コクサイ M16-A2 マシンピストル
写真&解説 YAS
解説
パトリオットと呼ばれるM16を極端に短くカスタムしたピストルサイズのモデルがある。コクサイはこのモデルが気に入っていたのか、セミオートガスガンのM16シリーズ、そしてこのセミ/フルオートガスブローバックのM16A2シリーズにおいてもモデルアップしている。
基本構造は以前に紹介したM16A2カービン同様で、タニオコバ監修によるブローバックユニットと、コクサイ独自の固定ホップアップ機構「スナイピングシステム」を搭載するリキッドチャージ式マガジンのガスガンだ。
当時ガスブローバックモデルは、各社ハンドガンが中心で、ストロークの長さやボルトキャリアの重量からガスの冷えを招きやすい長物が市場に少なかった中、意欲的な取り組みだったと言える。
サバゲーで扱いやすいコンパクトなスタイルで、ゲーム『メタルギアソリッド3』でも登場し、一躍脚光を浴びることとなるが、コクサイの本シリーズはガスブローバックという特性上、作動性、実射性能、装弾数など、大ヒットした同社のガスセミオートM16シリーズや、当時フィールドを席巻していた電動ガンにはかなわず、短命に終わった。
M16A2のアッパーレシーバーを採用しつつも、ロアレシーバー形状はA1スタイルが残るなど、輸出用スポーターモデルのようなスタイルのコクサイM16A2。レシーバーは樹脂製で、特徴的なマズルブレーキと円筒形ハンドガード、ストックレスのスタイルは現在でも人気が高い。
大型のマズルブレーキはダイキャスト製、ローレットの刻まれたアルミ製ハンドガードは経年劣化のためアルマイトが少しグリーンに見える。ハンドガード下にはオプションのバイポッドを取り付けられるようにスイベルスタッドが装備される。
キャリングハンドル付きのA2アッパーレシーバー。フロントサイトがバレル側にないので、キャリングハンドル先端にロールピンが打たれており、簡易フロントサイトとして使用できるが狙いにくい。リアサイトはA2タイプのフルアジャスタブル。
トリガープルは800gほど。ボルトキャッチはダミーでホールドオープン機能はない。セレクターの感触はよく、反対側のインジケーターも機能する。残念ながら本個体は故障しており実射はできなかった。
ストックレスではあるが、リコイルバッファチューブを残したスタイル。前シリーズのセミオートガスガンからの流用パーツであるため、外部ホースコネクタ用の穴が開いている。
ボルトの後退量は半分ほどで、ノズルも見える。ストロークを短くすることで燃費と作動性を上げたかったのだと思われる。ポートカバーには留め具が無く開きっぱなし仕様。
ボルトキャリアはテイクダウンして簡単に取り外せる。リコイルスプリングはレシーバー内で完結しているが、ブローバックするとバッファチューブ内に真鍮製のガイドが飛び出してくる。
マガジン装弾数はリアルカウントの30発、重量は約600g。スチールプレスのケースに亜鉛ダイキャスト製タンクで、現在のガスブローバックと比べてもずいぶんと重い。
セミオートモデルを流用したパッケージは幅63cmほど。JASG(日本エアースポーツガン協会)の検定合格証や、97年登場のブローバックモデルのシールが貼ってある。側面にはAPS競技用銃と印刷されている。
コクサイのM16エアガンシリーズは大きく分けて4世代ある。
第一世代は1983年発売のスーパーウエポンシリーズ、
第二世代は1986年発売のガスセミオートシリーズ、
第三世代は1991年末発売のBV式のウニクロユニットを搭載したセミ/フルオート、
第四世代が1997年発売の今回紹介したガスブローバックシリーズだ。
DATA
発売年 | 1997年9月 (M16-A2カービン) 1997年11月下旬 (M16-A2マシンピストル) |
発売時価格 | ¥32,800 (M16-A2カービン) ¥29,800 (M16-A2マシンピストル) ¥32,800 (M16-A1ベトナムウォーリア) ¥32,800 (M16-A2アサルトライフル) |
全長 | 実測 552mm |
重量 | 実測 2,505g |
バレル長 | -mm |
発射方式 | ガスブローバック |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 30発 |
平均初速 | -m/s |
撮影協力:ミリタリーグッズ.com
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