エアガンレビュー:東京マルイ 電動ガン UZI サブマシンガン

東京マルイ 電動ガン UZI サブマシンガン 【エアガン レビュー】

UZI(ウージー) サブマシンガンはエアガンとして過去何度かさまざまなメーカーからモデルアップされている。JACガスガン、マルシンの電動ガンもあった。東京マルイの電動ガンUZIはこれらの後発として1998年10月に発売された。もうかれこれ10年近く前の商品だが、メンバーのsugiが所有していたのでレビューすることにした。

実銃のUZIはイスラエル・ミリタリー・インダストリーズ(IMI、現IWI)が製造する9mm×19拳銃弾を使用するサブマシンガンだ。イスラエルは1948年にユダヤ民族の国として中東パレスチナの地にアメリカやイギリスの後ろ楯によって建国された。この建国が結構強引だったようで、もともと住んでいたパレスチナ人は難民となって追い出されてしまった。これを周囲のアラブ諸国は快く思うわけも無く、その後、幾度も中東戦争が繰り返されることになる。そんな小競り合いが続く中で寄せ集めの海外兵器ではなく、自国での兵器開発をイスラエルは急いだ。
開発者のウジール・ゲイル少佐に因んで命名されたUZIはオープンボルト方式のサブマシンガンとして1951年に完成。その後数々の戦闘で使用され、バトル・プルーフされたサブマシンガンとして諸外国からも評価が高く、多くが輸出された。また、ベルギーFN社やアメリカのアクション・アームズ社など多くの銃器メーカーでライセンス生産されている。

UZIと言えば映画「ターミネーター 」(84年)でシュワルツネッガーが銃砲店でオーダーし、ワンハンドでフルオート射撃するシーンや、1981年3月に起きたレーガン大統領暗殺未遂事件でもシークレット・サービスがスーツの下から取り出して防御するシーンとか思い出す。それ以外にも多くの映画に登場している。

東京マルイ UZI SMG 電動ガンスペック
全長 455mm/655mm
重量 2,070g(バッテリー含む)
銃身長 244mm(インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 40発
定価 25,800円(税別)
発売日 1998年10月22日
メカBOX Ver.5 / EG1000R
バッテリー AK
東京マルイ UZI SMG 弾速データ
最高 73.35m/s
平均 72.98m/s
最低 72.69m/s
ジュール 0.533J
※SIIS ECOBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、5発での測定、気温22度

パーツリスト

東京マルイのUZIはバージョン5というメカボックスを使用している。メカボックスはモーターを最後部に配置し、ギア部、チャンバー部、シリンダーユニットが直列に並んだレイアウトとなっている。
そのため、ピストンをインナーバレルが貫通し、従来の電動ガンよりもデリケートな構造で、分解はご法度。他に比べて初速も結構低め。

射撃時にピストンが後方に押し出されるため、わずかであるがリコイルを生んでいる。ワンハンドで撃つと振動がきて面白い。

東京マルイは無可動実銃から採寸・設計したと言うだけあって、各部のディティールは実銃のスタイルをリアルに再現している。

モーターはハイトルクなEG1000だが、逆回転仕様のEG1000Rを内蔵している。


ストック折りたたみ時の全長がわずか455mmとコンパクトサイズ。
レシーバー右側面。
可動しないプラ製ダミーのボルトだが、モールドの深さや質感などはリアルだ。
レシーバー左側面。
セレクタースイッチ、スイベルリングがある。

レシーバーカバーがフロントサイト前で絞られるデザイン。直線と曲面で絶妙に成型されたハンドガード。このフロントフェイスがカッコイイ。UZIの魅力のひとつだ。
ハンドガード下面にはサブマシンガンとしては珍しく、実銃と同様バヨネットラグがあるが、UZIに銃剣は似合わないと思う。

ハンドガード内にヒューズがある。


付属の保護キャップ。
バレルリティニングナットは取り外すことが出来るが、いまどきの電動ガンとは違いM14逆ネジ仕様ではない。


フロントサイトは付属のアジャストツールで上下に調整が可能。


リアサイトはL型ピープ式で100mの近距離用と200mの遠距離用に切り替えられるが、電動ガンなので、常時100mにセットしておけばよいだろう。
セレクターはグリップ根元のスイッチをスライドさせる。Sはセフティ、Rはセミオート、Aはフルオートポジションだ。

トリガーは細身。トリガーガードはプラ製。
グリップ後部にはグリップセフティが実銃同様についており、握りこんでこれが押し込まれるまでトリガーがロックされている。

グリップ下部左面にはマガジンキャッチがある。

グリップは丸みがあり、握り心地は良い。9mmパラのダブルカラムマガジンなので、手の小さい人でも違和感はないだろう。
レシーバーカバーは重量感のある亜鉛ダイキャスト製。実銃はスチールプレス製だが、プレスの丸みをうまく再現している。
コッキングノブは引くことが出来るが特にボルトと連動するわけではないダミーだ。
このコッキングノブのベースはスチールプレスとなっていて、ノブを引いて放すとレシーバーカバーと当たってスチャッと良い金属音がする。
リアサイト前のカバーキャッチを押すとレシーバーカバーが取り外せる。

この中にAKバッテリーを接続できる。
社外品のニッケル水素バッテリーも装着可能だ。
ホップアップ調整はレシーバーカバーを開けて、ボルトの前辺りにスライド式のレバーがある。スライドが硬いがゲーム中に狂うことも無く、調整もやりやすい。
レシーバー後端にはモーターのギア噛み合い調節用のイモネジがある。
このレシーバー後端は折り畳み式のストック基部でもあるが、亜鉛ダイキャスト製で丈夫なつくりとなっている。
折り畳み式のリトラクタブルストックは実銃同様、頑丈なスチールプレス製で耐久性は抜群。写真のように伸ばす。
カチリとストックが伸びる。構造上わずかにガタツキがあるが、UZIの味わいのひとつだとも思える。
矢印のストックリリースボタンを押すとストックフロントアームのロックが外れる。
ストックリアアームのロックは両アームを内側に押し込めばロックが外れる。
矢印のフレームロックピンの爪を押し込むと反対側からロックピンを引き抜くことが出来る。
フレームロックピンを引き抜くと、グリップフレームが下方に取り外せる。
グリップフレームを取り外した状態。
セレクタープレートとセレクターレバーは固定されていないので、逆さにすると落ちてしまう。紛失に注意。
メカボックスには改造防止シールが貼ってある。メカボックスは従来の亜鉛ダイキャスト製ではなくエンジニアリングプラスチックを使用している。
しかし、この細長いレシーバーによくフルサイズの電動メカボックスを収めたものだと感心する。
マガジンはスチールプレス製のリアルなもの。写真はオプションの200連多弾数マガジンだが、ノーマルマガジンは6mmBB弾を40発装填できる。
オプションの200連多弾数マガジン。マガジン上面の蓋を開けてBB弾をジャラジャラと入れ、マガジン底部のゼンマイを巻き給弾する。
ニッケル水素バッテリーと200連マガジンを装備した状態での総重量は2150g。ほど良い重量感でとても良い。
オープンボルトサブマシンガン仲間のMac10と大きさを比べる。全長はMac10のほうが圧倒的に短いが、UZIもコンパクトな部類だ。
同じような初速のMP7A1との大きさ比較。
最新のデザインで光学機器を搭載できるMP7A1と比べるとさすがに古さを感じるが、この古さが良いのだ。
UZIはサバイバルゲームを前提にした最初に購入する電動ガンとしてはオススメできない。なぜならばメカボックス構造が特殊でややパワーが弱いからだ。マガジン総弾数もちょっと少なめというものある。機動性を重視するならば、いまはコンパクト電動ガンシリーズがあるので、MP7A1やMac10などが選択肢に上がるだろう。
ただし、UZIのスタイルが好きなユーザー、セカンドウエポンとしてコレクションしたい人、またこのオープンボルトサブマシンガンの味わいが理解できるユーザーにはぜひオススメしたい。価格もリーズナブルだしね。今回中古品をレビューしてみて、使い込むほどに味が出てくるそんな銃だと思った。

2007/12/29

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