AAF 電動ガン AR15 スタンダードライフル
AAF(American Airsoft Factory)は2016年にスタートしたアメリカのエアソフトメーカー。AAFの電動ブローバック、AR15スタンダードライフルをレビュー。
2019年にはラスベガスSHOT SHOWに出展、電動ガンを展示しており、米連邦政府納品中小企業(SAM)の資格を取得し、FBIやユタ州のDPS、アイダホ警察などでの試験採用実績もあるユタ州の企業だ。
今回、このAAFの日本代理店、AAFジャパンの協力でスタンダードライフルのレビューを行うことができた。
AAFの電動ガンラインアップは現在2種類あり、今回レビューしたのは14.5/10.5インチ切り替え可能なAR15 スタンダードライフル。もうひとつは7インチバレルのSMGがある。また完成品のほかにスケルトンキットも販売されている。
それでは早速レビューしていこう。
スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||||
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レシーバーはA380アルミ合金の鋳造製でオリジナル形状。高耐久セラミックスコーティング仕上げとなっている。
マガジンハウジングにはメーカー刻印が入る。
AAFの電動ガンの特徴はなんといっても射撃に連動してボルトがブローバックする機構だろう。
電動ガンとは思えないリアルな造形のボルトキャリア。
チャージングハンドルを引くとここまで後退する。フルストロークではないが、ロッキングラグも再現されている。弾が無くなればホールドオープン、ボルトキャッチでリリースするアクションも可能。
ロッキングリセス側の上に可変ホップアップの調整ネジがある。調整の度に分解しないとならないので面倒だ。
レシーバートップ。
グリップはA2タイプ。モーターを内蔵する一般的な電動ガンのグリップといった感じ。トリガーガード近くのグリップ根元が角ばっていて、少々握りにくかった。
電子制御トリガーなのでトリガーの感触は滑らか。トリガーガードはレシーバー一体。
AR15 スタンダードライフルにはなんと、米GEISSELEのMK14 SMRハンドガードがオプション装備できる。
このハンドガードはレプリカではなく、正規に米国から輸出された実物だ。
オーダー時に9.5インチと13インチのどちらかが選べるようになっている。
GEISSELEは最近米軍でも採用が進み、細身でホールドしやすく、世界でも人気の高いブランドの一つ。
カラーはFDEとブラックの二種類。こちらのブラックモデルにはMI G3 M10 One Piece Free Float Handguard M-LOKがオプション装着されている。これも実物で、注文時に追加オーダーできる。
MIDWEST INDUSTRIESも米国で人気の高い定番ハンドガードブランドだ。
精悍なブラックレシーバーもカッコいい。
握り易い細身の八角形、M-LOKで拡張性も高い。なお、写真のデモ機は撮影用に14インチバレルにM12を組み合わせているが、製品版はM10が選択可能だ。
レシーバーエンドにはCQDタイプのスリングスイベルあり。
フラッシュハイダーは標準で樹脂製のオレンジバードケージハイダーが付属する。ここは好みでカスタムするとよいだろう。
ちなみにノーマル状態の9.5インチモデル。
アウターバレルはエクステンション式により、14.5"と10.5"の切り替えが可能。
ストックはMAGPUL CTRストックが標準装備。これも正規輸出された実物だそう。
気になる内部構造だが、レシーバーの分解はフロント側のピボットピンを取り外すと、アッパーが前方へ引き抜ける電動ガン仕様となっている。
アッパーレシーバーの内側。後部の爪がロアに引っかかって固定される。
Ver.2系のギアボックスで、ロアレシーバーに電動ユニット一式が内蔵される。
ギアボックスは6061系アルミ合金の削り出し。焼結スチールギア。モーターはBIG DRAGON M160ハイトルクモーター。
バッテリーはnano-tech製 1200mAh 25-50Cリポバッテリーが指定。コネクタはT字ラージタイプだ。
バッファチューブはミルスペック6ポジション。
チェンバー周り。
電子制御なので、3バースト射撃、プリコック機能も備える。また面白い機能として、トレーニング用の「ジャムモード」があり、ある一定の確率で不発を再現し、復帰動作を学べるモードが搭載したFEDERALバージョンがある。
オートストップ機能を備える。マガジンハウジングからみると給弾用のノズルがみえる。この後ろの銀色のパーツでBB弾の給弾テンションを検知し、ストップをかける仕組み。マガジンはスタンダード電動ガンのものを使用できる。付属のマガジンはポリマータイプの120連。
射撃動画。
実射テスト
いつものビレッジ2のシューティングレンジで実射。BB弾は東京マルイベアリングバイオの0.2gと0.25g。ターゲットは30mでA3スチールプレート、40mでマンターゲットを狙う。
ブローバック電動ガンというと、どうしてもボルトが前後してBB弾を給弾する関係上、命中精度の点においてはあまり期待はしてなかったが、AAFはセミオートでの弾道性能はなかなか高いと感じた。
屋外30mでA3プレートには9割がた当てられるし、40mでもマンターゲットにバシバシとヒットできるポテンシャルはある。
BB弾の重量も0.2gでも十分な弾道性能を発揮する。
ただ、バーストやフルオートでの射撃となると、バラつく傾向があった。AAFジャパンに聞くと、シア式のセミオート射撃を基本としているためだそうで、どうしてもタイミングの問題でBB弾をチャンバーで上手く保持できない場合があるとのことだった。
ただ、2019年5月現在では解決済みの量産品が出荷可能となっているとの話も聞けた。
トリガーの感触は電子制御+プリコックということもあり、レスポンスが良く、セミオートでの速射も容易だ。
重量のあるボルトキャリアが前後するのでガスブロほどではないが、なかなかのリコイルがある。
気になる点を挙げるとすれば、マガジンがスタンダード電動互換のため、マグウェル内に蓋をするように自動停止ユニットが配置されており、ボルト内でBB弾がこぼれるなどした場合、弾が下に落ちないでチャンバー付近に留まりやすいということだ。いちいち銃を傾けてエジェクションポートから弾を排出せねばならず、ボルト閉鎖時に弾を噛みやすい構造になっているのはブローバック電動としては気になる点だ。
とはいえ、作動性の面では完成度は高く、給弾不良を起こすケースはほぼなかったことも付け加えておこう。
総評
これまでボルトキャリアが独立して稼働する電動ブローバックというとTOP M4、GBLS DAS M4などが発売されているが、そのカテゴリーに新たに選択肢が加わったと言える。
本場米国メーカーが開発した電動ガンをAAFジャパンのエンジニアが品質管理したことで、アフターサービスの面でもより安心して購入できる体勢になっている。
チャージングハンドルを引いて装填し、撃ち終わればホールドオープン、マグチェンジしてボルトリリースで再びボルトを前進させるといったリアルなアクションが楽しめるうえ、しかも電動ガンなのでガスガンに比べて季節を通じて作動が安定しているのも良い。
電子制御によるレスポンスの良いトリガー、バースト射撃、プリコック機能など最新機能を搭載している点も見逃せない。
またGEISSELEやMIのハンドガードがオプションで、MAGPULストックが標準装備されるのも魅力的だ。
すでに取り扱いを始めているショップもあり、セミオーダーメードによるきめ細かいサポートも期待できそうなので、興味がある方は問い合わせてみるのが良いだろう。
協力:AAFジャパン、SPECTRE SIGNS GEAR、ビレッジ2
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