エアガンレビュー:東京マルイ 電動ガン トンプソンM1A1

東京マルイ 電動ガン トンプソンM1A1 【エアガン レビュー】

サブマシンガンは第一次世界大戦の塹壕戦からドイツで生まれた。当時のアメリカ軍で指揮に当たっていたジョン・トンプソン将軍はこれに対抗すべく1921年にトンプソンSMG M1921を完成させる。その後、細かいマイナーチェンジを受け1942年にトンプソンM1A1として米軍に制式採用される。実銃のトンプソンはコルトガバメントでも使用されている45口径の拳銃弾を使用する強力なサブマシンガンで、1秒間に12発の発射サイクルを持つ。

トンプソンと言えば1998年に公開されたスピルバーグ監督映画「プライベート・ライアン」でトム・ハンクス演じるミラー大尉が使用しているシーンはあまりにも有名だ。
私はアメリカのTVドラマ「コンバット」世代ではないので、サンダース軍曹にはあまり思い入れはないが、WWIIのセピアがかったあの雰囲気はなんともいえない深い味わいを感じる。
またトンプソンSMGは1933年まで続いた禁酒法時代にはギャング達の武器としてトミーガンやシカゴタイプライターなどのニックネームで呼ばれ、映画「俺達に明日はない」や、「アンタッチャブル」などでも銀幕に登場している。

東京マルイはこのトンプソンを無可動実銃から採寸・設計し、パーフェクトなスタイリングを再現した。アウターバレル、アッパーレシーバーはこれぞ金属といった雰囲気の亜鉛ダイキャスト製、ハンドガード、グリップストックはAK47でもおなじみの表面加工&塗装技術でプラ製ながら木目をうまく再現している。

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東京マルイ トンプソンM1A1 電動ガンスペック
全長 803mm
重量 3,410g(バッテリー含む)
銃身長 300mm(インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 60発
定価 35,800円(税別)
発売日 2000年02月25日
メカBOX Ver.6 / EG700
バッテリー ラージ
東京マルイ トンプソンM1A1 弾速データ
最高 86.70m/s
平均 85.61m/s
最低 84.72m/s
ジュール 0.733J
※SIIS ECOBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温20度

パーツリスト

トンプソンM1A1 パッケージ外観パッケージは細身でコンパクト。コーティングされていない薄茶色いボール紙の箱に入っている。印刷も墨一色。MGCのモデルガンみたいだ。
トンプソンM1A1 パッケージ内容パッケージを開けると油紙に包まれたトンプソンが!!。取説も薄い茶色い紙に印刷されている。

本体、マガジン、BB弾少々、フルオートトレーサーアダプター、保護キャップ、チャージャー、チャージングロッド、クリーニングロッドが付属する。
トンプソンM1A1 イメージカットグリップを握った感触はちょっと太い。幅は普通なのだが、縦が長い感じだ。

構えてみると、まず感じたのがストックが長いということ。最近リトラクタブルストックに慣れていたせいか、バットプレートからグリップまでの距離がずいぶん長く感じる。ハンドガードまでも遠く、マガジン前方で保持したくなる。
ただストックが大きい分、腰だめで撃つとより構えが安定した。

撃った感触はラージバッテリーと言うこともあり、セミオートのキレがよく、フルオートの回転も小気味良い。また、アッパーレシーバーが亜鉛ダイキャスト製でフレームの共振を防いでいるので、メカボックスの作動音が静かで、
非常に引き締まった射撃感だ。

トンプソンM1A1 左側面
トンプソンM1A1 右側面

トンプソンM1A1 レシーバー右レシーバー右側面。
アッパーレシーバーは亜鉛ダイキャスト製で金属特有のヒンヤリした手触り、ズシリとした重量感、黒染めされて鈍く光る質感が非常に良い。
トンプソンM1A1 コッキングハンドルコッキングハンドルは可動式。
引くと内部にニッケルブラックメッキされたシリンダーが見える。
トンプソンM1A1 レシーバー右 刻印レシーバー右面には東京マルイの刻印がある。
ロアレシーバーはプラ製だが、アッパーレシーバーの金属の存在感のほうが大きいので、チープさは微塵も感じない。ただトリガー上の板バネはプラ製でちょっと安っぽいので金属で再現してもらいたかった。
トンプソンM1A1 レシーバー左レシーバー左側面。
刻印は↓

トンプソンM1A1 左側面の刻印
トンプソンM1A1 軍の検収刻印軍の検収刻印が擦れているところも、とてもよい雰囲気を醸し出している。
トンプソンM1A1 セフティレバー セレクターセフティレバー、セレクターレバーは180度回転させて操作するレトロなデザイン。

マガジンキャッチレバーはトリガー上からアームがグリップ付近まで伸びており、チェッカーのついた部分を上に押し上げるとマガジンがリリースされる。

トリガーはワイドで引きやすい。
トンプソンM1A1 ホップアップ調節ダイヤルチャンバー前方にはバレル同軸式のホップアップ調節ダイヤルがある。

マガジン交換はマガジン後部のレールをロアフレームの溝に合わせて差し込まなくてはならないので、素早い交換は難しい。
トンプソンM1A1 エジェクションポート実銃では45口径のカートリッジが排出されるエジェクションポート。意外に小さく見える。

このエジェクションポート内からもホップアップ調節ダイヤルを操作できる。
インナーバレル長は300mmでサブマシンガンクラスとしては長い。金属製のアッパーレシーバーとアウターバレルでチャンバー回りがガッチリと固定されているので、弾道も安定している。
グリップは木目調のプラ製。グリップ内にはEG700モーターが内蔵される。モーターはモーターホルダーによってメカボックスに固定される。
グリップ底部のビスを外せばAK47シリーズなどと同様にモーターとギアの噛み合い調節が可能。
ハンドガードも木目調のプラ製。マルイの木目調ストックは良く出来ていると思う。こだわる方はCAWから木製ストック(\24,990)が発売されているので交換してみては。しかし重くなること必至。

ハンドガード下部にはフロント・スリング・スイベルがある。
アウターバレルもダイキャスト製でレシーバーからの一体感は抜群。剛性も非常に高い。もはや申し分ない。

フロントサイトはアウターバレルと一体となっている。

マズルにはライフリングも刻まれている。
リアサイトはピープ式で実銃は固定されているが、東京マルイの電動ガンは上下左右に調節できる。ただし残念ながらプラ製だ。サイドガードは金属製なので破損はしにくいとは思うが、なんか折れそうで怖い。
固定ストックも木目調のプラ製だが写真でみると本物の木製ストックのようだ。

バットプレートは亜鉛ダイキャスト製。
質感がスチールプレスっぽく見えてカッコイイ。
ストック下部にはリア・スリング・スイベルがある。

バットプレートのフタを開けてバットプレートを引っ張りながら左右どちらかに90度回転させるとバッテリー交換できる。
ラージバッテリーが内蔵可能だ。


20連型のマガジンは6mmBB弾を60発装填できる。
オプションで20連型の190連マガジン(\3,800)と、ロングタイプ30連型の420連多弾数マガジン(\3,980)が発売されている。
実銃のマガジンリップ形状を模したリアルなデザイン。スチールプレスのアウターシェルで質感と重量感もリアルだ。

マガジン後部のT字型のレールを本体の溝に合わせて差し込まなければならないので、素早い交換は難しい。
イーグル模型のRC1500SCTニッカドバッテリーを装備しての総重量は3,430g。
重い部類に入るが、重心がグリップ付近にあり、バランスがよく重さを感じさせない。

さて、東京マルイ電動ガン、トンプソンM1A1の総評だが、塊り感とでもいうか、剛性・質感共に高く、所有欲を満たせるものとなっている。重量が少々重いが、バランスは良く、フロントの短いサブマシンガンなので、取り回しは悪くない。実射性能もピカイチだ。ただし、ストックが大きく、体格が良くないとグリップ、ハンドガードまでが遠く感じるだろう。マガジン交換が素早く出来ないが、多弾数マガジンである程度は補える。
ゲーム向きというよりは、「味わう」タイプの銃なのでこのノスタルジーを理解できるユーザーにオススメする。トム・ハンクス演じるミラー大尉か、ビック・モロー演じるサンダース軍曹か。そんなWWIIの主人公達になった気にさせる銃だ。

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2008/01/13