東京マルイ ガスガン LCPⅡ
レポート:石井健夫
近年実銃界のトレンドになっているのが小型&薄型の.380口径オートマチック護身拳銃だ。これらの人気モデルをダブルアクションで連射できる固定スライドガスガンで、しかもサバイバルゲームやシューティングマッチにも立派に対応できる「18歳以上用」のパワーを有し、高性能HOP-UP搭載で0.20gBB 弾が20m以上フラットに飛ぶという夢のようなコンセプトを具現化し大ヒット商品となったのが東京マルイの「コンパクト・キャリー・ガスガン」シリーズだ。
その第3弾モデル「LCPⅡ」を詳しく見て行こう。
パッケージは先行モデルLCPやボディガード380と同寸&同仕様でサイズは「幅23.5cm×縦16cm×厚さ4.5cm」。ガンケースを模したような艶消しブラック基調の箱にL C PⅡの写真とロゴが渋く決まっている。
パッケージ内容は本体、マガジン、保護キャップ、BB弾少々、取説類で、レイアウトや雰囲気には先行モデルとの統一感がある。8,878円(税抜)のリーズナブル価格もシリーズ共通だ。
いわゆるグロック・タイプのトリガーセフティが付いて携帯時の安全性が向上。スライドやグリップのデザインも現代風にUPデートされ「タクティカル風味が増した」感がある。
やや角張って前面にセレーションも入ったトリガーガードはサポートハンドの指を掛ける構え方にも対応する。
小さく、薄く、軽量ながらもセルフディフェンスに充分な威力を有する.380ACP弾を確実に撃てる。そんなLCPのコンセプトは継承しつつ、携帯時の安全性や射撃時のコントロール性をより高めたモデルがLCPⅡだ。
LCP同様スライドを加工する際に削り残して成形したようなサイトだが、Ⅱでは背部に反射防止セレーションが入り、形状も見直されるなど狙い易さが大幅に向上している。
内部にガスガンとしての発射メカニズムを収納する都合上か、エジェクションポートが実銃よりかなり浅く=スライドの肉厚が薄く見えてしまっている以外は、エクストラクターやスライド上部のダブルロールピンなど、東京マルイの高いモールド造形技術が遺憾なく発揮されている。
直線で構成されたマズルビューが現代風。真鍮製インナーバレルは金色で目立つがLCPより若干奥まっており、アウターバレル内側のライフリング・モールドがクッキリ確認できる。
LCPⅡのグリップは後半分が幅広になっており、発射時の反動を受け易いデザインとなっている。また表面のテクスチャーはグッと現代風になった。グリップ側面とマガジンバンパー底部にはスタームルガーのそれっぽいロゴマークが入っているが、よく見ると東京マルイの頭文字「TM」だ。
LCP同様、東京マルイ製ガスガンではスライドキャッチにマニュアルセフティの機能がある。LCPⅡのスライドキャッチはLCPよりも大型化されているので操作がラクだ。
ちなみにセフティONの状態でもハーフコック位置まではトリガーが引けてしまい、チェンバーにBB弾が送られてしまうので注意。またマガジンがない状態でトリガーを引くとスカスカと空作動する「マガジンセフティ」の機能もある。
LCPⅡにはグロックのものと良く似たトリガーセフティが付いており、インサイドパンツ・ホルスター等で携帯する際の安全性が向上している。トリガーガードも前後に大型化されており、咄嗟に素早く抜いて撃つのがLCPより楽に感じる。なおトリガープルは2.5〜3kg程度でストロークも意外に短く、ほとんどの人がスムーズ♪ と感じると思う。
トリガーのすぐ上に見える丸い部分はテイクダウン(分解)ピンだが、これはモールド造形によるダミー。
マガジン本体はこのシリーズ共通。熱効率の良い亜鉛ダイカスト製で、薄いシングルスタックながらも1チャージのガスで30〜40発程度は撃てる。装弾数は10 発だ。マガジンベースのデザインや雰囲気が異なるもののLCPのマガジンと互換性がある。なおボディガード380のマガジンはLCPやLCPⅡに使えるが、LCP及びLCPⅡ用のマガジンはボディガードだとキャッチが掛からず使えない。
マガジンを入れた状態での本体重量は264g。サイズの割にはズッシリ重く、「じつに頼もしい」と感じる。マガジン単体重量は122.5gだ。
LCP(左)とLCPⅡの比較。
東京マルイ/コンパクトキャリーガスガン用ホルスター
小気味良いクリック感と共に銃を確実にホールドしながら、抜く時の感触はスムーズそのもの。左右兼用かつインサイド&アウトサイドの両方に対応し、さらにマグパウチを連結もしても分離してもOK…と、多種多様なスタイルで楽しめる。これがメイカー純正で用意されているのは嬉しい。
LCP用、BG.380用、LCPⅡ用、それぞれに専用ホルスターが用意され、このようなブリスターパックに入って販売されている。
価格:各4,378円(10%税込)、3,980円(10%税込)
様々な使い方を自在に楽しむための多様な連結パーツや、タクティカルベスト胸部等に取り付けるためのMOLLEアダプターも付属。まさに至れり尽くせりだ。
LCPⅡと専用ホルスター、そしてLCP&LCPⅡ用ロングマガジン。
LCPと専用ホルスター、そしてLCP&LCPⅡ用ロングマガジン。
コンパクトキャリーガスガン用ロングマガジンLCP&LCPⅡ用(左)、ボディガード380用(右)
価格:3,278円(10%税込)、2,980円(10%税込)。ベースアダプター前部がスライドし、下側のスリットからラクに給弾できる。
ボディガード380と専用ホルスター、そしてLボディガード用ロングマガジン。
LCP&LCPⅡ用ロングマガジンの単体重量は190g。LCPⅡに取り付けると330.5gになる。
ロングマガジンは装弾数を「10発→15発」に、またガス容量もノーマル比「140%」に増量してくれる上、グリッピングの助けにもなってくれる頼もしいオプションなのだ。このシリーズでゲームに参加する際には必ず備えておきたい。
東京マルイのLCP IIの動画解説。固定ホップながら、0.2g弾による20m~30mでの射撃性能は抜群だ。
米国スタームルガーのベストセラーコンパクトピストル第二弾
ルガーのLCPは護身用のコンパクトキャリーピストルとして米国でも売れた人気モデル。その第二弾がLCPIIというわけだ。変更点としてはトリガーにセーフティ機能が装備され、全体的に角ばった形状になった。LCPの流麗なデザインも素敵で、どちらにするか迷うところだ。マルイのガスガンの場合は、性能にはそれほど差はないので、スタイルの好みで選ぶのが良いだろう。
全長は13cmと手のひらに収まるほどにコンパクト。重量も265gとフルサイズのガスハンドガンに比べると1/3ほどしかない。とはいえ、チープな雰囲気はなく、剛性も高いし、コンパクトガンならではの塊感も味わえる。全幅も2cmほどと薄いので、とにかく携帯するのが楽。サバゲーのサイドアームにも最適だ。
スペック & 初速
全長 | 131mm |
重量 | 265g (空マガジン含む) |
銃身長 | 66mm(インナーバレル長) |
装弾数 | 10発 |
価格 | 8,778円(10%税込) 7,980円(税別) |
発売日 | 2022年3月4日 |
動力源 | リキッドチャージ式ガス ※動画の射撃テストではHFC134aを使用 |
初速 | 53.17m/s 0.283ジュール ※室温20度、湿度28%、ノンフロン・ガンパワー使用、0.2gBB弾による10発の平均弾速 |
協力:東京サバゲパーク
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