タナカ ガスガン S&W M36 チーフスペシャル 2インチ スチールフィニッシュ
秋風のせいか、久しぶりにリボルバー熱が高まった。というよりは店頭に飾られているチーフスペシャルの輝きにやられた、といったほうが良いかもしれない。ふらっと立ち寄った上野のガード下にあるガンショップ「マルゴー」のショーケースにひと際存在感を放っているリボルバーがあった。タナカのM36チーフスペシャル スチールフィニッシュだ。その瞬間私の物欲は留まることを知らず、本体、木グリ、スピードローダー、38口径のダミーカート、ついでにS&Wのハンドカフスまでまとめて買う始末。タナカ ガスガン S&W M36 チーフスペシャル 2インチ スチールフィニッシュ スペック & 弾速 | |||||||||||||||||||||||
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パーツリスト |
実銃のM36 チーフ(ス) スペシャルはS&W社が1950年に開発した.38口径 5発を装填するリボルバーだ。
半世紀以上も前の拳銃でありながら日本でも人気の高いモデルだ。
M36はS&Wのリボルバーのなかではもっとも小さい部類に入るJフレームというカテゴリ。
この小ささが隠し持つことを容易にしている。
タナカのM36は2001年から発売されており2008年の9月にスチールフィニッシュモデルが発売された。
最大の特徴はその名のとおりスチールフィニッシュというメッキ加工。艶のある漆黒で、まるで鋼鉄を黒染めして磨き上げたかのような質感と美しさだ。
すでにタナカの他モデルでスチールフィニッシュが発売されているが、このM36のコンパクトなリボルバーに施されると、まるで黒真珠でできた宝飾品のような凝縮された美しさが漂う。
右側面。サイドプレートは金属製で、トリガーレストする人差し指でフレームに触れるとヒンヤリとした感触を味わえる。
プラと金属の各パーツの仕上げも違和感はほとんど無い。
チーフのプラ製エアガンというと、とんでもなく軽いイメージがあるが、箱から取り出して手に取ってみると意外にもズシリとした感触がある。サイドプレートとシリンダーが金属製だからというのもあるだろう。
タナカのリボルバーはペガサスシステムという独自の機構によりそれまでのリボルバーガスガンのイメージを一新した革命的な機構といえる。
シリンダー内にガスをチャージし、BB弾もシリンダー前面に納めるこの機構は、従来のグリップ内にガスタンクを持つリボルバーに比べてハンマー、トリガーのメカニズムを実銃同様に再現することが可能となり、同時に射撃性能の安定性も向上した。
ハンマーの落ちた状態でサムピースを後方に引くとマニュアルセフティがかかり、ハンマーもトリガーもロックされる。
トリガーとハンマーは細身で繊細な雰囲気が漂う。
グリップを外すと実銃同様にコイルタイプのハンマースプリングがみえる。
ノーマルのグリップは下の写真のプラ製グリップが付いているが、そこはやはり木製グリップに取り替えるのが良いだろう。私はアルタモントのメダリオンチェッカータイプに変更した。木目の色と質感がスチールフィニッシュのボディに映える。
グリップは無加工で取り付けることができた。重量もわずかだがプラグリップよりも重くなる。
トリガーガード回りのパーティングラインも綺麗に消されている。
シリンダーをスイングアウトしてダミーのカードリッジリムからひとつだけGASと穴の開いた部分をガスバルブに合わせてガスをチャージする。
付属のロングノズルをガスボンベに装着してチャージをおこなう。
ホップアップは固定式。バレルを覗くと水平にせり出したホップアップラバーが見える。
ハンマーを起こすとチャキリという金属音と共にシリンダーが回転する。この感触がたまらない。回転もスムーズでシリンダーがズレるようなこともない。上から見るとこのリボルバーの薄さがよくわかる。ダブルアクションでもシングルアクションでも撃てる。
BB弾はシリンダーの前面から10発装填できる。付属のローダーを使ってもよいが10発程度ならば手で入れてもそれほど苦にならない。ぱちぱちとシリンダー内部に6発、残りのシリンダーホールに4発BB弾を押し込む。
ロッキング・プランジャーが接触するところはメッキの黒コーティングが剥がれてきている。
ノーマル実測での重量は349g。
木製グリップに取り替えたらやや重くなって366gとなった。軽く感じるがそのコンパクトなサイズからか持ってみると意外と重量感がある。
タナカのリボルバー3種との比較。
個人的感覚ではKフレームでもデカイ感じがするがNフレームなんか人が撃てる様な代物ではなさそう。じゃ、Xフレームは誰が撃つんだろう?
もし仮に私がアメリカに住むことになって、最初に護身用に銃を所持するならばM36系にするかな。
実射性能は正直いってわずか4cm程度のバレルではあまり期待していなかった。しかし実際に撃ってみると確かにパワーは低いが(といってもKフレームのM66と同等)、固定バレルの影響もあってか実に素直な弾道でBB弾が飛んでいく。バンッと勢いのある音を立てて、0.2gのBB弾で若干山なりではあるが安心感のあるホップアップ弾道を描く。室内4mの距離では8cmくらいには集弾する。このクラスでこの性能を引き出しているのであれば悪くはない。ただし、ごく稀に一晩くらい長時間放置したあとの最初の一発が以上にパワーが弱いことがあった。これはネットで調べると「ペガサス病」と呼ばれるパッキンの張り付きによる特有の症状らしい。
ゲームに使う銃というよりはコレクションする銃ではあるが、チーフ用のCQCホルスターがあったりするのでタクティカルベストに付けてみたら意外と渋いかも。しかしこのスチールフィニッシュの質感は実に良い。眺めているだけでもニンマリと満足できる一品だ。リボルバー好きならば是非手にして見てもらいたい。
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