CAA AIRSOFT DIVISION M4S1 CQB Sport Series 10.5"
レビュー: 金子一也 (Gun Shop BATON アキバ 店長)
実銃アクセサリーメーカーCAAが自らプロデュースするエアソフトガン登場
CAAとは、実銃用アクセサリーを主に開発、販売しているイスラエルのガンアクセサリーメーカーである。長い戦いの歴史を持つイスラエルの企業だけに、その製品は実用的かつ機能的なデザインを持ち、高い操作性と耐久性を実現。イスラエル国防軍の対テロ特殊部隊をはじめ、Royal Netherlands Army(オランダ王立陸軍)や、FSB(ロシア連邦保安庁)等、世界各国の軍隊や特殊部隊で採用されている。
こうした各国軍隊や、法執行機関での使用実績があるCAAだが、実銃用アクセサリーと同時に、CAA Airsoft Divisionとして、エアソフトガン用のアクセサリーも開発、販売している。
戦いのプロが認めた機能的なデザインと、優れた操作性をそのままに、実銃用アクセサリーメーカーがエアガン用として作り上げた製品のクオリティは、言うまでも無く折り紙つきだ。
そして2016年5月。それらの製品群を、GunsmithBATONが日本代理店として輸入販売する運びとなり、その第一弾である、CAA M4S1 CQB Sport Series 10.5"がついに上陸を果たしたのだ。
今回のAirsoft通信は、実銃に限りなく近い雰囲気を持つ、このCAA M4S1 CQB Sport Series 10.5"の魅力を、可能な限り詳しく紹介して行こう。
■スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||
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合理的かつアグレッシブ作りのなフロントまわり
既にご説明した通り、母体であるCAAは実銃用アクセサリーを製造するメーカーだが、M4/AR15シリーズ用のボルトキャリアやレシーバー等の本体パーツも製造販売しており、CAAのパーツで固めたM4系カスタムライフルを作り上げることも可能となっている。
そして、CAA Airsoft Divisionでは、実銃用とまったく変わらぬデザインのアクセサリー群に加え、それらをふんだんに装備したオリジナル電動ガンを各種リリース。その中のひとつが、今回ご紹介するCAA M4S1 CQB Sport Series 10.5" である。
スタンダードなCQBサイズのM4に、CAAオリジナルデザインによる各種アクセサリーが装着された、このCAA M4S1 CQBこそ、CAAが実銃パーツの開発によって得たノウハウを惜しみなく注ぎ込み、CAA Airsoft Divisionにて製造したオリジナル電動ガンなのだ。
まずはフロントまわりから細かく見て行こう。
M4/AR15シリーズに共通する三角形のフロントサイトベースは強化樹脂製で、アウターバレル先端部と一体成型となっている。Sport Seriesならではの思い切った簡略化だが、同じく樹脂製のフロントサイトポストは、実銃通りの上下調整が可能となっている。
フロントまわりの一体化というのは、そもそもこの部分を交換する気が無いユーザーにとってみれば、サイトベースがずれたり、破損したりといった可能性が低減されるため、歓迎できる構造と言えるだろう。
マズル先端のバードケージ型フラッシュハイダーも強化樹脂製だが、ここは14mm逆ネジ仕様となっており、お好みのマズルアダプターに着せ替えることが可能だ。
実銃用とまったく同じデザインで製作されたM4S1ハンドガードはナイロンファイバー製で、本物である証のメーカートレードマークが誇らしげに刻印されている。スマートかつ、放熱効果の高そうなデザインは、既存の樹脂製ハンドガードには無い、アグレッシブな魅力に溢れている。
ハンドガード付け根付近の両側にはQDスゥイベルマウントが設けられており、右利き、左利きを問わない、自由なスリングの取り付けが可能だ。
ハンドガード前方の両側面には、ピカティニー規格のショートレールを装備。主にタクティカルライトの取り付けに役立つだろう。
ハンドガード下面に見える真鍮製のアンカーは、同梱された長短2種類のレールマウントを取り付けるためのものだ。
必要に応じて長さを選べるレールマウントは嬉しい装備だが、これをハンドガード下に取り付けたままだと、バッテリー交換の際に下側ハンドガードが外せなくなるため、注意が必要となる。
バッテリー交換は、ハンドガード下部を外して行う一般的なスタイルを踏襲。BATON airsoft 電動ガン用リポバッテリーであれば、E 7.4v1200mAh[20C]セパレートか、7.4v900mAh[20C](スティック)が収納出来る。バッテリー交換のスムーズさが、サバゲにおいて大きなアドバンテージになるのは言うまでもなく、また、容量の大きいバッテリーを収納出来るのも、サバゲーマーにとっては嬉しいポイントだろう。
堅実な造りのレシーバーまわり
強化樹脂製ロアレシーバーのマガジンハウジング部分は、右側面にCAAのロゴマークが、左側面には同社のトレードマークである、ライフルを携えたオペレーターのシルエットが、それぞれ白く刻まれている。これはもちろん、CAA Airsoft Divisionの製品だからこそ刻まれたもので、言わば本物の証だ。
また、レシーバー左側面を良く見ると、テイクダウンピンとピボットピンの末端側が、六角ボルトになっている。
多くのM4/AR15系ユーザーが、これらのピンの脱落に泣かされている中、実に嬉しい配慮と言えよう。
尚、CAAロゴマークの下にあるC/Nから始まる番号は、全ての製品に共通するモデルナンバーのようだ。
エジェクションポート内に見える黒い金属性のダミーボルトは、チャージングハンドルと連動して後退。ホップアップ調整ダイヤルへのアクセスが可能となる。ホップアップチャンバーはオーソドックスなスタイルを踏襲した樹脂製のものを採用。ホップアップチャンバーパッキンと、いわゆるクッションラバーの硬度が適切なため、繊細なホップ調整が可能で、使用するBB弾の重さに応じた、最適な弾道が得られる。
CAAデザインによる高機能アクセサリー群
アッパーレシーバー上の20mmレールマウントに搭載された樹脂製のフリップアップ式リアサイトは、やはり実銃用とまったく同じデザインによるもので、遠、近距離用の切り替えと、左右調整が可能な本格派。サイト基部の側面に設けられたボタンは、アンビデクストラウスリリースボタンと呼ばれており、左右どちらから押してもサイトを起こすことが出来る設計になっている。
バックアップサイトとして考えた場合、ダットサイト等に何らかのトラブルが起きた際に素早く展開出来るのは必須の条件で、さすがイスラエルに拠点を置くCAAならではのデザインと言えるだろう。
独特な形状のピストルグリップは、世界各国の軍隊や法執行機関で使用されているCAAのUPG16-1のデザインを、電動ガン用として再現。内部にモーターが入るように作られているため、実銃用グリップが備えている前後ストラップの交換機能がオミットされているが、適度に配された滑り止めモールドや、グリップ背面の形状により、素晴らしい握り心地の良さを生み出している。
そしてバットストックは、世界各国のオペレーターが採用しているCAA CBSストックの、言わば自社製レプリカを採用。いわゆるエンハンスドストックをベースにカスタマイズしたような、迫力のあるデザインが魅力的なストックだ。
後ろ端下部にスゥイベルリング、その上にはスリット。さらに、左右両側の前後にはQDスゥイベルマウントと、これでもかというほどに高いスリング取り付け位置の自由度を確保している。スリングの取り付け方はオペレーターの好みや作戦内容によって様々に異なるため、この自由度の高さは、使い勝手の良さに直結していると言えるだろう。
また、中央にCAAのロゴマークが入ったバットプレートは肉厚のラバー製となっており、滑り止めとクッションの役割を同時に果たしてくれる。
一見しただけでは使い道が想像し難い、ストック左側面に設けられたレールマウントは、同社製の可変式チークレストや、マグキーパー、シェルホルダーなどを取り付けるためのもの。
レール本体は強化樹脂製で、中央部にFOR AIRSOFT ONLYとの注意書きが刻印されているのがわかる。
さらに右側面には、CR123タイプのバッテリーを4本収納出来る簡易防水型コンパートメントを装備。
長期にわたる作戦で、タクティカルライトやダットサイトのバッテリーが切れてしまうことは起こりうるトラブルなので、プロのファイターなら、予備バッテリーの用意は必須だろう。
このCBSストックこそ、実戦の場で求められる要素を凝縮した、最強のストックと言っても過言ではあるまい。
付属のマガジンは軽量な樹脂製で、やはり両側面にCAAのロゴマークとトレードマークがモールドされている。
装弾数は140発のスプリング給弾タイプで、特徴的なデザインはやはり、CAAオリジナルの30 Rounds Polymer Magazineを模している。前後に設けられたリブは、素早いマガジンチェンジを助けてくれるだろう。
また、いわゆるスタンダード準拠のマガジンとなっているため、一般的なM4用マガジンが使用可能。既に適合するマガジンを多数お持ちの向きには問題ないが、これから揃えようという方には、安価で使い勝手に優れる、BATON airsoft M4 300連多弾数マガジンがおススメだ。
驚きの軽さと、安定した実射性能
このM4S1のレポートを執筆するに当たり、何よりも驚いたのは、手に取った時の信じ難いほどの軽さだった。
マガジンを抜いた状態での重量が1800g程度というのは、弊社で扱っているM4系の電動ガン中、文句なしの最軽量だが、しっかりと片付けして構えてみても、本体のきしみ音などは一切なく、首周りの脆弱さなどは微塵も感じられない。
強化樹脂と金属部品のハイブリッド構造が、軽さと頑強さを両立させているのだろう。
BATON airsoft製のE 7.4v1200mAh[20C]セパレートを接続し、セミオートモードでトリガーを引いてみると、全力での指切り連射にも難なくついてくるレスポンスの良さを発揮。きれいな作動音からも、7mmベアリング軸受けを備えたVer.2型メカボの精度の高さが充分に伺える。
八王子のGunsmith BATONシューティングレンジでの、26mからの実射テストでも、セミオート、フルオートともに安定した弾道とグルーピングを叩き出し、購入後にそのままサバゲフィールドに持って行けるだけのパフォーマンスの高さを見せてくれた。
豊富な実戦経験を持つイスラエルのメーカー、CAAのエアソフトガン部門が開発、製造した、本物の空気を纏ったオリジナル電動ガン、CAA M4S1 CQB Sport Series 10.5"。サバゲで常に前線を走り回る生粋のアタッカーにとって、強化樹脂フレームが実現した軽さと頑丈さは、とてつもなく大きなアドバンテージとなるだろう。
GunsmithBATONではこのライトウェイトアタッカー、CAA M4S1 CQB Sport Series 10.5"の試射が可能なので、その実力が気になった方は、是非とも店頭まで足を運んでいただきたい。
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