東京マルイ 電動ガン P-90 【エアガン レビュー】
その昔、P90と言えばトイテック社のガスフルオートガンだった。1マガジン50発程度の時代に8リットルエアタンクに接続された500発装弾のトイテックP90は当時最強のゲームウエポンであり、古参兵からは忌み嫌われてもいた。そのイメージが今でも残っていて、これまでP90には手を出せずにいた。ところがここ数年、自由参加のゲームに参加するとマルイのP-90を使っているユーザーが多い。そういえばうちのチームにも2名、P-90を持っているメンバーがいる。どちらのメンバーも初めて買う電動ガンとしてP-90を選択した。ミリタリーに深いこだわりがあるわけでもなく、単純にスタイルがカッコいいからと言う意見だった。ということで今回気になるP-90を購入してレビューしたいと思う。東京マルイのP-90は2001年4月に発売され、2002年4月に三面レールとサイレンサー標準装備のTRが発売、バリエーション展開され、2006年9月にドットサイトモデルがリニューアルした。変更点は接眼レンズ径の拡大と防弾性能の向上。
実銃のP90はベルギーのFN社が製造する新カテゴリのパーソナル・ディフェンス・ウエポン(PDW)。サブマシンガンが拳銃弾を使用するのに対して、P90はより強力な5.7mm×28の新開発ライフル弾を使用する。アサルトライフルで一般的な5.56mm×45ライフル弾のカートリッジ長を短くしたような形状の弾薬だ。レイアウトは機関部がストック内に配置されるブルパップタイプ。もともと戦線後方の兵站部隊や砲兵部隊の自衛用に開発されたが、そのコンパクトさと強力さから、1997年に起きたペルー日本大使館人質ろう城事件の際にイギリス特殊部隊SASが使用したということでも有名。
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東京マルイ 電動ガン P-90 スペック
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東京マルイ 電動ガン P-90 弾速データ
パーツリスト |
パッケージはブラックをイメージしたもの。
内容も黒い不織布を敷いた高級感のあるデザイン。マニュアルはいつものクリーム色ではなく、茶色のカバーで一瞬マニュアルだとは気づかなかった。
レシーバー右サイドにはレールマウントがあるので、フラッシュライトなどのオプションを装着できる。
P90は基本的に左右両利きに対応したモデルなので、コッキングハンドルもレシーバー両サイドにある。コッキングハンドルは引くことが出来るが、とくにエジェクションポートと連動するわけではない。
トリガー下に指先で操作できるセレクターがある。Sでセフティオン、トリガーがロックされる。
1でセミオートポジション、Aでフルオートポジションとなり、フルオートポジションでは5mm程度引くとセミオート、引ききるとフルオートで射撃できる。
上からみるとP90はそこそこ厚みがある。しかし角がラウンドしたデザインなのでなんら気にならない。
全長504mmのP-90と、H&K MP5KA4 PDWとの比較。MP5KもPDWという名前ながら、カテゴリは9mm拳銃弾を使用するサブマシンガンだ。
トリガーとグリップ位置を基準に考えるとP-90のフロントはMP5Kよりもかなり短い。
インナーバレル長は247mmで、H&K MP5KA4 PDWの141mmよりずいぶん長い。MP5A5の229mmよりも長く、G36CやSIG552 SEALSと同じ長さ。初速も平均約88m/sと箱出し状態では比較的高い。
四角いボディから、ちょこんと飛び出たフラッシュハイダー(マニュアルではコンペンセイターと記載されている)。実銃でのリコイルを軽減するために上面に4ポートの穴が開いており、前面はスラントカットされている。
実銃ではフラッシュハイダーの下にレーザーサイトを内蔵してモデルもある。
P-90はドットサイトを標準装備している。ドットサイトはアルカリ単四乾電池2本で駆動する。
前面のPUSH OPENと書かれたボタンを押すと、、、
写真のように乾電池収納の蓋が開く。
ドットサイトの電源スイッチはサイトレシーバーの下面にある。マガジンを装着しているとやや操作しにくい。
0でOFF、ドットの光る強さを1と2で二段階調節できる。
ドットサイトの接眼レンズ前にある丸いリングがドット狙点調節用のエレベーションダイヤル。左右調節のウィンデージはレシーバー右側面に同様のダイヤルがある。
ドットサイトのドット調節は付属のアジャストツールと六角レンチで行う。
ドットサイトを覗いた感じ。写真の具合で、ちょっとギラついているが、これほどまでではない。色は若干青みがあるが透明感は高く、ドットサイトとしての性能は必要十分。ただし、ドットサイトのレンズ径が小さく、大口径のドットサイトに慣れていると狙いづらいと感じる。またドットサイトの射線がちょっと低く、これも覗きにくい要因となっている。
ドットサイト両脇には非常用のアイアンサイトが装備される。
バットプレートはゴムコーティングされていて感触が良い。
バッテリーを出し入れするには、まず1のリリースボタンを押しながら、バットプレートを下方にスライドさせ取り外す。
写真のようにストック上部にミニバッテリーを挿入する。社外品のラミネートパックのニッケル水素バッテリーも挿入できるが、純正バッテリーよりも小さいのでガタつく。スポンジなどで固定すれば問題ないだろう。
P-90下面。実銃では真下に排莢するためのエジェクションポートがグリップ後方にある。
グリップの上にある蓋をスライドさせると、ホップアップ調節用のダイヤルが現れる。バレル同軸式なので、調節しやすく狂いにくい。
マガジンキャッチは写真の位置、レシーバー左右にある。片面で操作すると言うよりも両側のボタンを同時に操作するほうがマガジンが外れやすい。
独特な形状のマガジン。6mmBB弾を68装弾できる。実銃も装弾数50発と多い。シースルータイプで金色に輝くダミーカートが入っている。あくまで雰囲気を高める飾りだが、カッコイイ。
マガジン裏側。実銃では横に並んだ5.7mmライフル弾が直前で90度回転させられチャンバーに送られる仕組み。
BB弾はそれよりもちょっと手前から給弾。給弾されたBB弾はシースルーなのでU字に見ることが出来る。
別売りオプションの300連多弾数マガジン。
3,800円(税別)
裏側のスプリングテンションのかかった給弾ノッチを押し下げ、給弾蓋を開けるとノッチがロックされる。
そこからBB弾を給弾し、蓋を閉め、丸いゼンマイダイヤルを回すと準備完了。
フルオートで撃ってみるとたまに給弾されずに空撃ちになることがあった。そういうときはマガジン上面を軽くタンタンと叩いてあげると給弾されやすくなった。
撃ちきっていないマガジンを取り外すとチャンバー上部に3、4発のBB弾が残るが、ノーマルマガジンでは基本的に最後の一発まで撃ちきれる。
マガジンを取り外すと矢印の位置にレシーバーロックボタンがある。
レシーバーロックボタンを押すと、レシーバーが前方に取り外せる。
レシーバーはプラスチック製だが、ドットサイト本体は金属製。
レシーバー下のフレーム内には空洞があるのでうまく加工すればレーザーサイトを組み込めるかもしれない。
フラッシュハイダー下部にあるイモネジを緩めると、フラッシュハイダーを取り外すことが出来、M14逆ネジが現れるので、各種サイレンサーを装着可能だ。
マガジン、ニッケル水素バッテリーを装着しての重量は2160g。ドットサイトがついてこの重量はかなり軽い。
ゴツいサイトレシーバーがカッコイイ。
東京マルイ純正オプション、プロサイレンサー を装着。いわゆるカジキマグロのイメージ。
こちらもマルイ純正プロサイレンサーのショートタイプ を装着。これくらい短いほうが取り回しも良く、スタイルもカッコイイかも。減音効果はどちらも同じくらい。はじけるような音が一気に低くなってゲームでも有利になるはずだ。
さて、総評だがコンパクトで軽く、ドットサイトも標準装備でお買い得なエアガンではあるが、気になるところもある。それはブルパップタイプなのでリアヘビーだと言うこと。しかもグリップアングルがかなり小さいので、スタンダードレイアウトの銃に慣れたユーザーだと、ローレディーからふっと構えると射線が上を向きやすい。この点については慣れが必要なので、事前に十分トレーニングしておかないと、敵と出会い頭に撃ち合ったら自分の弾は相手の頭上を飛び越えて、、と言った事態になってしまう。
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