実銃レビュー M40A3 米海兵隊スナイパーライフル
2016年5月に開催された静岡ホビーショーで東京マルイからエアーコッキング式のボルトアクションライフル、M40A5が発表された。そこで今回は、ラスベガスの実弾射撃デザートシューティングツアーで実際に民間人が射撃可能な、実銃のM40A3をレビューする。民間ベースのM40A3タイプではあるが、性能はほぼ同等のライフルである。
ベトナム戦争までウインチェスターM70を使用していた米海兵隊は、それ以降レミントンM700ヘビーバレルをベースにM40として採用し、M40は独自に改良され現在に至る。
当時アメリカ陸軍がM14自動小銃をベースにM21スナイパーライフルを採用するのに対して、ロングレンジでの射撃性能を求め、ボルトアクションライフルにこだわったのも海兵隊ならではと言える。
デザートシューティングツアー所有のM40A3は民間用のM700/5Rタクティカル (24インチ)がベース。そのためM40系に比べ、わずかにバレル径が細いがスペック的にはほぼ同等となっている。
口径は.308WIN。弾頭重量150グレインで初速2822fps/エネルギーは3609J、168グレインでは2622fps/3485J、175グレインでは2688fps/3665Jとなる。
なお、最新のM40A5ではSUREFIRE製の762SSAL/REマズルブレーキが装着されている。
左がNATO規格の7.62 × 51mm(M80)弾で、右が.308Win弾。ほぼ同形状ではあるがケースや弾頭形状がわずかに異なる。海兵隊では7.62mm弾のM118LR(Long Range) 175grを使用しているそうで、これは性能的には.308Win 168gr Matchと同等と言われている。
ストックはもちろんMcMillan A-4 タクティカルスナイパーストックが装着される。米海兵隊用に開発された本ストックは可動式のチークピースを装備し、バットプレートはスペーサーにより長さを調節できる。また、ピストルタイプのグリップは繊細なトリガーフィーリングに向いている。
このM40A3にはBadger Ordnace社製のM5脱着式ボックスマガジンが装着され、素早い装弾や速射が可能。装弾数は5発。トリガーはレスポンス抜群のTimney製の3.0lbマッチ仕様となっており、800m先のシルエット・ターゲットへも確実に弾を送り込む性能を有する。
M40にはハリスのバイポッドが似合う。スコープはSWFA SS 10x42M Tactical Riflescopeが搭載される。900mの距離においても視覚的に一番使いやすい倍率なのだそう。
命中精度は100mで25mmを下回る。
実銃のボルトアクションは非常にスムーズで堅牢に作られている。軟なエアガンのように親指をボルトエンドに当てがって引く必要はない。ボルトハンドルを握って確実に操作すればOKだ。
デザートシューティングツアーでは100mのショートレンジから最大900mまでの長距離射撃が可能。
射撃後のメンテナンスはインストラクターの中井さんが行ってくれる。
-M40A3データ-
口径:.308Win/銃身長:610mm-6条1:12/全長:1124㎜ 重量:7500g
装弾数:5発/作動方式:ボルトアクション/販売価格:4800USD
写真提供:デザートシューティングツアー
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