GBLS 電動ガン DAS M4A1
去年から気になっている電動ガンがあった。韓国GBLS社のDAS M4A1だ。
GBLS社のDAS M4A1はこれまでになかった、新たな機構を取り入れた新機軸の電動ガンだ。
なんといっても特徴的なのが、リアルなボルトキャリア構造によるブローバック機構だろう。
その操作性、外観、撃った感触や実射性能など気になる部分を詳細に解説していこう。
すでにハイパー道楽のブログや速報で取り上げているが、その記事を読んでくれたGBLS社から連絡があり、リミテッドエディションのレビューサンプルを送ってくれるという。
当初秋の発送予定と言われていたが、それが遅れに遅れて2016年の年末にようやくASSEMBLY KITという組立パッケージ商品が届いた。
組み立て自体は年末に終わっていたが、いくつかの問題点もあり、レビューが遅れ、この時期になってしまった。また、今回のレビューは動画を掲載していない。この理由もまた後述するが、組立工程と外観、数百発ほどの試射によるレビューであり、後日追加レビューができればと思っている。
スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||||||
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DAS M4A1 LIMITED EDITIONは組み立てキットなのでコンパクトなパッケージで届く。箱のサイズは42.5×31.5×10.6cm。
中にはビニール袋に詰められたパーツが詰まっている。マガジンは6本が同梱される。
プリントされた取説が付属。実際の組み立てはGBLS社のWEBサイトにある組み立て動画を参考にして行う。取説のPDFはこちら。
組み立て工程
組み立てと言ってもほとんどの主要パーツはアッセンブリーで組まれており、それほど難しい作業ではない。主な組立部分は、チャンバー周りとフロントアッシーであり、あとはアッパーにボルトアッシーとチャージングハンドルを入れて、メカボックスが組み込み済みのロアレシーバー、ストックと組み立てるだけだ。
アウターバレルはスチール製。インナーバレルは長さ369mmでマズル部のネジギリギリまで伸びている。
インナーバレルのチャンバー形状とマズル形状。素材は真鍮製でメッキ処理されている。
チャンバーパッキンとチャンバーパーツ。パッキンはスペアとして2つ付属する。
チャンバーは亜鉛ダイキャスト製でドラム式のホップアップダイヤルとなっている。
バレルスリーブと組み上げるとこんな感じ。アウターバレル根元にホップダイヤルが露出する。
チャンバーパッキンはVパッキンとなっていて、ホップを強めると写真のように中央にスリットが見える。
アッパーレシーバーにダストカバー、ボルトフォアードアシストノブを組み込む。バレルナットのピッチはミリ規格で電動ガン用に互換あり。
アウターバレルにフロントサイトベース、ダミーガスチューブ等を組み付ける。
フラッシュハイダーはスチール製でM14逆ネジ仕様。北米仕様のプラ製オレンジハイダーも付属していた。
ボルトキャリアはアルミ製で、内部にピストン、スプリングが組み込まれている。
ボルトキャリアアッシーの実測重量は190g。
韓国の輸出仕様上、ノズル部にスペーサーがねじ込まれているので、マイナスドライバーで取り外す。
ロアレシーバーはこの状態で組まれたものが同梱されている。バッテリーコード途中にFET、30Aのミニ平型ヒューズがある。
コネクターはミニT字。バッテリーは11.1vのリポバッテリーが推奨される。
ボルトキャリアとギアボックス用のグリスが同梱されていた。がしかし、これはレビューサンプルのみに付属するものだそう。実際の組立には電動ガン用のギアグリスを用意しよう。
レシーバーはアルミ製で、とても綺麗に作られている印象だ。ロアレシーバーはいわゆる電動ガンサイズで、実銃よりやや幅がある。セレクターは左側のみだが、操作感はカチッとしていてとても安心感のある感触だ。
セレクターインジケーターは無可動のダミー。ロアレシーバーのピンなどの別パーツとなっていて、外観の作りはとても好印象。
そしてなんといっても素晴らしいのが、エジェクションポートから露出したボルトキャリア。とても電動ガンとは思えない彫りの深さ。ポートカバーのロックパーツもリアルサイズで、これは従来の電動ガンでは味わえなかった醍醐味だ。
ホールドオープンさせるとこの位置で停止。実銃に比べてやや前進位置だが、これがガスブロではなく、電動ガンだというのだから驚きだ。ロッキングラグやリセスも再現され、凝った作りとなっている。
最終弾を撃ち終わるとボルトがホールドする。もちろんボルトリリースボタンを押してボルトを再前進させるが、この感触も次世代電動ガンのようなふにゃっとしたものではなく、ガスブロのようなガツッとした感触。
グリップは内部にモーターを内蔵するので電動ガンサイズだが、PTS製のオリジナル樹脂製グリップが装着され、握り心地も悪くない。
ロアのピンをシャキッと抜いてテイクダウン。このあたりの操作も固すぎず、何かに引っかかるわけでもなく、サクサクとしており、感触も実銃のものに近い。
もちろんロアには電動ユニットがぎっしり詰まっているのは電動ガンたる証拠。
シア式の電動ガンなので、バッテリーを繋がなくてもコッキングによる単発射撃も可能だ。
そしてリアルサイズのチャージングハンごとボルトキャリアを引き抜く操作はまさに至高のリアリティ。DAS M4A1の最も特徴的な部分でもある。
アッパーレシーバーの形状も実銃に近いので剛性も高い。
ストックはクレーンタイプ。ストックチューブは6ポジションだが、内部に太めのバッテリーコードが取りまわされるので実質5ポジション程度と考えたほうが良いだろう。
バットプレートを取り外して左右のふくらみ部分にバッテリーをセットする。
ただ、このバットプレートをロックする爪部分がやたらと固く、指が痛くなるのが難点。
アウターバレル、フラッシュハイダー共にスチール製で質感は抜群。アウターバレルに弾薬の刻印がないのはちょっと残念。
もちろんガスチューブも再現される。また本キットには樹脂製のハンドガードが同梱するが、フロントセクションはリアルサイズなのでRASなども取り付けられるだろう。ピンで固定しただけだと、フロントサイトベースがかなりガタつくので底部のイモネジを締めこんで固定する必要がある。
ホップアップダイヤルはアウターバレル根元の下面にある。回すのにやや渋い感じもするが、クリック感があり、ホップ最小から最大まで問題なく回る。ただ、デルタリングのウェルドスプリングが実銃並に固いので、ハンドガードの取り外しには苦労する。
アルミ製のキャリングハンドルが同梱する。トップレールにはガイドナンバーなどの刻印は無し。
マガジンはスチールプレス製のアウターシェルで6mmBB弾を60発装填できる。1本当たりの実測重量は215g。長さは実銃より少しだけ短いガスブロのマガジンサイズ。残弾0で後部のリンクパーツが本体内のスイッチを押し上げてユニット停止させる機能がある。
リップがあるので途中でマガジンを抜いても弾こぼれしないが、弾を装填するのには角度などのコツがあり、とても難しい。
実射の感想の前に...
実射の感想を述べる前にいくつか問題点を描いておく。
まず今回、レビューサンプルということで韓国から直接送ってもらったリミテッドエディションだが、日本仕様の320fpsスプリングであるとのことだったが、組んでみると初速が高く、この点について韓国GBLS社とメールでのやり取りを繰り返してレビューまで時間がかかったわけだが、交換用のスプリングを送ってもらったが初速は変わらず、おそらく法定初速ギリギリのスプリングテンションであると思われる。これでは温度環境やパッキンの状態であまりにも危険なので、日本代理店のホビーショップいずもにコンタクトを取ったところ、国内出荷用のカットしたスプリングが組み込まれたボルトアッシーにてようやく問題が解決した。
この際にボルトアッシーの分解も行ったが、ボルトキャリア後部の2本のイモネジを抜くことで簡単にスプリングを交換できた。
次に問題となったのはバッテリーコネクタ。手持ちのミニT字コネクタの11.1vバッテリーはトレポンで使用しているものがそのまま適合する。しかし、同じミニT字コネクタでも端子部分の太さに種類があるようで、写真左のバッテリー側メスコネクタをみてもらうと、太いのと、細いのがあることが分かる。そしてDAS M4A1本体側のバッテリーコネクタはこのミニT字の太いほうに対応している。これはDAS M4A1の問題点ではないが、注意が必要な部分だ。
実射テストは東京マルイのベアリングバイオ0.2g、ギャロップの0.25gバイオで行った。弾道は最初ホップ最小でもやや強めに掛かっていたが、しばらく撃っていると少し慣れてきたのか、比較的フラットに飛ぶようになってきた。ただ、ホップアームやパッキンの素材を見ると判るが、日本のパワーレギュレーションだとホップが強くかかりやすいピーキーな構造だ。
弾道自体はVパッキンの効果か、まっすぐ飛んで40m先のマンターゲットを狙えそうなポテンシャルはある。ただまあ、東京マルイの電動ガンと比べてしまうと、やはり40m先の着弾パターンは広がる傾向だ。
リコイルは190gのボルトキャリアが前後するのでスタンダード電動よりははるかに撃っている感触は強く、ボルトキャリア、リコイルバッファという構造的にもリコイルの質感にリアリティがある。
さすがに、ガスブロに比べるとリコイルは弱いが、電動ガン特有の安定した弾道で、60発のBB弾を、なんのためらいもなく撃ちきり、ガツッと確実にホールドオープンする。
そして、マガジンチェンジしてボルトキャッチをバチンと押せば、ジャキーンとボルトが前進して初弾をチャンバーへ送り込む。この作動は今までに電動ガンでは体験したことのない感動を味わえる。
初速を測定したり、試射をある程度行ったところで、それでは弾道の動画を撮影しようと思ったところ、スタッフが銃を構えた瞬間、トリガーやセレクターには一切触れていないのにブァーーーっとギアが不意に回転し始めた。
DAS M4A1の構造上、射撃中にボルトの閉鎖不良を起こすとギヤが回りっぱなしになるという仕組みになっている。ボルトをガチャガチャ引いたり、バッテリーを取り外すことでようやく収まったが、今度はバッテリーを繋いでも全く動かなくなってしまった。ヒューズは切れていないので、おそらく電子回路上の問題かもしれない。
ということで撮影終了...。
この後、GBLS社に確認を取ったが、こういった現象は起こったことがないそうなので、原因究明してもらうべく、日本代理店のホビーショップいずもに商品を送ることにした。
驚くべき仕組み、でも完成度はまだまだ。今後に期待。
DAS M4A1はこれまでになかった電動ガンの新ジャンルともいうべき素晴らしい仕組みだと思う。
リアルなボルトキャリア構造と実銃ライクなリアルな操作でありながら、電動ガンならではの安定した射撃性能は、よくここまで実現したなあと思える。
ただ、惜しいかな、完成度という面ではまだまだな部分もある。
チャンバー周りはもっとスムーズに安定してBB弾を撃ち出すような構造にできると思うし、トリガープルもやけに重く、引っかかる感触があるのも気になる。
コッキングの仕組み上しかたがないが、チャージングハンドルの引きもかなり重い。バットプレート取り外しの渋さ、電子回路の堅牢性も気になる部分だ。
もちろん今回の個体はレビュー用サンプルということもあるのかもしれないし、組み立てキットであるから、私の組み立て方が悪いのだろう、という言い方もできる。できれば完成品で販売してもらいたいところだ。
しかし、振り返ってみれば、システマのトレポンだって、TOPのEBBだって、発売当初はみな不安定だった。年月をかけてメーカーが丹念に調整を繰り返し改善されたことで、サバゲーでも不安なくバリバリ使えるツールになった。だからこそ、このDAS M4A1には非常に大きな期待を寄せている。
価格が28万5千円(税別)というトイガンとしては超高額商品なのでかなり敷居が高いと言わざるを得ない。これだけの価格なのだから、国内で販売する以上、日本語の取扱説明書や組立マニュアル、修理対応やパーツ供給など、きめ細かなアフターサポートは必要になるだろう。こちらは日本販売代理店のホビーショップいずもに期待。
なお、今回のリミテッドエディションは全世界で300丁限定、そして国内販売分の50丁はメーカー永年保証が付き、いずもに送ることで修理対応が受けられるとのことだ。そして今後大きな改修があった際にもアップグレードパーツが無償で提供されるという。
GBLS DAS M4A1、もっと熟成されて価格もこなれてくれば非常に楽しい商品になりそう。
そしてGBLSはDAS AKもリリースを予定しているそうなので今後の展開に注目必至のメーカーだ。
Ver.2 射撃動画
協力:ビレッジ2
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