WA AR-7 サバイバル・ショーティ
写真&解説 小堀ダイスケ
解説
WA AR-7シリーズのルーツは、1982年に発売された5mmキャップ火薬使用のモデルガンにまでさかのぼる。当時、22口径は売れないと言われていた業界のジンクスを打ち破り、かなりのヒットとなった名作だ。
その後エアガンブームがおとずれ、モデルガンメーカーだったWAにとって初のエアガンが、AR-7 スナイパー・カスタムだった。これは、モデルガンの型を利用して作られたガスガンだったが、発売当初モデルはトリガー後端で直接バルブを開放するメカだったため、あまり初速が安定しなかったようだ。のちにバルブを叩く一般的なインパクトバルブメカに改良され、名称もAR-7 ハイパワー・カスタムとし、実射性能が上がるとともに、各種バリエーションが作られていった。
そのひとつがこのサバイバル・ショーティというわけだが、パッと見ただけでは元がどんなモデルだったのか分からないほどだ。マルゼンのKG9など、サバゲーで活躍するエアガンのほとんどがサブマシンガン型だったことを考えると、この進化はある意味当然の結果だったのかもしれない。
サバイバル・ショーティと同時に、ガス・ピストルというハンドガンも発売。ハンドガンからはじまって長くなっていくバリエーションは多いが、その逆をたどったモデルは珍しい。ちなみに、実銃の開発メーカーはアーマライト社で、その後チャーターアームズ、サバイバルアームズなど数社によって製造された。
いかにもアンダーグラウンドな雰囲気がただよう。サバイバル・ショーティというネーミングも秀逸だ。
この個体はレシーバーにO.D.カラーの塗装が施されているが、本来ならオールブラック仕上げである。
リアサイトはスタンダードなAR-7はピープサイトだったが、サバゲーでも素早く狙えるスクエアノッチに変更されている。グリップ右側にはセフティがある。
レシーバートップのリブが端正なイメージをかもしだす。ガスガンに必要のないチャージングハンドルは省略された。
アルミ製のバレルジャケット。無数に空いたクーリングホールがいかにも戦闘的だ。
プラ製のコンペンセイター。実銃の.22LRには必要のない装備だが、WAは昔からこうしたデザインがとても上手かった。
モデルガンや初期のガスガンではスチールプレス製だったトリガーは、内部メカの変更とともに亜鉛ダイキャスト製へ変更された。
ガスはグリップ下からチャージする。のちにガスボンベを直結できるマッドドッグというバリエーションも発売された。
グリップと同型のフォアグリップ。しかっかりと固定されており両手で扱っても不安はない。
プラ製の30連マガジン。幅は広いがガスは入れられず、BB弾だけを収納する。
manual.pdf (2.24MB)
DATA
発売年 | 1985年4月27日 AR-7 スナイパー・カスタム 1985年10月26日 AR-7 サバイバル・ショーティ 1985年10月26日 AR-7 ガス・ピストル |
発売時価格 | ¥18,000 AR-7 スナイパー・カスタム ¥20,000 AR-7 ハイパワー・カスタム ¥9,900 AR-7 サバイバル・ショーティ ¥7,000 AR-7 ガス・ピストル |
全長 | 実測 438mm サバイバル・ショーティ |
重量 | 実測 1,170g サバイバル・ショーティ |
バレル長 | 256mm カタログ値 サバイバル・ショーティ |
発射方式 | リキッドチャージ式ガス |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 30発 AR-7 サバイバル・ショーティ 15発 AR-7 ガス・ピストル |
平均初速 | -m/s |
撮影協力:サタデーナイトスペシャル
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