タナカ ワークス ガスガン S&W M13 3inch FBI special HW Ver.3
レポート:戸井源太郎
タナカが開発したケースレスのガスリボルバー、ペガサスシリーズにS&W M13 3inch FBI specialがVer.3にバージョンアップして約5年ぶりに帰ってきました。
ペガサスシステムはリボルバーなのにシリンダー数以上の装弾数があり、数少ないリボルバーのガスガンとしても精度、信頼性も高い、人気のシリーズです。Ver.3ではさらに本体剛性と気化効率の見直しで実射性能が向上したそうなので、早速、実射テストを含め、レビューしていきたいと思います。
S&W M13はミリタリー&ポリスの愛称で軍や警察で長らく使用されていたS&W M10を.38口径を.357マグナムも使用できるよう強化したモデルです。M10と同じくS&WのKフレームですが、バレルは肉厚のヘビーバージョンとなり、シリンダーも.357マグナム弾に合わせ延長されています。
そのS&W M13の3インチモデルがFBIに制式採用されたことから「FBIスペシャル」と呼ばれています。
手にした時にずっしりとくる重量感たっぷりのヘビーウェイトモデルです。
今回、ペガサスシステムを全体的に見直し、命中精度と信頼性と剛性を高めたVer.3としてリニューアルしました。
3インチバレルは.357マグナム弾のシリンダーの大きさが強調され、とても迫力あります。
また鋼のような鈍色のカラーは実用本位で、いかにも無骨で頼もしく感じます。
.38口径から.357マグナム弾に強化されたため、シリンダーがM10より延長されています。左面のサムピースの下にはS&Wの打刻によるロゴ、右面にはレーザーによるメーカー刻印が入っています。またフレーム素材はHWウェイト樹脂ですが、右面のパネルとシリンダーは金属製で、仕上げも以前のような単なる黒染めではなく、メッキを使用した美しい仕上がりとなっています。
ハンマーが落ちた状態から撃つ、ダブルアクション、ハンマーを起こして撃つシングルアクションどちらでも射撃が可能です。とにかくハンマー、トリガーの動きが非常に滑らかです。それでいて、カチッとロックされ、ガタつくこともありません。
無骨で頑丈なトリガーです。ダブルアクション時はかなりトリガーストロークが長いですが、作動が滑らかでトリガーはそれほど重くありません。 トリガープルを測定したところ、シングルアクションで821g、ダブルアクションで2.097gでした。
メーカーにお話を伺ったところ、Ver.3ではほとんどすべてのパーツに手を加えており、トリガー、ハンマー等のさらなる作動向上を行っているとのことでした。もはや熟成の極みだと思います。
S&Wのシルバーメダル付きのグリップはプラ製です。しっかり握れるようメタル製のグリップアダプターが標準装備されています。好みで木製グリップに交換するのも良いですね。タナカのペガサスシリーズはグリップ内にガスタンクの無い機構なので、実物グリップも取り付け可能です。
.357マグナム弾の衝撃に耐えられるよう、肉厚のバレルを完全再現しています。バレル左面には「SMITH & WESSON」、右面には「S.&W.357 MAGNUM」と刻印が彫られています。
フロントサイトはセレーション入りで幅は広めです。
リアサイトはフレーム上部を半円状に抉られた形状に合わせ低く設置されています。
サムピースを前に押し込むとシリンダーを左にスイングアウトできます。現代リボルバーの特徴的な姿で、ワクワクする光景です。またバレル側チェンバー内に固定ホップアップを搭載しています。
ちなみに以前のバージョンにあったサムピースを引いてのマニュアルセフティはここ最近のバージョンでは省かれており、作動の確実性が増し、また不意にロックが掛かってしまうようなことが無くなりました。
タナカのペガサスシリーズはシリンダー内にガスタンクがあります。ダミーながら金色のカートリッジのリムが6発並んでいるのがカッコいいですよね!
シリンダーを回して、「GAS」とあるカートの穴をガス注入口に合わせてガスを入れます。 ガスの注入の際には付属のノズルアダプターを使用すると入れやすいですね。
BB弾はシリンダーの前から入れます。矢印の部分のみ8発入り、その他のシリンダーには1発ずつ装填し、計13発の装弾数になります。付属のチューブタイプのBBローダーでも入れれますし、市販のBBローダーで装填することもできます。
実射テスト
実射テストはハンドガンということで今回は20mのみで行いました。BB弾は東京マルイのベアリングバイオBB弾0.2gと0.25gを使用しました。
0.2gと0.25gともに20mでボディサイズにはヒットできる精度がありました。ホップアップは少し弱めで最大射程は30m強で、有効射程距離は20m前後といったところでしょう。精度、固定ホップアップとの相性は0.25g弾がよいようです。
射撃していて、初弾の初速のみ極端に低くなるペガサス病も改善されているように感じました。
当日の気温が非常に高かったこと、ブローバックにエネルギーを割かれることもないため、初速は電動ガン並の平均85m/sもあることにも驚きました。後日室内で初速を測ったところ、29度で初速は平均71m/sでした。
リボルバーのガスガンということで愛用者は広いアウトドアフィールドより近距離のインドア戦で10m前後での使用される方がほとんどだと思います。試しに5mで射撃してみたところ、グルーピングは10cm以内に纏まりました。
さらにガスを満タンにして射撃したところ60発以上も撃てて、燃費もよかったです。もちろんテスト射撃時ではノントラブルで信頼性も問題ありませんでした。
総評
タナカが誇るペガサスシステムはシリンダーがガスタンク&マガジンになっており、ケースレスなので実銃より装弾数より多く撃てます。また、ガスガンとしての機能がシリンダーに集約されているため、トリガー、ハンマーの構造が非常に滑らかなのも魅力です。リボルバーながらサバイバルゲームやシューティングでも十分に使える命中精度と信頼性があります。
さらにこのM13 3inch FBI specialはVer.3となり、日々改良が加えられ、精度の向上に努めた最新モデルです。もちろんヘビーウェイト素材による重量感や質感、外観ともに完成度が高く、誰もが満足できるでしょう。
またタナカのペガサスシリーズにはモデル数も多く、ヘビーウェイトモデルをはじめ、各種フィニッシュモデルがあるのも選択の幅が広がって嬉しいところです。
80年代のアメリカンポリス、刑事映画のFBI捜査官になりきれるモデル、このリボルバーの魅力をみなさんに味わってもらいたいですね。
スペック
全長 | 202mm |
重量 | 690g |
銃身長 | -mm(インナーバレル長) |
装弾数 | 13発 |
価格 | 25,800円(税別) |
発売日 | 2019年8月 |
動力源 | リキッドチャージ式ガス |
初速 | 最高:86.33m/s 平均:85.60m/s 最低:84.80m/s ジュール:0.733J |
※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ固定、屋外10発での測定、気温36.2度、湿度45%、XCORTECH X3200 Mk3にて測定。パーツリスト.PDF (1.1MB)
撮影協力:TANAKA WORKS、ビレッジ1
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