MGC S&W M759 スーパーマスター
写真&解説 YAS
1985年にMGCからベレッタM93Rのガスセミオートガンが登場すると、そのシステムを利用して様々なモデルがMGCから発売された。第二弾はS&W M459で、多くのバリエーションを生む。
それに伴い、MGC主催のジャパン・ビアンキカップや、シューター主催のジャパン・スティールチャレンジなど、シューティングマッチはモデルガンからエアガンへシフトしつつ盛り上がりを見せていた。
そこへMGCはM645のシングルアクションモデルであるM745の派生モデルという設定で、M759という架空のコンペティションモデルをリリースした。
構造はバレル後座式のスライド固定ガスセミオート、ロングスライドにMMCリアサイト、ドッグレッグ型のアンビセーフティレバーといったカスタム要素満載。内径6.2mmのインナーバレルが入っており当時としては命中精度も高かった。
ただ、同時期にハレットアクションのウィルソンLEやブラウンマキシコンポといったモデルが同社より発売され、そちらにユーザーの注目が集まってしまったのは否めないだろう。
解説
スタイルはロングスライドのM559がベース。今回紹介するのはスタンダードなスーパーマスターだが、ウォルナットグリップパネル付属、レッドインサート入りフロントサイト、メッキ仕上げのセーフティレバー、ロングマグキャッチ装備のスーパーマスターカスタムも1000丁限定で発売されている。
シルバーのアウターバレルにはライフリングも再現されている。インナーバレルは真鍮製。
スライド側面はポリッシュ仕上げ、上下はマット仕上げとなっている。
MMCのリアサイトはフルアジャスタブル。ブレードはスクウェアノッチでボーマーのように見やすいが、エレベーションスクリューの頭が飛び出していて視界に入る。
スライドには米国の射撃競技IPSCとM759 Super Masterの刻印。
トリガーガードはスクエアタイプで滑り止めのチェッカリングが鋭い。トリガーは金属製でシングル、ダブルアクション可能。トリガープルはダブルアクションで2.8kg、シングルアクションで2.6kgほどとあまり変わらず、むしろダブルアクションのほうが滑らかに引ける印象だ。
スライドのセーフティレバーはアンビタイプで、こちらも軽く操作できる。スパーハンマーをハーフコックかフルコックしたときのみセフティオンにできるコック&ロック。
マガジン装弾数は15発。シューティングであれば十分なキャパシティだが、サバゲー用途では少し物足りない。樹脂製の大きなマグバンパー、メッキされた金属製のマグウェルなど、素早いマグチェンジが可能だ。
スライド固定で、トリガーを引くとインナーバレルが後退し、マガジンのBB弾をチャンバーにセットする後座式だ。残念ながら本個体は初速が全く出ずに弾ポロしてしまい、実射はほぼできない状態だったが、本来であれば初速は0.2g弾で50m/s程度あるはずだ。
艶のあるブラックとゴールドでデザインされた高級感のあるパッケージ。
イラストが楽しいMGCのマニュアル。モデルガン時代から続くMGCのSWオートの歴史が解説されている。
マニュアルPDF(1.58MB)
DATA
発売年 | 1986年6月28日 (M459) 1986年秋 (M659) 1986年冬 (M459 リミテッド・エディション) 1986年12月上旬 (M559) 1987年1月 (M759 スーパー・マスター・カスタム) 1987年3月上旬 (M759 スーパー・マスター) |
発売時価格 | ¥9,200 (M459) ¥11,000 (M659) ¥18,000 (M459 リミテッド・エディション) ¥7,300 (M559) ¥22,000 (M759 スーパー・マスター・カスタム) ¥12,000 (M759 スーパー・マスター) |
全長 | 実測 217mm |
重量 | 実測 828g |
バレル長 | 120mm スペック値 |
発射方式 | リキッドチャージ式スライド固定ガス |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 15発 |
平均初速 | -m/s |
撮影協力:ミリタリーグッズ.com
■関連リンク
ビンテージ エアガン レビュー TOP