S&T 電動ガン M3A1 グリースガン
日本でも大活躍のグリースガン
実銃のM3A1はアメリカ軍が1942年に制式採用したサブマシンガンで、低コスト製造を目的としてトンプソンの後継モデルとして開発された。口径は.45ACP、ストレートブローバック方式、本体はプレス成型で溶接を多用し、製造は自動車メーカーのゼネラルモータースにて行われた。
その独特な形状からオイルを注入する”グリースガン”、クリームを押し出す”ケーキデコレーダー”といった異名を持つ。M3A1は初期型のM3からコッキングレバーを廃止するなどさらなる簡略化がなされたモデル。
第二次世界大戦をはじめ、大戦後もベトナム戦争で南ベトナム軍が使用したり、戦後、陸上自衛隊に11.4mm短機関銃M3A1として米軍より供与され、主に機甲科の戦車搭乗員用自衛火器として現在も一部が現役で使われているという。
M3A1は角川映画にもよく登場する。映画「セーラー服と機関銃」で薬師丸ひろ子が、「戦国自衛隊」では千葉真一がバリバリと撃ちまくる姿が印象的。まさに"カイカン!"なサブマシンガンと言えよう。
S&T 電動ガン M3A1 グリースガン スペック | |||||||||||
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スチールプレス製のタフなボディ
そんな我が国にも馴染みの深い(?)M3A1サブマシンガンが香港のS&Tアーマメントから電動ガンとしてモデルアップ。国産エアガンにはないファン待望のモデルだ。
これまでもM3サブマシンガンは海外メーカーのARESやICSから発売されていたが、バッテリーの収納場所がマガジン内やレシーバー内だったのに対してS&Tはグリップ内に付属の800mAhの小型ニッケル水素バッテリーを収納する。
本当にグリスが出てきそうなレシーバーとバレル形状。M3A1ではレシーバー右側面のコッキングレバーが省略された。アウターバレルはアルミ製。
面白い機能としてエジェクションポートカバーを閉めるとセフティが働きトリガーを引いてもメカボックスが作動しない。カバーを開けるとセフティが解除される仕組み。
操作しやすいマガジンキャッチやスリングフックなどの機能性も兼ね備えるのはさすが合理的な米国製サブマシンガンといったところか。
レシーバー一体式のグリップ。日本人には少々大きく感じるかも。底部の蓋を開け、グリップ内に付属のバッテリーを収納する。
実銃同様の伸縮可能なワイヤーストック。ボディの溶接加工痕もリアルだ。
ダミーボルトを指で引くと可変ホップアップの調節レバーにアクセスできる。
その無骨でいかにもサブマシンガン然としたボディは実銃同様にスチールプレス製。コンパクトなボディながらズシリとした重量感があり、剛性感も高くタフな印象だ。実銃同様にフルオートのみの射撃となる。
メカボックスにはギア軸受に8mmベアリングが使用されるなど最新仕様。マガジンは520連のゼンマイ巻上げ式多弾マガジンが付属。パッケージには簡易充電器やスリングも付属している。
付属のバッテリーで撃ってみると回転数が約730rpmと電動ガンとしては平均的だが実銃の450rpmと比べるとずいぶん速い。初速は個体差かもしれないが、60m/s前後と低めだった。弾道性能もまあそこそこではあるが、国産メーカーにはないモデルなのでコスプレやコレクションには良いかも。
世界のミリタリー・トイガン・カタログ2013~2014 (Gakken Mook)
※本レビューはGakken Mookに掲載されたものを再編集して掲載しています。
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