ファルコントーイ H&K MP5K
写真&解説 YAS
解説
ファルコントーイはエアガン黎明期からMP5にこだわり続けていたメーカーだったことはこれまでにも触れてきた。
ファルコントーイのMP5はハンドガードをポンプアクションさせるカート式エアコッキングのMP5K/MP5SD3が第一世代で、それをベースにフルオートガスガン化した本モデル MP5K/MP5SD3が第二世代、外観を刷新しボックスマガジン給弾化したガスガンのMP5SD3アグレガード/MP5Kディスクレートが第三世代、そしてバルグシステムを搭載した電動ガンが第四世代といった進化を遂げてきた。
1986年に発売されたファルコントーイ初の本ガスガンは、フルオートのみのシンプルなユニットで、発射機構はアサヒBV式のパテントを回避したサブチャンバーを持たない垂れ流し式だ。そのため弾が連続で噴き出す程度の性能であったことは否めない。
当時、エアコンの冷媒として使用されていたフロンR12を、エアガンのパワーソースとして使用したモデルが各社から続々と発売された。JAC バトルマスター、MGC M93R、WA AR7といった伝説的なモデルに続き、マルゼン、マルコシもセミオートガスガンを発売する。ファルコントーイもまた自社の看板商品であるカート式エアガンMP5Kを基に、ガスガン化の波に乗るべく舵を切ることになる。
本モデルの次に発売されたバリエーションのMP5SD3ではセミ/フル切り替え式のスイッチを搭載し、簡易的にガスをカットするセレクティブファイア機構が備わった。
フロントサイトは樹脂製。豆粒のように小さいコッキングハンドルと、前モデルではコッキングのために前後したハンドガードは固定されている。インナーバレルはアルミ製だ。
BB弾はフロントサイト下のキャップを開け、弾を流し込む密閉型チューブラーマガジン。給弾スプリングはなく、バイパスチューブからガスが流れて弾がチャンバーへ押される仕組み。カタログスペック上、マガジン装弾数は50発となっているが、実質55発ほど入る。
リアサイトはドラムタイプの金属製で回転させることもできる。レシーバーエンドにはスリングスイベルが装備される。
セレクターは一見して3ポジションに見えるが、S(安全)とF(発射)のみに切り替わる。トリガーは金属製だ。
セレクターは貫通しておりインジケーターとして機能する。マガジンハウジングにはモデル名とともに、ファルコントーイの旧商号であるニッシン産業の刻印がある。エジェクションポートは前モデルでは排莢のため可動式だったが、固定されている。
本来のマガジンは取り外すことはできるが、ガワだけのダミーとなっている。
グリップ底部にはガスのコネクターが飛び出し、付属の6mmホースを接続してフロンガス缶を繋ぎ、外部ソースとして運用する。残念ながら現在のガス缶はノズル長が合わないので実射は行わなかった。
パッケージは紺色を基調とした玩具っぽくない雰囲気だが、FULL OUTOとスペルミスがあるのがお茶目。パッケージにはコットンスリング、BB弾、ターゲットペーパーも付属している。
取説は写真付きで詳しく解説されている。マニュアル.PDF (19.5MB)
DATA
発売年 | 1986年冬 (MP5K) 1988年4月下旬 (MP5SD3) |
発売時価格 | ¥7,980 (MP5K) ¥9,900 (MP5SD3) |
全長 | 実測 380mm |
重量 | 実測 775g |
バレル長 | -mm |
発射方式 | 外部ソース式ガスフルオート |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 50発 |
平均初速 | -m/s |
撮影協力:ミリタリーグッズ.com
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