G&G 電動ガン M1 ガーランド

G&G 電動ガン M1 ガーランド

レポート:戸井源太郎

高い精度で人気のBB弾シリーズや、光るターゲットM.E.Tで日本でも有名な台湾のエアソフトガンメーカー、G&GからM1 ガーランドの電動ガンが発売されました。

現在、日本ではM4カービンやAKなどの現用銃器に比べ、第2次世界大戦時の銃器類はお世辞にも多いとはいえない状況です。
もし日本のトイガンメーカーがこれらを製造するとなると採算ライン割れを起こすか、非常に高価になってしまいます。しかし、海外メーカーは世界市場に積極的に参入しており、特に欧米ではヒストリカルゲームイベントも多く、第2次世界大戦時の銃器は人気があり需要もあることから、日本メーカーではモデルアップしていないマイナーなエアソフトガンが数多く存在しています。

G&GのM1 GARAND
今回紹介するG&GのM1 ガーランドは電動ガンで、実銃と同様セミオートオンリーとなっています。
実銃は8発のクリップ式ですが、この電動ガンは20発のマガジン式となっています。
機関部やアウターバレルなどはすべてメタル製、ストックなどはすべてリアルウッドと非常に重厚感があり美しく仕上がっています。

M1ガーランド
M1ガーランドは、第2次世界大戦開戦前の1936年に米陸軍が世界に先駆けて唯一制式化していたセミオートマッチクライフルです。
米陸軍の正式名称は「US Rifle Cal. .30」であり、ガーランドというのは、この銃の設計者であるジョン・ガーランドの名前から来たいわば愛称です。

.30-06スプリングフィールド弾
開発・製造はスプリングフィールド造兵廠で、.30-06スプリングフィールド弾を使用します。


そしてガーランドの特徴といえば、最後の1発を射撃後にクリップが「キーンッ」と自動排出される機構が有名ですよね。ハイパー道楽のグアム実弾射撃でもその仕組みを動画で観ることができます。


そして2015年3月18日にBD/DVD化される本格的WW2戦争映画の『フューリー』でも、当時の様々な米軍銃器の一つとして登場しています。


G&G 電動ガン M1 ガーランド スペック & 弾速データ
全長 950mm
重量 4,100g
銃身長 510mm(インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 20発
定価 78,000円(税別)
発売日 2014年
最高 88.93m/s
平均 87.43m/s
最低 86.89m/s
ジュール 0.76J
※東京マルイ ベアリングBB弾 0.2g使用、ホップアップ強、10発での測定、気温約20度
パーツリスト

アウターバレル
アウターバレルはアルミ製で、重厚なバレル周りになっています。フロントサイトはガード付きで、別パーツとなっています。

ストックはリアルウッド製
優美なラインのストックはリアルウッド製です。特殊なコーティングが施されているのか、見た目、手触りはプラ製のような印象を受けました。

バッテリー バッテリーはストックエンドのツールケース部分に収納します。挿入口の大きさは約2×4cm、奥行きは20cm以上ありますので、スティックタイプ、ミニタイプのリポ系なら使用可能です。

リアサイト
リアサイトは上下左右調節可能。調整ダイヤルはロック付きで、プルアップしてから調節します。
刻印は実銃刻印風とG&G刻印の混在となっています。

HOPダイヤル
コッキングハンドルを引くと可変ホップアップの調節ダイヤルが現れます。しかしM1903もそうでしたが、ホップダイヤルが非常に固いのです。海外製品問題としては個体の当たり外れが多いことです。おそらくパーツの検品、バリ取り不足などちょっとしたことなのではないかと考えられます。

トリガーガード セフティ
トリガーガード前部にある穴の開いた板状のレバーがセフティです。セフティの解除がトリガーを引く人差し指(トリガーフィンガー)で解除できます。

マガジン方式 このM1 ガーランドは、マガジン方式となっています。トリガーの前、機関部底部がマガジンになります。
マガジンキャッチ 実銃ではボルトリリースボタンにあたる箇所がマガジンキャッチになっています。

チェンバー
チェンバーはマガジン挿入口より前方に位置しており、マガジン挿入も前半分から刺し込むように挿入します。

マガジン
マガジンは独特なブロック形状。大きさの割に装弾数20発と少なめです。しかも複雑な形状のため、スプリングとマガジンフォロアーが引っかかってBB弾が上がってこないことが多々ありました。これもフォロアーのバリ処理が不十分だったのが原因でした。

通常分解の手順通常分解の手順になります。バレルの先端部分は別パーツのスリーブになっており、アウターバレルにさらに被せて、ここでハンドガードを固定しています。まず、バレル下のガスチューブ先端の大きな十字のネジを外します。
マズル先端のブロックが外せます十字のネジを外すとマズル先端のブロックが外せます。どちらも正ネジになっています。

リアルウッドのハンドガードが取り外せます
マズルブロックを外すせば、バレル先端部がスルスルと抜き出すことができます。同じように上部のリアルウッドのハンドガードが取り外せます。

トリガーガードを外します。
マガジンを抜いてから、トリガーガードを外します。トリガーガードはネジなどで固定されていませんので、引っ張るだけでロックが外せます。

トリガーブロックが外せますロックが外れたらそのままトリガーブロックが外せます。これは実銃と同じ構造なので嬉しいですね。

機関部とストックを分離
後はバレルのほうから引き上げるような感じで、機関部とストックを分離します。

メカボックス
メカボックスは東京マルイのM14とは違います。外観は至ってシンプルですし、トリガーブロックが分離可能ということもポイントが高いです。

トリガーブロックと結合
このようにトリガーブロックと結合します。矢印の箇所がトリガーバーになります。東京マルイのVer.7メカボックスはトリガーも一体化してあり、配線が露出していたりと、ゴテゴテしておりましたが、こちらは非常にスッキリしていてメンテナンスやカスタムもしやすそうです。

野外での実射テスト
早速、野外での実射テストを行いました。しかし0.2gBB弾で撃つと鬼ホップでした。25m過ぎくらいからほぼ垂直に急上昇という印象。実はこれホップを最弱にしてこのような状態。これでは話しになりません!
急遽0.25gBB弾で試射を行いました。0.25gBB弾でもHOP最弱にしても、まだ少し浮き上がる感じがします。
浮き上がるまでの弾筋はよく纏まっており、HOPが適正なら30~40mでもボディにはヒットできるポテンシャルは有していそうです。

電動ガンとしての基本性能、つまり弾筋がよいだけにちょっと惜しいですね。
やはり海外製なので、日本のパワー基準ではなく、初速がより高く重いBB弾を使用する海外基準をベースに製造されているのでしょうか。とりあえず、初速だけ日本の法規制に対応するように初速だけ落としただけという印象を受けました。



ご自分でカスタムができる方、ショップなどでHOPパッキンなどの調整が可能なら、撃っても楽しめる電動ガンとなる可能性は充分にあります。ただし、本体は約4.1kgとかなり実銃に近い重量があります。リアルウエイトは嬉しいことなのですが、動画用に立射で1マガジン20発をゆっくり撃ちましたが、それだけで、腕が攣りそうになりました(笑)。

スタンダードの電動ガン
このM1 ガーランドはスタンダードの電動ガンなので、ブローバックするわけでもなく、リコイルもありません。もちろんガーランドの一番の魅力である最終弾撃った後のクリップも飛びません。外観は、実銃と間違えそうなくらい良くできているので、さらに贅沢をいわせていただくと、なにかガーランドらしいアクションがあればさらに素晴らしいかと思います。
また装弾数20発でセミオートオンリーというのは、サバゲ用としては少々物足りない気もします。取り説をみると装弾数200発モデルも検討していたようですが発売予定はないようです。

フルメタルで完全再現
総論としましてはM1 ガーランドの重厚なボルト周りをフルメタルで完全再現しており、ストックもリアルウッドで、その完成度はかなり高いと思います。
同じく台湾メーカーのICS製のM1ガーランドと悩むところですが、ヒストリカルゲーム用に今まで使用できるエアソフトガンがあまりなかったために重宝しそうです。

電動ガンとしてのポテンシャルは高そうですが、各パーツの処理などはツメが甘いと感じました。よく出来ているだけに非常に惜しいです。 定価78,000円(税別)は結構高くて驚きましたが、市場流通の最安値で45,000円から~という価格帯なら妥当かと思います。
第2次世界大戦装備好きな一部の人には、待ち望んでいた1挺ではないでしょうか。

協力:中田商店、サムズミリタリ屋、ビレッジ2

2015/02/19


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