コクサイ M16A2 カービン
写真&解説 小堀ダイスケ
解説
1970年代前半、日本ではじめてM16ライフルのトイガン(モデルガン)を発売したのがコクサイ(国際産業)だった、という事実をご存知だろうか。もともとは国際ガンクラブという名前で、旧月刊Gun誌の版元だった国際出版と母体を同じくする会社だった。だからと言うべきか、コクサイは最後までM16系の製品にこだわったトイガンメーカーだったのである。
今回紹介するM16A2カービンも、ニューコンセプト ガスブローバック M16シリーズと銘打ってラインアップされたエアガンのひとつで、リキッドチャージマガジンにガスブローバックという、エアガンファンが求める理想型に限りなく近づいた意欲作で、コクサイが設計、タニオ・コバが監修した毎分700発を謳うフルオート・ブローバック ユニットを搭載した。
2000年代に入るとWAやタニオ・コバ、東京マルイなどが続々とM4系のガスブローバックエアガンを製品化することになるが、その元祖的存在のひとつだったと言っても過言ではないだろう。
しかし、サバゲーで使用するには実射性能が低く、スペアマガジンが高価であることなどから、ヒット作とはならなかった。コクサイよりも前、1993年にはJACもガスブローバックのAR15A2ショーティーを発売しており、そのこともコクサイ製品の印象を弱める原因となっていたかもしれない。いずれにせよ、時はすでに電動エアガン全盛期へと突入しており、長物ガスブローバックガンの存在価値が感じられなくなっていたのは事実だった。
前述の通りコクサイはM16系トイガンのパイオニアであり、全体的な雰囲気を再現するのがかなり上手いメーカーだった。機種としてはM4カービンへの進化途中とも言えるM16A2カービンだが、今見てもバランスのとれたデザインだ。
今回紹介するM16A2カービンのほか、M16A2アサルトライフル、M16A1ベトナムウォーリア、M16A2マシンピストル、CAR-15のバリエーションも発売された。
アウターバレルの作り込みや刻印などがリアルでパーティングラインも消してあり、製作には手がかかっている。
可動式のフロントサイトポストは実銃通りの角形。
アルミ製のアウターバレルにダミーのガスチューブ。アウターバレルが銀色のままなのはコストダウンのためだろうか。
ボルトキャリアのストロークはわずか43mmで後退後もノズルが長く残る。
フル可動のリアサイトが忠実に再現されている反面、ダストカバーの固定機能がないなど細部にはチグハグさが目立つ。
テレスコピック式ストックの動きはキビキビと小気味よく、このあたりは老舗メーカーの実力を感じる部分だ。
コクサイM16系マガジンの形状はどれもカーブが若干ゆるいが、スチールプレス製で存在感はある。
マガジンボトムプレートの刻印はかなりリアル。ガス注入のための穴が開けられているのは仕方ないが少々残念だ。
ガスルートのパッキンと真鍮製のバルブが見える。マガジン単体で590gとかなり重い。
DATA
発売年 | 1997年9月 |
発売時価格 | ¥32,800 |
全長 | 実測 764mm~842mm (ストック伸長時) |
重量 | 実測 2,900g |
バレル長 | 377mm |
発射方式 | ガスブローバック |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 35発 |
平均初速 | -m/s |
撮影協力:サタデーナイトスペシャル
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