東京マルイ 電動ガン AKS74U 【エアガン レビュー】
実銃の
AKS74UはAK74の銃身を切り詰めたショートバージョンで、5.45mm×39ライフル弾を使用するアサルトライフルだ。
1979年、世界は冷戦と呼ばれる時代。アメリカとソビエトが世界各国で覇権を争っていたころ。ソビエト連邦は中東の国、アフガニスタンへ侵攻作戦を開始した。これに対抗してアメリカはアフガニスタンのイスラム教徒ゲリラ「ムジャヒディン」に武器供与を始める。10年後にソビエトは撤退を余儀なくされるのだが、その戦火の過程でムジャヒディンはソビエトから武器を奪って使用することもあった。AKS74Uもそのひとつで、彼らはそのライフルを「クリンコフ」の愛称で呼んだ。
メディアの露出では映画「
ブラックホーク・ダウン
」でアイディード派民兵指揮官が使用していたり、9.11事件の首謀者といわれるオサマ・ビン・ラディンが報道された写真や映像の中で手にしていたことでも有名。と、書くと危なっかしい連中が使う銃かと思いきや、最近ではPMCオペレーターや米国内シューターの間でもOEMモデルが人気ということだ。コンパクトなライフルは狭い屋内や車の中でも扱いやすいらしい。
東京マルイの次世代電動ガン第二弾ということで、1作目の
AK74MNのショートモデルであるAKS74Uが2008年7月、ついに登場したので早速レビューする。
東京マルイ AKS74U 電動ガンスペック
全長 |
499/739mm(ストック伸長時) |
重量 |
2,630g(バッテリー含まず) |
銃身長 |
260mm(インナーバレル長) |
装弾数 |
6mmBB弾
74発 |
定価 |
49,800円(税別) |
発売日 |
2008年7月14日 |
メカBOX |
Ver.9/EG1000S |
バッテリー |
ミニS |
|
東京マルイ AKS74U 弾速データ
最高 |
88.10m/s |
平均 |
87.73m/s |
最低 |
87.00m/s |
ジュール |
0.77J |
※エクセル バイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温25.3度、湿度51.0%
パーツリスト |
レシーバーはAK74MN同様にアルミダイキャスト製で軽量かつ高剛性を実現。
マットな黒い質感も良く、構えてみてもズシッと重みを感じる。
プラムカラーのグリップとベークライトのマガジンのコントラストが美しい。
ただし、レシーバー左側面にはAK74MNのようなマウントベースが無く、シンプルな雰囲気。
射撃シーン動画
レシーバー右側面のセレクターレバーでセフティ、セミ、フルオートを切り替える。
コッキングハンドルを引くと内部に可変ホップアップ調節用のダイヤルが現れる。
ダイヤルは狂いにくく、調節もしやすい。
独特の形状のフラッシュハイダー。
取り付けは正ネジになっており、その先にM14逆ネジ仕様となる二段ネジになっている。
矢印の部分のロックピンがハイダーをロックしているのでロックピンを押しながらハイダーを回して取り外す。
フロントがショートなぶん、サイレンサーを装着しても邪魔になりにくい。
フロントサイト。
AK74MNよりも若干コンパクトで低めに設定されている。
付属のアジャストツールで上下に調節可能だ。
ハンドガードはマルイお得意の木目調塗装が施されたプラ製。このなかに
ミニSバッテリーを収納する。
マルイ純正のミニSニッカドバッテリー以外にも社外品の大容量ニッケル水素バッテリーも使用できる。
ただし、バッテリーのコードの長さが8cm以上あるものでないとコネクタが届かず、装着できないので注意。
また、ちょっとした加工でコードの短いバッテリーでも装着できるようになる。
詳細は
AK74MNのレビューにて。
リアサイトはレシーバーカバーの上にある。AK74MNではタンジェント式のものだったが、AKS74UはL形の切り替え式リアサイトだ。
ストックはスチールプレス製のスケルトンストック。バットプレート部分は亜鉛ダイキャスト製。矢印のストックロックボタンを押すとレシーバー左側面にストックを折り畳むことが出来るフォールディング・ストックとなっている。
折り畳んだ状態のストック。この状態でも射撃は可能。ストック基部も頑丈な金属製で、ガタツキは一切ない。
折り畳んだストックはレシーバー側面の爪(ストックロックレバー)にカチャっと固定される。
ストックを伸ばすときはこの爪を指で後方に倒して解除する。
プラムカラーの樹脂製グリップ内にはEG1000モーターを内蔵する。マガジンはAKS74Uの生産初期に支給されたベークライトと呼ばれるフェノール樹脂製のものを再現している。
マガジンは6mmBB弾を74発装填できる。
マガジンフォロアーが長く、セミ、フルオートで撃っても最後の一発まで弾が残ることなく撃ちきれる。またオプションで480連の多弾数マガジンが発売されている。
ちなみに
AK74MNで使用される黒い樹脂製のマガジンとも互換性がある。
レシーバーカバーはスチールプレス製。
後部のレシーバーカバーロックを押すと、レシーバーカバーを上方へ取り外すことが出来る。
AKS74Uはドットサイトやスコープなどの光学照準機器を搭載することが出来ないのが残念だ。
ただし、そのうちカスタムパーツメーカーからピカティニーレールが搭載されたハンドガードやレシーバーカバーが発売されるかもしれない。
次世代電動ガンAKS74Uが次世代たる所以はこのレシーバーカバー内に内蔵されたシュート&リコイルエンジンだ。このシュート&リコイルエンジンが射撃時にあたかも実銃を撃っているかのような激しい衝撃を生み出す。
インテレクト1400ニッケル水素バッテリーを装着しての総重量は2830g。ほど良く軽くコンパクトなスタイルもあいまって、非常に扱いやすい。
AK74MNとの比較。ストック部分の長さはほぼ同じだが、フロント部分は約20cmも短くなり739mmとコンパクト。ストックを折り畳めば499mmとインドアゲームでも扱いやすい。
実射性能はもはや言うに及ばず、マルイの電動ガンの安定性はゲームでも安心して使用できる。
シュート&リコイルエンジンの生み出す衝撃は、もちろん実銃には遠く及ばないが、今までのスタンダード電動ガンに比べると「撃ってるなぁ」という実感がある。ドキャキャキャキャン!と激しい音を奏でながらスウッと水平に飛んでいくBB弾の一発一発に重みを感じるとでも言うべきか。リコイルで銃が暴れやすいのでフルオートではしっかりホールドしないと従来のようなピンポイントを狙い続けるにはチョイとコツがいる。
先日のゲームで早くもAKS74Uを使用しているユーザーがいた。森林フィールドに響き渡るAKS74Uの音はなぜか神々しさを感じた。
シュート&リコイルエンジンは次世代のひとつのアプローチだが、今後発売される次世代電動ガンにはもっと別の手法があっても良いと思う。弾が切れれば作動が停止したり、ホールドオープンから初弾をチャンバーに放り込む操作も次世代の電動ガンのひとつの楽しさだと思う。またバッテリーの小型化、高性能化、ユニットの低燃費化だって次世代のアプローチのひとつだろう。ますます楽しく、高機能になる電動ガン。次回作にも期待が高まる。
2008/07/26
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