この作品、なんとインドネシアの映画。監督はギャレス・エヴァンスというウェールズ出身のイギリス人。
この監督、インドネシアの伝統武術プンチャック・シラットに傾倒し、いくつかの武術を題材にした作品を手がけている。また本作は国際映画祭でも10年に1本のアクション映画と話題沸騰、既にハリウッドリメイク版も決まってたりする超話題作なのだ。
シラットは世界50カ国以上の軍隊や法執行機関で採用される格闘術。銃撃戦、剣斬戦など、繰り出されるアクションはスピード感があり、カンフー映画を彷彿とさせる。
格闘とともに注目なのが劇中に登場する銃器。SWAT隊員達の武装から、犯罪者達の使用する武器まで一挙公開。
主人公ラマを始めとするSWAT隊員達が使用するのはドイツH&K社のHK416の14.5インチバレル仕様で、5.56mm×45弾を使用するアサルトライフル。
米軍現用のコルトM4カービンのガス作動方式であるリュングマン方式から、ショートストロークピストン方式へと変更したことで作動性能を向上した。
主人公SWAT隊員ラマを演じるイコ・ウワイスは1983年2月12日のジャカルタ生まれで、5歳でプンチャック・シラットを始め、プロ格闘家となる。シラットのデモンストレーションチームの一員となり、イギリス、フランス、ロシアなどに遠征するほどの腕前。2007年にTVドキュメンタリー制作中のギャレス・エヴァンス監督と出会い、振付師、俳優の道へ進む。
暗くて音の反響しやすい室内での戦闘を想定してサプレッサーが装着されている。しかしドットサイトなどの光学照準器は装備されておらず、H&Kのバックアップアイアンサイト(BUIS)のみ。
マガジンハウジングやボルトキャリアの刻印は消されているが、これはWE製のエアソフトとのこと。
隊員達はセカンダリウエポンとしてグロック17も使用する。
オーストリアのグロック社が開発したオートマチックピストルで弾薬は9mm×19弾を使用、ポリマーフレームによる現代ピストルの代表ともいえる拳銃だ。
これはKSC製のものをベースとしているそうだ。
レイ・サヘタビー演じる麻薬王タマ・リヤディが使用するシルバーのリボルバーはWingun製リボルバー4。
海外製のフルメタルエアガンでグリップ内にCO2ボンベを装填するタイプ。こういった世界各国のトイガンが多数使用されているのも本作の特徴。※写真はDanWessonブランドの同モデル。
KAC PDW。リヤディの手下が使用する。KAC PDWは米国ナイツアーマメント社の開発したパーソナル・ディフェンス・ウエポンで専用に開発された6mm×35弾を使用する最新の銃器だ。STANAGマガジンを使用している。KAC PDWが映画に登場するのは珍しい。これもWE社製ベースのプロップガンと思われる。参考までにVFCのKAC PDW電動ガン レビユーはこちら。
リヤディの右腕、マッド・ドッグが使用するのはSIG P226。9mm×19弾を使用するオートマチックピストル。スイスとドイツの合弁企業SIGザウエルゾーン社が開発製造する。
演じるのはマーシャルアーツのインストラクターでもあるヤヤン・ルヒアン。
別アングルからの写真ではスライド右側面にホワイトのマーキングがあるのがわかる。
これはもしかして東京マルイのSIG P226 E2かも?
SWATチームに合流した警部補がビルの住民から奪って使用するのがS&W M327 M&P R8 2インチモデル。.357マグナム弾を使用する8連発リボルバー。これはタナカ製のガスガンがベース。
正面のカットからみると8連発のシリンダーということがわかる。この警部補が使用するステンレスモデルの他、劇中にはブラックモデルも登場する。
レミントン M870 ポリスショットガン。これももしかしたらマルゼン製 CA870かそのレプリカだったりして!?
その他リヤディの要請でとなりのビルからSWATを狙撃するシーンではレミントンM700ボルトアクションライフルが登場。
マウントベース上部にホップ用のダイヤルが見えるのでタナカ製がベースと思われる。
またビル内部では住民がロシア製のアサルトライフル、AKS74Uを乱射!!
SRC製のAKS74Uクリンコフが使用されているそうだ。
とまあ、登場する銃器はトイガンでの人気モデルも多くて楽しめる。
またこの映画本来の凄さはやはりその肉弾戦のアクションであり、壮絶なバトルがエンドレスで展開するスリリングな演出は、まさにノンストップ・ハイテンション・アクションと呼ぶにふさわしい内容だ。
予告編はこちら
シラットの激しいアクションの一部をどうぞ。
『ザ・レイド』 (R-15指定)
10月27日(土) シネマライズ、角川シネマ有楽町
他全国ロードショー!
配給:角川映画
©MMXI PT. MERANTAU FILMS
ザ・レイド オフィシャルサイト