東京マルイ 電動ガン FA-MAS スーパーバージョン 【エアガン レビュー】
実銃のFA-MASはフランス軍が1979年に採用した5.56mm×45NATO弾を使用する制式アサルトライフルだ。機関部をグリップ後方にレイアウトしたブルパップと呼ばれるタイプで、全長をコンパクトに抑えながらも銃身を長く取れることがメリットとしてある。また、その独特のスタイリングから「トランペット」のニックネームが付けられている。
東京マルイのFA-MASはエアガンの歴史を変えた記念すべき電動ガン第1号であり、今回レビューするのはそのFA-MASのバリエーションモデルであるFA-MASスーパーバージョンだ。むしろ国内でFA-MASを有名にしたのはこの電動ガンのおかげと言っても良いだろう。
スペック&弾速データ(中古) | |||||||||||||||||||||||||
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パーツリスト |
FA-MASスーパーバージョンは私の電動ガンに対する意識を変えた思い出深いモデルだ。
初の電動ガンFA-MAS 5.56F1が発売されたのは1991年4月、それから東京マルイはM16A1、MP5A5、A4、XM177E2とモデルアップしたが、いずれもHOPUP機構は付いていなかった。その次に発売されるFA-MASスーパーバージョンで初めて可変ホップアップ機構が標準装備され、これにより東京マルイの電動ガンの基本構造は完成したといっても良いだろう。
固定式インナーバレルと可変ホップアップは相性抜群で、ある日メンバーが買ってきたスーパーバージョンを撃ったときにはその弾道の直進性に驚愕した。それまでショップレベルでのホップアップ機構はSCS(スピン・コントロール・システム)やLRB(ロング・レンジ・バレル)などが存在したが、メーカー純正のエアガンで可変ホップが標準装備されたのはこれが初。
当時私のメインウエポンはコクサイのガスセミオートのM16A1。外部ソース仕様にしてグリーンガスを繋ぎ、ハイパワーで0.3gの重いBB弾を撃って弾道を安定させる当時の典型的なパターンだった。それでも弾は山なりに飛び、20mもすればスコープから消える。もちろんMP5A5にLRBも入れてはいた。だがスーパーバージョンとは弾道のフラットさが圧倒的に違う。これ以降、私のメインウエポンは電動ガンとなった。
ストックに機関部があるブルパップライフル。
東京マルイの電動ガンもストックの中にバージョン1のメカボックスを内蔵する。
Ver.1のメカボックスはモーターも一体となっており、EG560モーターを使用する。
モーターのトルクが低いのでセミオートのロックタイムはやや長いが、そのぶんギア比を上げているのでフルオートの回転は速い。
バットストックはゴムコーティングされているが経年変化でベトついている。
ストックの下にセミ・フルオートの切り替えセレクターレバーがある。
慣れないとこの位置のセレクターは使いにくい。
SとFの間にあるのはラッチレバーでピストンが後退位置で止まってしまったときのスプリングのヘタりを解消するためのもので、このスイッチを押すとピストンが前進して停止する仕組み。
キャリングハンドル下にあるコッキングレバーはダミーだが、引くことが出来る。
リアサイトはプラスチック製ながら、細かい調整が可能な大中小のピープ式。
写真のように可倒式で3種の穴の大きさを切り替える。
さらに上下に調整可能。
リアサイト前方にグレネードランチャー用のフリップアップ式リアサイトがある。
まあ、これは実銃の話なので電動ガンには関係のない機能だ。
東京マルイから専用のマウントベースが発売されているのでキャリングハンドル上にドットサイトやスコープなどの光学照準機器を搭載することも可能だ。
フロントサイトもプラ製。
5.56F1ではバイポッドが装備されるが、スーパーバージョンではアッパーフレーム側面にはフロントスリングフックが両側にある。
これにより、全体重量が軽くなり、ゲームでの取り回しも楽になった。
フロントサイトは左右に調整可能。
ただ、不用意に触れると狂いやすいので注意。
グレネードランチャー用のフロントサイトは上下に移動できる。
バードケージタイプのフラッシュハイダー。
設計が古いのでフラッシュハイダーは取り外せるが、サイレンサーが取り付けられるようなネジ切りはない。
アウターバレルは5.56F1と違いスムースタイプ。
5.56F1とは異なりトリガーガードではなくグリップガードの付いたグリップ。私はこちらのデザインのほうが好み。
フィンガーチャンネルつきのグリップは握りやすいが、親指の付け根上側がフレームに当たってちょっと痛い。グローブをすれば軽減できる。
トリガー前方にはセフティレバーがある。
この写真の位置でセフティオンとなり、トリガーがロックされる。
このセフティレバーはバッテリーケース・オープナーの役割もある。
90度回転させるとセフティが解除され、さらに30度ほど回すとカチリとロックが外れてハンドガードが取り外せる。
ハンドガードを外すと写真のようにラージバッテリーを収納できるようになっている。
ハンドガードの先端形状も5.56F1とは異なる。
エジェクションポートカバーを外すと可変ホップアップの調節ダイヤルがある。
ちなみにポートカバーは左右どちら向きでも装着できるアンビタイプ。
マガジン前方に両側から操作できるマガジンキャッチがある。
FA-MASは右利きでも左利きでも同じように扱えるアンビタイプの設計となっている。
マガジンは6mmBB弾を60発装填できる。
M16系のマガジンに似ているが、流用は出来ない。FA-MAS専用マガジンだ。
オプションで300連の多弾数マガジンが発売されている。
RC1500SCラージバッテリーを装備しての総重量は2760g。
総評として、剛性はかなり高いほうだが、プラパーツが多用されておりギシギシするのは仕方ないところ。ブルパップのため、マガジンチェンジ、セレクター切り替え操作は慣れが必要だが、フロントが短いので取り回しは良く、前後の重量バランスも良い。フルオートの回転が速いので弾幕を張りやすく、ラージバッテリー仕様でゲーム向きといえる。レフティでも同様に扱えるので左利きシューターにもオススメ。ただし、質感がプラっぽかったり、M14逆ネジ仕様ではないなど、さすがに全体的な設計の古さは感じる。カスタムパーツが少ないのでいろいろイジりたい人には物足りないかも。他社ではモデルアップされていないライフルなので、このFA-MAS独特のスタイルが好きなユーザーには良いだろう。
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