平成28年度 富士総合火力演習 2016
photo & report:岡崎雄昌
今年も静岡県は御殿場市、東富士演習場畑岡地区において、人員2400名、戦車、装甲車約80両、各種火砲60門、航空機約20機、その他車両役700両が参加し、「平成28年度富士総合火力演習」
がおこなわれた。
ここ数年、回を重ねるごとに世間への認知度が増し、今回のチケット倍率はなんと27倍、入場者数は約27,000名にものぼった。
演習は2部構成となっており、前段演習は各種装備の実弾射撃を伴った紹介で、後段演習は畑岡地区を島にみたて、洋上から侵攻して来る敵を海、空自衛隊と協力して(統合による作戦)迎え撃ち、さらに上陸してきた敵を富士教導団が奪回するというシナリオで行われた。
今回は8月25,27日に行われた予行・教育演習の模様を取材した。
早朝に行われる点検射の後に退場する99式自走155mm榴弾砲。本番では会場からみて左側に退場するため、このように重なっては見えない。
演習開始前、無事故を祈ってアヒル隊長からお神酒(おみき)をいただく偵察教導隊。
昨年の履帯破損・砲弾破片事故を受け、本番前に地雷探知機画像型を用いて金属片などを探す隊員達。この装備を使用する時は腕まくりが基本となる。
普通科の保有する最大火力、120mm迫撃砲の射撃。
10式戦車はネットワーク通信によって、小隊長が4両全ての発射を司る事ができるため、発砲炎が綺麗にそろう率が高い。
AH-1Sによる対戦車ミサイルTOWの射撃。気圧が低いためにローターからベイパーが薄く発生している。
砲塔を6時方向に向け、目標から遠ざかりながら射撃する10式戦車。今年は昨年までのスラローム射撃とは異なる機動を見せた。
昨年の履帯外れと、発射した砲弾の破片が観客に軽傷を負わせてしまったという事故があったので、今年は昨年まで行っていた「スラローム射撃」が「蛇行射撃」と名を変え、観客席から離れた所で射撃するコースに変更されるなど、より観客の安全に配慮がなされていた。
前進する96式装輪装甲車から、普通科隊員達が下車するタイミングをうかがう。
射撃する90式戦車。エンジンルーム周辺は熱で、発砲炎の前方は衝撃波で背景が歪んでいるが、その違いが面白い。
気付けば今演習参加車両中最古の国産車両となった74式戦車。それでも射撃の迫力はトップクラスである。
演習のハイライト。発煙弾による煙幕展張によって幕を閉じる。手前は89式装甲戦闘車。
演習後の装備品展示に出場する前の機動戦闘車。後方のAAAV7は陸自のAAAV7ではなく米海兵隊のもの。
この99-0300は今まで公の場によく展示されていた他の機動戦闘車とは異なり、車体後部にウインチを備えている。
車体左上面には後部のウインチから車体左前端に設置されたロープ通しにロープを導く滑車が確認できる。
輸送防護車。陸自には珍しいオーストラリア製の戦闘車両。一般にはブッシュマスターという名前の方が有名かもしれない。
■関連レビュー
自衛隊&ミリタリーイベント特集
2015年 富士総合火力演習
陸上自衛隊 10式戦車の開発と試作車
2014年 富士総合火力演習
2013年 富士総合火力演習
2012年 富士総合火力演習
2011年 富士総合火力演習
2010年 富士総合火力演習
東京マルイ 電動ガン 89式小銃 折曲銃床式