タナカ ワークス ガスガン コルト パイソン .357マグナム 4インチ “R-model”

タナカ ワークス ガスガン コルト パイソン .357マグナム  4インチ “R-model”

レポート:戸井源太郎

今回のレビューは強力な.357マグナム弾をぶっ放すコルト パイソンです!
もちろん実銃ではなく、画期的なガスリボルバーのペガサスシステム搭載のタナカのパイソンです。
タナカのパイソンはペガサスシステムの第二弾として2000年に発売された息の長いモデルですが、今回、最新バージョンのR-modelとして再登場しました。早速、レビューしたいと思います。

蛇の名称を持つマグナムリボルバー
COLTの蛇のペットネームを持つマグナムリボルバーの代表格といえば、パイソンでしょう。1955年に発売され、威力、信頼性の高さから1970年代までは圧倒的な人気を誇っていました。しかも各所に職人による手作業での調整された高級リボルバーでした。
パイソンは現在でも人気がありますが、すでに生産は終了しています。生産数が多かったため、中古市場でかなり流通しており、新規に生産するほどではないようです。優秀な職人がいないということも要因のひとつのようですが...。
その分、パイソンはコレクターズアイテムとしての要素が高く、状態のよいものは、かなり高価で取引されています。

サイドビュー 左
サイドビュー 右
リボルバーの人気機種TOP3には入るであろうコルト パイソン。
表面処理には光沢あるタナカ独自の“スチール・フィニッシュ”が施され、1970年代のコルト ロイヤルブルー・フィニッシュの雰囲気を再現しています。BB弾の発射メカニズムはペガサスシステムのR-modelになります。
R-modelは金属サイドプレート、インナーシャーシが新しくなり、見た目と内部メカをリニューアルし、よりリアルさが増しました。
バリエーションとしてバレル長、2.5、3、4、6インチがあり、それぞれスチールフィニッシュの他にHW、シルバーモデルのニッケルフィニッシュがラインナップされています。

BBローダー
シリンダーがガスタンクになっているので、通常、ガス缶とフレームが干渉してガスが注入できません。そのための延長パイプと専用のBBローダーが付属します。BBローダーは目盛があるので、装弾数分だけ装填できて便利です。

フレーム左
.357マグナムのビックサイズのシリンダーとそれを支えるIフレームは迫力満点です。そして光沢あるブラックの“スチールフィニッシュ”は実銃より美しく仕上がっていると思います。フレームの「跳ね馬」の刻印も美しく再現してあります。

フレーム右
またピンやビスの隙間からオイルが滲み出てくるのがこれまたリアルです。ABS製のスチールフィニッシュながら、実測重量は838gもあり、マグナムリボルバーらしいズシリとした感触です。Rモデルとなって内部メカが刷新され、よりリアルな構造になるとともに、フレーム強度も上げられ剛性が高まりました。

バレル左
バレル右刻印
.357マグナムの大口径のマズルにパイソンの特徴といえるバレル上のベンチレーテッドリブ、さらにマズルまでに及ぶエジェクターロッド・シュラウドと図太いバレル周りに圧倒されます。このバレル全体の重量で射撃時の跳ね上がりをいくらか抑制しています。バレル左面には「PYTHON .357 / ☆ 357 MAGNUM CTG ☆」、右面には「COLT’PT.F.A.MFG.HARTFORD.CONN.U.S.A.」と実銃と同じリアル刻印が施されています。

トリガー
美しいカーブのトリガーガードに厚みがあり頑丈そのものトリガーです。R-modelになってトリガーメカがよりリアルに変更されたとのことです。

ハンマー
大型のスパーにはチェッカリングが施された迫力あるハンマーです。もちろん実銃同様、シングル、ダブルアクションで射撃できます。ハンマーの動きは非常に滑らかです。もちろんトリガーも同様です。

サイト
フロントサイトは大型でセレーションが入っています。銃本体上面は反射防止のシボ加工が施されています。リアサイトも忠実に再現していて、実銃と同じく上下左右に調整可能です。

ラッチ
シリンダーの後ろにあるシリンダーラッチを引くとシリンダーをスイングアウトできます。サイドパネルはRモデルで金属パーツ化され、シリンダー外装も金属製で硬質感がたまりません。ちなみにコルトのシリンダーはS&Wとは逆の時計回りで回転します。

シリンダー
シリンダーはマガジンとガスタンクを兼ねています。後端にはカートのリムが別パーツで再現されています。

ケースレス仕様
タナカのペガサスシリーズはケースレス仕様です。このパイソンは装弾数が6発ではなく、倍の12発撃てます。矢印の部分のみBB弾が7発装填できます。他のシリンダー部にBB弾が各1発ずつ、計12発となります。

ガスの注入
ガスの注入はシリンダーを回転させて、「GAS」と表記されているリムを写真の位置に持ってきます。付属の延長チューブを使用してガスを注入します。ガスは1~2秒程度の注入で十分です。ガスが吹き返すほど満タンに入れてしまうとガスの気化スペースがなくなり、圧力が確保できないので初速が下がってしまいますので注意が必要です。

グリップ
両側にコルトのメダリオンが嵌められたチェッカリング グリップも忠実に再現しています。一見リアルウッドと見間違えそうですがプラ製です。またタナカのペガサスリボルバーは実銃のグリップも装着可能なのも魅力です。> パイソン用木製グリップの一覧をみる

実射テスト

実射テスト
テストは距離20mと30m先のマンターゲットで行いました。弾は東京マルイのベアリングバイオ0.2g弾を使用しました。
弾道は20mでマンターゲットに楽々ヒットできます。ただ、この個体は固定ホップアップが弱めだったので30mだと弾道がかなり山なりで、ちょっと厳しいかなという感じです。
弾道自体はとても素直で、ハンドガンでの現実的な交戦距離、距離10mなら空き缶に必中しますので、サバゲーでもサイドアームとして戦える精度があります。ガスハンドガン、しかもリボルバーなら十分な性能と言えるでしょう。
撮影時は11月半ばで、ガスガンには辛い季節になりつつありましたが、作動も問題なく、ペガサスリボルバーのポテンシャルの高さを実感できました。

リアルな外観
エアソフトガンとしての実射性能を十分有しているだけでなく、タナカ製品にいえることは、リアルな外観、リアルなメカニズム、美しい仕上げを挙げることができます。
BB弾の発射メカニズムをシリンダーに集約することで、滑らかなハンマー、トリガー、シリンダーの動きを実現したペガサス システムはそれまでのガスリボルバーの概念を覆した画期的な機構です。
そして実銃以上に美しく仕上られている外観はもはや工芸品といっても過言ではありません。

カート式でないリボルバーなので好き嫌いが分かれるところですが、サバゲーでオートマチックピストルに交じってガンガン戦えるペガサスリボルバーはその装弾数の多さもあって頼もしい相棒になります。

総評

総評
日本メーカーのエアソフトガンというとその流通量からいっても東京マルイが筆頭ですが、ことリボルバーに関してはタナカ製品は世界的に見てもトップクラスの製品をラインアップしています。
特に最近、東京マルイの24連射のガスリボルバーシリーズが生産終了になってしまいました。これからサバゲーで戦えるリボルバーとしてタナカの注目度が上がってくることは間違いないでしょう。
『シティハンター』など、漫画やアニメで人気のパイソンは、コレクションしておきたいエアソフトガンの一丁です。
価格はガスハンドガンとしては少し高めですが、この完成度の高さなら納得できます。

実銃の世界ではすでにパイソンの生産が終了し、アンティークのコレクターズアイテムになっているのに、日本ではトイガンで新製品として21世紀でも発売されます。しかも年々性能が向上して! 実は日本って銃好きには恵まれた環境ではないでしょうか?

スペック


全長 243mm
重量 840g
銃身長 -mm(インナーバレル長)
装弾数 12発
価格 26,800円(税別) (スチールフィニッシュ Rモデル)
発売日 2016年1月 (Rモデル)
2018年4月 (スチールフィニッシュ Rモデル)
動力源 リキッドチャージ式ガス
初速 最高:60.63m/s
平均:58.89m/s
最低:57.37m/s
ジュール:0.347J

※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ固定、室内10発での測定、気温23.5度、湿度64%、XCORTECH X3200 Mk3にて測定。パーツリスト.JPG (1.9MB)

撮影協力:TANAKA WORKS、ビレッジ1

2019/12/19


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