JWCSの月例会に行ってみた!
2014年5月10日、茨城県のサバイバルゲームフィールド、特殊作戦群区内にあるシューティング施設で毎月開催される、JWCSスピードシューティングマッチの月例会に参加してきたのでレビュー。JWCSってなに?
JWCSとはJapan West Coast Steelの頭文字をとったもの。ジョークスと呼ぶ。何とも冗談のような名前のシューティングマッチではあるが、米国カリフォルニア州で2014年から開催されるシューティングマッチのエアソフトガンバージョンだという。
もともとスティールチャレンジというカリフォルニアで1970年代からの長い歴史を持つシューティングマッチがあり、2004年にはマック堺氏が日本人初のチャンピオンに輝くという快挙を成し遂げている。
このスティールチャレンジが2011年を最後に開催権が譲渡され、カリフォルニアとフロリダでの2拠点開催となる。そしてアメリカ西海岸のカリフォルニアではウエストコースト・スティール(WCS)として開催されていたが、2014年より、ステージセッティングを全面刷新して開催されることになったのだ。
この話を筆者が聞いたのが2014年1月。ちょうどショットショー取材でカリフォルニアの永田市郎氏宅を訪れていた時だ。同じくこの時、市郎宅を訪れていたGunsmithバトンの大塚社長から日本でもエアガンを使用したWCSのエッセンスを詰め込んだ新しいシューティングマッチを開催したい! という話を聞く。
その話からわずか3ヶ月ちょっと。あっという間に施設、ルールが出来上がり、Gunsmithバトンによる運営が開始された。なんという早さ。茨城県稲敷市の特殊作戦群区内にある巨大倉庫がJWCSの施設となる。
施設内にはJWCSの7つのステージとBOG TENと呼ばれるエクストラステージ、そして多目的ステージが1つ、計9つのステージ(ベイと呼ばれている)が常設されている。
これだけの規模で常設営業しているシューティング設備は日本初、日本最大じゃなかろうか。
JWCS 7+1のステージ
それではJWCSの7+1のステージを紹介していこう。
ステージはすべて5枚のプレートで構成され、合図とともにホルスタードローして的を撃ち、最後にストッププレートを撃ってタイムを計測。これを5回繰り返してもっとも悪かった1回のタイムを除外した合計がステージタイムとなる。
STRAIGHT STEEL。支柱に赤いテープが巻いてあるストッププレートは中央。左右対称のステージ。奥のプレートまでは4.5m。私は単純に右から左へ流れて撃った。
的の直径が10cmと小さいので、アンリミテッドなどに比べると難しく感じた。
GOOD, BAD & UGLY。これも左右対称のステージ。大きめの15×20cmのラクタングル(四角)プレートが左右にあるので初弾は早く撃てる。これも右から左へ流して撃った。
WILD BUNCH。右端のラクタングルから撃って左に流すのだけど、丸いプレートを外しやすくテクニカルなステージ。
PICK IT UP。右端がストップターゲットなので、左端から右へ撃った。
WHIPLASH。左の近いターゲット2枚を撃ち、右奥のラクタングルへ撃った。その名の通り、鞭のようにしなやかに撃ちたいステージだが、ライフルだと近すぎてパララックスが出たりして意外と難しい。
SPRAY AND PRAY。4枚のラクタングルからなる高速ステージ。タイムを縮めるために飛ばしたいところだけど、ストッププレートが外しやすい。これも右から左へ撃った。
BLAZE OF GLORY。ストッププレートが左端なので右から左へ撃つ。ストッププレートの10×13.5cmの小さいラクタングルがプレッシャー。しかも距離は6mと遠い。
ちなみに全プレートに音感式の赤色LEDが設置されていて、弾が当たったかどうかを掴みやすい。
エクストラステージのBOG TEN。BLAZE OF GLORYの実銃WCSステージの右端のプレートをリアルサイズで再現したもの。距離13m、プレート直径は30cm。これをドローから撃ち、それを10回繰り返す。
各ステージにはホルスターを使用しないエントリークラスとライフルクラスのための赤い小さな旗がある。この旗に狙いを付けたところからタイムを計測することになる。
9つのクラス分け
JWCSには9つのクラス分けがある。
オープンクラス、タクティカル、リボルバー、バックアップガン、カウボーイ、タクレット、エントリー、ライフル、マニュアルアクションの9つ。うーん、多くて覚えられない...。
オープンはドットサイトOK、タクティカルはアイアンサイトのみ、リボルバー、この辺りは良いとして、バックアップガンというのは、公式サイトによるとデトニクス、G26、もしくは3インチリボルバーを最大サイズとする、とのこと。つまりちっちゃい銃のクラスということみたい。光学サイトもOK。
タクレットというのは市郎Gun団が推すTUFFプロダクツ製のガンポーチ。このタクレットから銃を抜いて撃つクラスが専用に設けられているあたりは市郎Gun団カラーの強いマッチと言えるだろう。
エントリーというのはホルスターのない初心者向けのクラス。銃だけあれば参加できるという敷居を下げた形。マニュアルアクションはポンプアクションショットガン、ボルトアクションライフル、レバーアクションライフルなどの手動装填式の銃によるクラス。
多目的ステージ。ジャパン・スティール・チャレンジやアンリミテッドなど自由に組み替えて練習することができる。また今後ここにJANPSのムーバーターゲットや、プレートマスターズの6連フォーリングプレートも設置されるとのことで、日本国内のあらゆるシューティングマッチに対応できる施設となるそうだ。
多目的ステージ横には各マッチのコース図と各種サイズのプレートが用意されている。
各ベイのシューターボックスにはカーペットが敷かれ、仮に装備を落としたとしても被害を最小限にする配慮がされている。その他ドラム缶とスコアラー用のテーブルとパイプ椅子がある。
さらに各ベイには倉庫外に設置されたコンプレッサーから圧縮空気が送られていて、ホースを外部ソース対応マガジンに繋いで自由に使用することができる。
外部ソースのメリットとしては、一定の圧力で撃てるのでリコイルの感覚が一定、また各マガジンにリキッドチャージする手間やコストが省けるなどの利点があるものの、一方でホースの取り回しが気になったり、ストリング中にBB弾をロードする手間があったりということもある。
タイマーはPACT Club Timer IIIが使われている。全プレートにセンサーが設置されているので、初弾のスピードを確認することもできる。
スコアシートは従来通りの手書きだが、各スクワッドにタブレット端末が渡されてオンラインでの集計システムが導入されている。
この日はなんと、マック堺さんと同じスクワッド!! とても嬉しく、そして緊張しましたよ。
4人掛けのテーブルが8卓あり、合計32名が収容できる。
その他設備としては特殊作戦群区と共有なので水洗トイレやドリンクの自販機、電子レンジやポットなど使用することができる。またBB弾やガスもフィールド内のミニショップで購入可能。
この日はJWCS初の月例練習会とあって、上矢ゆいさんや乙夜さんも参加。乙夜さんは競技系のシューティングは初体験だったようだが、とても楽しんでいた。
またこの日はSATマガジンはもとより、ピースコンバットの取材も行われた。
シューティング初体験のピースコンバット井上編集長にシューティングのお作法を"やさしく丁寧に"教えるSATマガジンの石井さん。2誌がシューティングを通じてコミュニケーションを取るのはちょっと珍しい光景? 井上編集長もたいへん楽しんでおられて、次回は自分で銃やホルスターをすべて用意して参加したいとのことだった。
この日月例会に参加したシューターの皆様。お疲れ様でした。チームSATのメンバーはおそろいのポロシャツ!
今回私の合計タイムは89.48秒。うーん...まだまだだなぁ。大会では85秒くらいを目標に頑張ろう。
さて、この日の月例会に参加した感想を。
シューティング設備としては他に類を見ない充実した大きな施設、そして常設で営業されているので好きな日に撃ちに来て自由に練習できるのは嬉しい。
ステージを組み替える手間もなく、サクサクと各ステージを回れるので練習の効率はとても良い。
BB弾の後片付けもスタッフがやってくれるので、実に快適なシューティングレンジ。
またこの練習場所がそのまま7月上旬に予定されている大会の開催場所となるので、環境的にはとても恵まれている。
ただ、難点は場所が遠いこと。普段のサバゲーフィールドと比較しても遠く、日頃都心のシューティングクラブで練習をしているシューターからしたら高速代やガソリン代のことも考えると練習に通うこと自体が負担と考えてしまうかもしれない。
まあ、遠いと言っても都心からだと高速使って1時間半程度、これをどうとるか?
ま、とにかく、一度はこのシューティング施設に足を運んでもらいたい。
茨城県稲敷市伊佐部762
TEL 0299-94-8908 (特殊作戦群区)
営業時間 10:00~18:00
※JWCS公式レンジ営業日・営業時間は基本的に『特殊作戦群区』様に準拠します。
http://jwcs-shooting.com/
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