東京マルイ ガスガン SOCOM Mk23
固定スライドガスガンというカテゴリがある。
いまでこそオートマチックピストルはガスブローバックが当たり前だが、1993年頃まではハンドガンと言えば固定スライドガスガンという時代だった。
東京マルイも固定スライドガスガンシリーズをラインアップするが、なかでもおススメの知る人ぞ知るサバゲー玄人向きと噂の高いモデルがある。
普段はガスブロをサイドアームに使っていても、ハンドガン戦やセミオート戦でここぞという時にコッソリとこいつを取り出してブッシュの隙間から「ドフドフッ」と音もなくダブルタップを決め、あっという間にその場から立ち去るというまるでアサシンのごとき立ち回りをする狙撃手をフィールドで見かけることがある。その狙撃手はサバゲー歴の長いベテランだったりすることが多い。
そんなプロフェッショナル達に愛されるスニーキングミッション御用達のガスハンドガンが今回紹介する東京マルイのガスガン、SOCOM Mk23だ。
東京マルイ ガスガン SOCOM Mk23 スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||
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パーツリスト |
実銃のSOCOM Mk23は合衆国特殊部隊統合軍が開発した強襲攻撃用ハンドガンで、様々な銃器メーカーからのトライアルの末、ドイツH&K社のMk23に決定された。東京マルイはこのMk23の初期のプロトタイプをモデルアップ。このプロトタイプは海軍特殊部隊のネイビーシールズにて試験運用されたとも言われている。それでは東京マルイのMk23をみていこう。
パッケージはハードコンテナのガンケースになっている豪華仕様。このケースに紙のパッケージが覆っている。裏面にはMk23の各部特徴が解説されている。パッケージサイズは約35cm×26cm×8cm。
パッケージ内容は本体、本体に装着されたL.A.M.(ライト・アタッチメント・モジュール)、マガジン、サイレンサー、保護キャップ、クリーニングロッド、取説とBB弾少々。
上蓋のスポンジ裏に取説が入っている。
サイレンサー、L.A.M.のフル装着時。スタイルがゴツくなり強烈なインパクト。キュキュッとサイレンサーを取り付ける仕草もシビれるものがある。
L.A.M.もサイレンサーも取り外してソリッドな状態のMk23。
リアサイト、フロントサイトはプラ製のスライド一体式。L.A.M.はトリガーガード前面にネジで固定されており、矢印のダイヤルを回すことで前方へスライドして取り外すことができる。
サイレンサー装着のため、アウターバレルは延長され、先端外周にはネジが切ってある。ネジ径は電動ガンなどで採用されるM14逆ネジではなく、M16正ネジ仕様となる。付属のサイレンサー以外にも、タクティカルサイレンサーも装着可能だ。
アウターバレルは亜鉛ダイキャスト製で強固な作り。マズル部分はポリゴナルライフリングも再現している。
Mk23のセフティレバーは二つある。ひとつはスライドストップレバーを押し上げるとトリガーがロックされる。もう一つはアンビタイプのサムセフティでハンマーコック時にロックできるようになっている。なおデコックレバーは無可動のダミー。
グリップは.45口径ダブルカラムのマガジンサイズで大きめなので、手の小さいユーザーには扱いづらく感じるかもしれないが、グリップ前後にチェッカリングが施され、グリップ力は高い。
グリップ底部にはランヤードリングもある。
トリガーストロークは長く、プルは少々重めだが引っ掛かりなどはなくスムーズに引ける。
L.A.M.(ライト・アタッチメント・モジュール)にはLEDが内蔵され単4電池3本で光る。
ただ、このライトはたいして明るくはなく、例えるならばキーホルダーライト程度の明るさ。手元のマップを照らすほどの照度しかない。上の赤いパイロットランプは正面から見て右側のみ点灯する。
L.A.M.底部の蓋を開け、単4電池を3本セット。ダイヤル型の主電源をONにすれば点灯準備完了。
トリガーガード下にある点灯スイッチを右へ押せばテンポラリのフラッシュとして、右にロックすればライトが点灯する仕組み。
マウントレール下面にはシリアルナンバープレートがある。
このアンダーマウントレールはロックする横溝のないタイプで、レール幅も最新モデルに採用されるピカティニーとは異なる規格となる。
亜鉛ダイキャスト製のマガジンは6mmBB弾を28発装填できる。サバゲー使用前提としても十分なキャパシティ。
マガジン単体の重量は368g。
スライドを後退させ、切り欠きに合わせてスライドストップを抜けば通常分解することができる。可変ホップアップの調節ダイヤルはチャンバー下。
構造的にインナーバレルはアウターごとフレーム側に固定されており、トリガーをダブルアクションで引くかハンマーをコックすると、ブリーチ部分のノズルがマガジンからBB弾を1発チャンバーに押し込む構造になっている。そのため装弾数は最大28+1発ということになる。
スライドはこれくらい引くことができ、この操作でハンマーを起こすことができる。せっかくなのでホップアップの調節ダイヤルもチャンバー付近に設けてもらいたかった。
本体+マガジンの実測重量は796g、サイレンサーと電池入りのL.A.M.を装着すると1,005g、サイレンサー単体では95g、電池入りL.A.M.単体では114g。ハンドガン単体としては標準的な重量だが、大柄なボディからか持ってみると比較的軽く感じる。
東京マルイのガスブロ、HK45と比較してもMk23は大きいのがわかる。これでも実銃は同じマンストッピングパワーに優れた.45口径を使用する。
実射性能はなんといっても固定スライドガスガンだけあって、発射音がボムッと独特のサウンド。サイレンサーを取り付ければさらに射撃音が「ドフッ」と小さくなり、森の中で15mほど離れたら聞こえないんじゃないかというくらい。
可変ホップ搭載で様々な重量のBB弾に対応し、固定バレルのおかげで弾道性能もすこぶる高い。ダブルアクションで撃つとトリガーストロークの長さとプルの重さでややブレやすいが慣れればある程度クリアできるレベル。
また、初速は86m/s前後とハンドガンとしてはかなり威力は高めにセッティングされており、有効射程距離でも長物電動ガンと対等に戦える。
これはもう隠密行動を主とするアタッカーに最適。ブッシュに身を潜めつつ狙撃したり、またハイパワーでありながらコンパクトさを生かして機動力で勝負したりとマルチに活躍できる性能を秘めている。
ガスのパワーを発射だけに利用しているので燃費やマガジンの冷えに対してもガスブロより良さそうだ。
実際にサバゲーで使用してみた感想を。ハンドガン戦で使用したので、ガスブロハンドガンに比べて有効射程が長くその分有利。ただ長いトリガーストロークにより素早い連射は苦手。連射についてはガスブロのようにはいかない。また弾がなくなった際でもトリガーを引けてしまうので、夢中になっていると弾切れに気づかない可能性もある。弾切れでトリガーが引けなくなる機能が欲しかった。
このSOCOM Mk23の素性の良さを生かしてカービン化カスタムを施すゲーマーもいる。これはRONIのピストルカービンキットに独自に組み込んだカスタム例。このオーナーはスコープとサイレンサーを取り付けて消音型のスナイパーカービンとして使用していた。
こちらは大型のライフルスコープとバーティカルフォアグリップを装着し、大型サイレンサーにはバーラップロールを巻いてカモフラージュ。スライドにも迷彩塗装を施している。
このMk23のオーナー。ギリーハットを被ってプローンし、正面からだけではなく、背後からの敵にも気づかれず、音もなく数名の敵を倒すという、すさまじいバトルの瞬間を目撃した。
高い弾道性能と静穏性、電動ガンにも負けないパワー、コンパクト&軽量の使いやすさ、フルサイズマガジン、可変ホップ搭載、そしてサイレンサーやL.A.M.といった付属品がセットになって15,800円(税別)とコストパフォーマンスは非常に高い。サバイバルゲームやコレクションにも最適なおススメの1丁である。
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