なる7.62x54mmR弾(リムド)を使用します。この弾はモシン・ナガンやドラグノフと同じ弾薬で、供給が容易で、威力・射程とも高いということから選ばれたようです。
A&Kの電動ガン PKMは、このソ連時代に開発された銘汎用機関銃のPKMを金属パーツとリアルウッドで完全再現しています。全長1m超のリアルサイズの本体に7.5kgというリアルウエイトからくる重量感はトイガンとは思えない迫力です!
そして装弾数5,000発による火力も圧倒的です。 バリエーションとしてストックとグリップがプラ製のブラックバージョンもラインアップされています。
A&K 電動ガン PKM リアルウッド スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||||
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パーツリスト |
写真でみるとM4クラスの電動ガンと同じくらいにみえますが、パッケージサイズは約125×35×15cmと一回り大きくなっています。箱にはH.M.G(HEAVY MACHINE GUN)とあり、同社のMINIMIやM60などと共用なのでしょう。
中には全長1mを超えるPKMが“どーん”とそのまま入っています。切り抜きされたウレタンにより綺麗に収納されています。
中には取説(?)と保証書が入っています。ユーザー登録すれば、アフターサービスも受けられます。うれしい配慮ですね。しかし、この取説は...表紙と1ページ目はPKMですが、中身はエアソフトガン全般の注意事項、MINIMIの説明とかオプションパーツなどばかりで、PKMについての説明がまったくありませんでした。
レシーバーはスチールプレス製です。こちら側は欧米製の機関銃と違い、排莢側になります。2ヵ所の開口部のカバーはダミーですが開くことができます。上の開口部から非分離式金属製ベルトリンク、下から薬莢が排出されます。
レシーバーの右側になります。実銃ではこちらから給弾します。レシーバーの打ちピンが一部、六角レンチになっています。気になる人は気になりますかね。
フィードカバーは複雑な形状をプレスで再現して、リアルに仕上がっています。
長くて大きいのですが、幅は意外にスリムです。古い機関銃ですのでマウントレール等は一切ありません。現用の発展型や生産国のモデルでもレール等は搭載されていないようです。
コッキングハンドルはダミーですが可動します。ハンドルにはロックまでちゃんと再現されています。
リターンスプリングは内蔵されていないので、引いても“ガシン!”とハンドルが戻らず、手で戻してあげないといけなのが少し残念です。
コッキングハンドルは指をかければ、ロックが外れる仕組みです。
グリップは赤みのあるリアルウッドで、丸味を帯びたチェッカリングなどもないシンプルな形状です。メカボックスはP-90のVer.6のような形でモーターと一体型のようです。そのため、グリップ内にはモーター入っていません。
トリガー上にあるレバーがセフティです。レバーが右向きで「FIRE」で、180°回転させ、左向きすると「SAFE」となります。実銃同様、セミオートはなく、フルオートオンリーです。
キャリングハンドルを持って持ち運びができます。ハンドルは可動式で射撃時にはサイトに干渉するので左側に倒します。グリップ部はリアルウッドです。
肉抜きされた独特な形状のストックをリアルに再現しています。素材はもちろんリアルウッドです。
バットストックには折り畳み式のショルダーレストが装備されています。またバットプレートにある丸い穴はツールボックスで、押仕込み式の可動カバーとなっています。
アウターバレル、フロントサイトも金属製で頑丈そのものです。フラッシュハイダー取り付け部は14mm逆ネジ仕様になっています。
フロントサイトポストはM4系と同じ形式のようです。
実銃もそういう機構なのかはわかりませんが、なんとストックエンドの丸いネジを外すと、フロントサイトのアジャストツールになっています!
リアサイトはタンジェントタイプで、もちろん可動します。軸部分がリア方向にあります。前後逆のようで、ちょっと違和感がありますね。
バイポッド(二脚)は頑丈なスチールプレス製ですが、長さの調節機能はありません。
バイポッドは実銃同様折り畳み可能です。右側にみえているクリップで固定するシンプルな作りです。
AKと同じくフレームの後端にあるボタンを押して、フィードカバーを開けます。
フィードカバーを開けるとメカボックスが露出します。大きなボディですが、幅は全然余裕なさそうですね。カバーを開けて、バッテリーの接続、可変ホップアップの調整を行います。
フィードカバー内には電動ガン発射用のミニコネクター使用のコードと、電動マガジン巻き上げ用のコードの2本があります。
バッテリーをミニコネクターに接続し、もう1本はマガジンから出ているコードと繋げて、バッテリーと共にボックスマガジン内に収納します。
フィードトレイも可動します。ホップアップ調整する場合はここも上げたほうが操作しやすいです。
可変ホップアップの調節ダイヤルはチャンバー付近にバレル同軸のドラムダイヤル式として装備されています。
実はこのPKMには可変サイクル機構を搭載しています。可変サイクルは電子式で調節しています。
「FASTER」「SLOW」のボタンを撃ちながら押していくと連射サイクルが変わります。7.4vのリポバッテリーを接続して測定してみたところ、約600~680rpmで変化しました。左にみえるスイッチにはL,M,Sとあります。これは使用バッテリーによって切り替えるようですが、切り替えても違いがよくわかりませんでした。そもそも取説がないので、よくわかりません。
ボックスマガジンは実銃同様のスチールプレス製で、大きさは約縦8.5×横24×高さ14cmです。
サイドのレバーを180°回転させば、蓋を開くことができます。
ボックスマガジンの内部です。中央下部には電動給弾メカのギアがみえます。中央上部の穴から電動でBB弾が給弾されます。右下に仕切られた小さめの空間はバッテリー収納スペースになっています。
ベルトリンクを給弾する上蓋は開閉可能です。バッテリーコードはここから通します。ベルトリンクのダミーカートを装着するとリアル感が増してよいでしょう。
バッテリー収納スペースにはさらに内蓋があり、マガジンからBB弾が入らないように配慮されています。また蓋にはコードが出せるようになっています。黒いコードは電動給弾マガジン用の配線です。
マガジンにはBB弾が約5,000発入ります。ざらざらーっと1kgの袋入りBB弾がすべて流し込めます。つまり本体と併せて、総重量は約8.5kgになります。
マガジンに5,000発を装填したところで、早速、実射してみました。
今回はバイポッドも標準装備ですし、本体も重いのでプローンからの射撃です。
マガジンの底からBB弾を巻き上げるので、トリガーを引いてから30発くらいは空撃ちになりますので注意してください。
銃本体が重いこと、剛性があることから、弾道は非常に素直でした。
ホップアップを適正に調整すれば40m以上は飛びます。距離40mでマンターゲットにビシバシとヒットできる集弾性能があります。
重くて頑丈なため、射撃していても、リコイルをほとんど感じず、微動だにしない安定感があります。
結論としては、東京マルイのスタンダード電動ガンと同程度の飛距離、命中精度があると思います。
箱出しそのままで、充分サバゲで戦えるでしょう。
唯一の不満点は取説がないことですね。なにも説明がないため、マガジンを装着するのにも苦労しました。またバッテリーコードの処理の仕方なども、ひょっとしたら変かもしれませんが、そこのところはご了承くださいね。
少し重いですが、キャンリング・ハンドルを持っての腰だめ掃射も可能です。敵を一掃するなんて男のロマンですが、当てるのは難しいでしょうね。
結構、心配だったのが電動マガジンで、ちゃんとBB弾が給弾されるか不安でしたが、こちらも問題はありませんでした。
なんとか立射もできますが、非常に辛いです。この状態を長時間維持するのは私には無理です。バイポッドをグリップにすると多少は楽になりますが、ストックは肩から外さないと構えられません。
個人的にはPKMでアタッカーをやると、翌日は筋肉痛で起き上がれなくなること間違いないでしょう(笑)。
M60、M249MINIMI、M240など米軍および西側の汎用機関銃の電動ガンは各社からラインナップされていますが、ライバルにあたる旧ソ連、東側の汎用機関銃は本当に少なかったので、コアなファンには嬉しい1丁なのではないでしょうか?
とても"おもちゃ"にはみえない完成度の高さ、箱出しでもよく飛び、当たる性能、そして価格も定価で88,000円、実売価格では60,000円前後と、このクラスとしてはそれほど高くないと感じます。
このPKMが15年前なら15万円以上はしていただろうと思うと、このA&K PKMは非常にお得な気がします。 機動力は著しく減退しますが、フィールドでの注目度はアップすること間違いないでしょう。
撮影協力:ビレッジ2
2015/12/04
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