タナカ ガスガン ブローニング ハイパワーM1935 カナディアン レビュー

タナカ ガスガン ブローニング ハイパワーM1935 カナディアン

実銃のブローニングハイパワーは近代銃器の礎を築いたアメリカの天才銃器設計家ジョン・M・ブローニングが1926年に設計したオートマチックピストル。彼の死後、その遺志を受け継ぎベルギーFN社が1935年に完成させた。
スチール製のスライド&フレームに、シングルアクション、ティルトバレルロッキング方式を組み合わせ、世界で初めて拳銃でダブルカラムマガジンを採用し9×19mmルガー弾を13発装填できる。その多弾数から「ハイパワー」の名が冠された。

その後、第二次世界大戦が始まりドイツがベルギーに侵攻、FNの工場もドイツ軍に接収されると、ハイパワーはドイツ軍の補助拳銃P620(b)として製造された。また、中国からの大量発注に対応するため、カナダのジョン・イングリス社でライセンス生産された、通称「カナディアン・モデル」が中国軍をはじめ、カナダ軍やイギリス軍にも採用された。

タナカ ガスガン ブローニング ハイパワーM1935 カナディアン スペック & 弾速
全長 195mm
全高 125mm
重量 550g
銃身長 120mm(インナーバレル)
装弾数 6mmBB弾 20+1発
定価 20,000円(税別)
発売日 1998年4月
最高 74.57m/s
平均 72.21m/s
最低 67.67m/s
ジュール 0.521J
※エクセルバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温27.0度、湿度39.0%

パーツリスト

パッケージデザインパッケージデザインはベージュのシンプルなもの。ハイパワー共通のパッケージでバリエーションはシール対応となっている。
パッケージ内容パッケージ内容は本体、マガジン、6角レンチ2本、取扱説明書とBB弾少々。
ブローニング ハイパワーM1935
タナカワークスのブローニングハイパワーは1998年4月に登場以来、WAのライセンス契約によるマグナブローバックエンジンを内蔵し、現在も販売されている息の長いモデルだ。
右側面にはカナダのジョン・イングリス社のひし形刻印が入っている。

ブローニング ハイパワーM1935 右側面小ぶりなエジェクションポート。
スラリと伸びたスライドに、黒染めの木目風グリップと、まるでクールモダン家具のような雰囲気を漂わす。
ブローニング ハイパワーM1935 左側面
左側面。スライドにはMK.I*と、BROWNING FN 9MM HP INGLIS CANADAと刻印がある。

フロントサイトフロントサイトは尖ったデルタタイプで、金属製の別パーツとなっている。
リアサイトリアサイトはシンプルな固定式で、いかにも実戦向きの軍用銃然としている。
タナカ製HPのバリエーションモデルとして、タンジェントサイトを装着したミリタリーモデルや、それ以外にもコマーシャルモデル、Mk.III、中華民国国有、さらに素材がHWのモデルや、シルバーモデル、スチールフィニッシュなど仕上げの違いなどの組み合わせがある。
ファイアリングピンのモールドハンマーを起こして後ろから見るとファイアリングピンのモールドがしっかりと再現されている。
ホールドオープン
ホールドオープン。ブローニングHPはスライドストップでホールドもできるし、マニュアルセフティでスライドをホールドすることもできる。射撃時、ごく稀に最後の1発がホールドオープンしないことがあった。

マニュアルセフティハンマーを起こしてマニュアルセフティをオンにできる「コック&ロック」が可能。
スライド刻印の後ろにあるノッチがスライドホールド用のもの。

メカニズムの関係かトリガーがとても重い。
ググっと力を入れないとシアが落ちない。これは実銃もそうらしいのだが...。
グリップグリップはダブルカラムマガジンを採用する割にはとても握りやすい。エッジも丸くなっており、テール部分のアーチも絶妙。

グリップパネルはプラ製ながら、黒染めの木目長になっている。

ブローニングHPはマガジンセフティという機能があり、マガジンを抜いた状態だとトリガーとシアのコネクトが外れてハンマーを落とすことができなくなる。タナカのハイパワーももちろんこの機能が再現されている。
グリップとランヤードリング軍用銃らしくランヤードリングを備える。

グリップ背面の溝はオプションのストックを装着するためのレール。
ただ、タナカはストックを発売していないので、マルシンから発売されているモデルガン用を使用するユーザーが多いようだ。
メイプルリーフの刻印グリップ全面にはカナダで生産されたことを示す、メイプルリーフのマークがある。うーん、なんか素敵。
マガジンマガジンは亜鉛ダイキャスト製で6mmBB弾を20発装填可能。

フォロアーは左サイド
マガジンフォロアーは側面についていて、スリットから除くBB弾がちゃんと交互にダブルカラムで入っているかどうか確認するのがちょっと面倒。
実測重量は577gマガジンを装着しての実測重量は577g。
ABS樹脂製なのでちょっと軽く感じる。バリエーションとしてヘビィウェイトモデルもある。

マガジン単体で279g
フィールドストリッピング
フィールドストッピング。ここまでの分解はとても簡単。

可変ホップアップ調節のネジチャンバー下に可変ホップアップ調節のネジがあり、付属の6角レンチで時計回りに回すとホップがかかっていく。

さて、総評だが実射性能はあまり期待してはいなかったが、平均初速も70m/sを超え、可変ホップということもあり、そこそこ伸びがあり良く飛ぶ。
ただ、やはりホップが強くかかったり、逆に弱めにかかるなどバラつきはある。装弾数は20発とこれもまずまずなので、ゲームのサイドアームとしても使用できるだろう。設計が古いモデルなのでマグナ内臓といってもリコイルは軽い。HWモデルならばもう少しドシッとした感触になるかもしれない。またトリガーの切れが重いことがちょっと気になった。

現代のオートマチックピストルに多くの影響を与えた傑作モデルだけに、ブローニングHPを好むプロフェッショナルは多く、一昔前のSASを演じるなら必須アイテム。軍用銃ながらスラリとした知的でエレガントな印象も持ち合わせる。なんといっても現役のガスブロでモデルアップしているのがタナカワークスしかないのだから、このスタイルが好きな方にはぜひコレクションしていただきたい。

2009/11/22

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