タナカ ワークス ガスガン 三八式騎兵銃 Ver.2
レポート:戸井源太郎
タナカからガス式ボルトアクションの三八式騎兵銃が発売されました。しかも今回レビューするのはビンテージの雰囲気を醸し出すグレースチールフィニッシュされた機関部にリアルウッドストック標準装備と最高級豪華版です。外観は非常にリアルで美しく仕上がっていますが、実射性能はどうか? レビューしてみたいと思います。
明治38年に旧日本陸軍に制式化され、太平洋戦争集結まで主力小銃であった三八式歩兵銃。これを基に騎兵が馬上で扱いやすいよう全長を約30cm短くしたものが三八式騎兵銃で、いわゆるカービンです。機関部の構成は三八式歩兵銃そのままに、銃身のみ短縮されています。
数年後には騎兵用に特化した四四式騎銃に更新されましたが、歩兵や補給部隊、取り回しが容易なため、工兵、戦車兵など幅広く使用されました。
この三八式騎兵銃をタナカがガスガンで忠実にモデルアップしています。さらに雰囲気を高めるために金属部分の主要パーツに黒染めをイメージしたグレースチールフィニッシュを施し、ボルトは使い込まれた白磨きを再現しています。もちろんストックはリアルウッドで、こちらも木目を強調して使い込まれたような、少し枯れた渋めのブラウン仕上げで、実銃の雰囲気満点となっています。
ちなみにペガサスシステムはもともとガスリボルバーとしてのシステムでしたが、タナカのガスシステムの総称としてペガサスと呼んでいるそうです。共通点はガスチャンバー内のバルブをZ型のカムを使って放出するという仕組みなのだそうです。
馬上での扱いできるように銃身が約30cmほど短縮されて、全長は1m以内にまとまっています。銃身下のクリーニングロッドはダミーで抜くことはできません。
機関部は当時の錆止めの青黒い鉄染めをイメージしたグレースチールフィニッシュが施され、渋い鉄の輝きをはなっています。機関部の左側にある刻印は「ASGK MFG,TANAKA」とトイガンオリジナルとなっています。これじゃないと逆に実銃と見分けがつかないかも?
機関部前部には、実銃同様、菊の御紋と三八式の刻印があります。気分が盛り上がります。
ボルトは磨かれ、地金が出てきた白磨きを再現しています。ボルトハンドルは真横に突き出ているのが三八式小銃の特徴です。またタナカではボルト全体を覆うダストカバーもオプションパーツで用意されています。
ガス式ボルトアクションなので、ボルト操作は非常に軽くなっています。ストロークは約120mmもあり、少々長めです。
トリガープルは約1.4kg、ストロークは比較的短めで引きやすいですね。トリガーガード前部にあるのはマガジンキャッチです。
トリガーガードの前にある部分がマガジンになります。
実銃と違い、装填しやすいボックスマガジンとなっています。ガスはマガジン上部から注入します。装弾数は10発で、重量は328gです。
ストック底部、マガジンの先に可変ホップアップの調節ネジがあります。
美しいローレットが刻まれたボルトエンドがセフティになっています。ボルトエンドを押しながら12時の方向に回すとセフティが掛かり、ボルトも固定されます。コッキング時のみセフティが掛けられる仕組みです。
フロントサイトはガード付きの三角ポストです。
リアサイトはタンジェントサイトを装備しています。サイトを畳んだ状態でも照門があり、狙えるようになっています。サバゲーでの交戦距離ではタンジェントサイトを畳んだ状態で狙っても問題なさそうです。
ビンテージ処理が施されたリアルウッドのストックを標準装備しています。美しいだけでなく、手触りも最高です。
実銃同様、機関部左側のレバーでボルトを着脱することができます。
実銃の形状をよく再現されたボルトです。重量は309g、円筒部の直径は17.5mmで、ガスボルトアクションならではのリアルさと言えるでしょう。
実射テスト
実射テストは距離30、40mで行いました。BB弾は東京マルイのベアリングバイオBB0.2g弾と0.25g弾を使います。
ホップアップは素直で簡単にベストな弾道が出せました。ターゲットに向けて撃ってみたところ、驚くほどに真っ直ぐ弾が飛んでいきます!
30、40mでも、0.2g弾と0.25g弾でもアイアンサイトでボディサイズにビシビシ当たりました。
ガス式のボルトアクションなので、ボルト操作も軽く、素早く行えます。トリガーの感触も軽すぎず、重すぎず絶妙でいい感触です。ガスブローバックと違い、固定ガスガンと同様なモデルなので、パワーもあり、燃費もよさそうです。試射で100発は撃ったかと思いますが、トラブルもありません。はっきりいって、優秀といってよい高性能なエアソフトガンです。
総評
主要パーツはメタル製でリアルウッドストックが標準装備、使い込まれた実銃の金属肌を再現した絶妙なフィニッシュ、博物館に展示されていてもおかしくないほどの美しさです。そして、実銃同様のボルトアクションの操作感とメカニカルな金属音が堪りません。
また、それだけなく、ガスガンとは思えない、想像を遥かに超えた実射性能には感動すら覚えました。サバゲーでも存分に戦えます。その分、価格は高めですが、この完成度なら十分納得できるレベルにあると思います。
スペック
全長 | 990mm |
重量 | 3,090g (実測) |
銃身長 | -mm(インナーバレル長) |
装弾数 | 10発 |
価格 | 91,000円(税別) |
発売日 | 2019年6月 |
動力源 | リキッドチャージ式ガス |
初速 | 最高:96.62m/s 平均:93.31m/s 最低:92.27m/s ジュール:0.871J |
※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、屋外10発での測定、気温32.9度、湿度54%、XCORTECH X3200 Mk3にて測定。パーツリスト.PDF (1.35MB)
撮影協力:TANAKA WORKS、ビレッジ1
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