KSC ガスガン HK45
実銃のHK45はドイツ、H&K社の開発した.45ACP弾を使用する大型自動拳銃で、1993年開発のUSPシリーズの後継となるべく開発された新世代のポリマーフレームオートだ。.45ACPと言うこともあり、米国市場を大きく意識したモデルと言える。USPから派生したSOCOM MARK23やP2000、
P30などを経て、2006年にHK45は完成、現在ではコンパクトモデルのHK45C、サイレンサー装着可能なバレルを装備したHK45Tなどのバリエーションがある。
グアムの野外射撃場GOSRとワールドガンでの実射映像をまとめてみた。ガバメントなどに較べると.45口径にしてはとても撃ちやすい。
KSC HK45 ガスガン スペック & 弾速データ |
全長 |
204mm |
重量 |
845g |
装弾数 |
6mmBB弾
29+1発 |
定価 |
19,500円(税別) |
発売日 |
2012年3月24日 |
|
最高 |
75.23m/s |
平均 |
73.98m/s |
最低 |
73.18m/s |
ジュール |
0.547J |
※G&G Natural 90% バイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温22.2度、湿度39.0%
パーツリスト1 パーツリスト2 |
KSCのHK45は2011年7月の
JASGトイガンフェスタ2011にて発表されたモデル。
東京マルイも
2009年10月のホビーショーでモックアップを展示しているが、今回KSCが先に発売した結果となった。
スタイルはゴツゴツとしたドイツの軍用銃らしい無骨さがある。最近のHKのピストルらしく、マガジンキャッチはトリガーガード根元にアンビレバーとして装備される。最新のポリマーフレームオートの必須機能でもあるアンダーマウントレールも装備する。
右側面。チャンバーにはHk .45 Autoの刻印。エキストラクター、ハンマーなどはコンベンショナルなスタイル。
右側面にもスライドストップレバーがあり、両側から操作できる。トリガーガード内側の複雑な形状再現が渋い。
ホールドオープン。ティルトバレルロッキングの構造を再現しアウターバレルが上を向いてホールド。
バレル先端部のグリーンのバレルリングも再現。実銃ではバレルとスライドのクリアランスを適度に保ちつつもバレルブレを防ぎ、命中精度を上げるための効果がある。
新型の可変ホップアップを搭載。
調整は従来同様付属のホップアジャスターを使用してチャンバー外周のダイヤルを回して行う。
10発の.45ACPをダブルカラムで装弾するグリップとは思えないほどに握り心地が良い。
フィンガーチャンネルや大型のマガジンバンパーも上手く手にフィットし、滑り止めのシボ加工がしっとりと手になじむ。
こちらは実銃HK45のグリップ。
グリップ形状は同様だが、シボのパターンが鱗状で、KSCとは異なる加工が施されている。
グリップのバックストラップは交換可能。
バックストラップピンをポンチなどで抜いて下方にスライドさせれば取り外し可能。
初期状態ではSサイズのバックストラップが装着される。交換用のMサイズのバックストラップが同梱する。
もちろん底部にはランヤードリングもある。
安全装置のひとつであるロックアウトディバイスも再現。
付属のツールをグリップ内部の穴に差し込み、90度回転させればトリガーとハンマーがロックされる仕組み。
ハンマーメカニズムも実銃同様に再現。ハンマーがコックされた状態で左側面のコントロールレバーを下方へ引くとハンマーが安全にハーフコックポジションまでデコックされる。またレバーを上げればマニュアルセフティがオンとなり、ハンマーを起こしたり、トリガーを引くことが出来なくなる。
リアサイト周り。ノバックスタイルのタクティカルサイトを装備。ホワイトドットが入る。右は実銃の同アングルの写真。ホワイトドットは薄い緑色で蛍光塗料の様な色。ファイアリングピンも実銃とは形状が異なるものの再現されている。
また、KSCならではの機能として、マガジンを装填してもスライドを引かなければ発射することができない、リアルライヴ オペレーションも従来モデル同様に搭載している。
フロントサイトはプラ製。こちらもリアサイト同様にホワイトドットが入る。細かいことだが、ドブテイル形状がやや実銃とはことなり、深溝が再現されていない。
KSC HK45の最大の泣き所、スライドストップの溝部分はストッパーとダイレクトに噛み合うところであるにもかかわらず、強度が弱い。プラ製のスライド側のエッジがすぐに変形してくる。何とかして欲しいところ。
しかもこのスライドストップ、後述するが撃ち終えた後にまったく機能しない。
アンダーマウントレールに
SUREFIREのX300ウエポンライトを装着。装着したタイト感も実銃通り。このあたりのサイズはドンピシャと感じた。
マガジンは亜鉛ダイキャスト製で、6mm BB弾を29発装填できる。大容量なのでゲームに使うにも十分だ。
形状も実銃のプレス製マガジンをうまく模しており、背面の噛み合わせのモールドなどはさすがKSCといったところ。
マガジンパンパーはプラ製で、ガスチャージはマガジン底面から行う。
通常分解(フィールドストリッピング)。スライドストップを切り欠きに合わせて抜けばスライドアッシーが前方へ引き抜ける。
チャンバーパッキンのホップアップ部分はVパッキンを採用。
このV字でBB弾を真っ直ぐに保持して縦回転を掛ける。
実測重量は853g。
重量感は結構ある。重量バランスも良い感じ。
実銃のHK45。こうやって較べてみる限り、形状に関してはかなり正確に作られていることがわかる。
実銃にも自分が所有するX300を装着した。ハンマーやスライドストップの燒結金属特有の赤茶色がエッジに現れている。KSCのHK45もこの燒結金属を再現した色味がプロトタイプで見られたが、製品版では仕上げの都合かこの色味は見られなくなった。
さて、話をKSCのHK45に戻して、実射。
KSCのガスブロユニット、システム7搭載だけあって、リコイルはかなり強い。
室温22度で撃ち比べてみたが、
東京マルイのXD45と甲乙付けがたいリコイル感。KSCのHK45のほうが僅かに軽い印象だが、その分ややスライドスピードが速く感じる。
いやぁ、この味付けは良い!! マガジンが大きいこともあり初速の安定感もあるし、冷えにも強い方だ。作動もスムーズでジャムなどはなかった。
可変ホップアップでビシーッとBB弾が一直線に飛んでいく。命中精度もかなり良い! マルイのガスブロと遜色ないどころか、凌駕しそうな勢いだ。
最近のKSCはシステム7のガスブロユニットや、可変ホップアップの改良など、かなり性能が向上している。
ただし、このHK45、最終弾を撃ち終えてもマガジンキャッチが掛からない。いくら撃ってもスライドがホールドオープンしないので、スライドストップを手で押し上げつつ撃つとキーンという素晴らしく気持ちよい金属音とともにホールドオープンする。
スライド後退量が足りないのだろうか? 空マガジン装着時に手でスライド操作してもストップはしっかり掛かるので、切り欠きを削ってみようかな。
スライドストップの不完全動作と切り欠きの強度以外は、満点といえる出来映えなので、まったくもってこの点が残念でならない。とにかくそれ以外はベストな仕上がりなので、ゲームでもマッチでもかなり使えるガスブロと言える。
なんといってもKSCならではのリアルな雰囲気は他社製品にはない魅力。オススメの一丁だ。
2012/04/15
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