東京マルイ エアガン コルト M1911A1ガバメント HG/HOPUP
サバイバルゲームをするなら1丁は必ず持っておきたいエアガンシリーズがある。それが今回紹介する東京マルイのエアコッキング・ハンドガンシリーズだ。エアコッキング、つまり、ガスや電気といったパワーソースに頼らずに、手動でスライドをコッキングして空気を圧縮し弾を発射する最もシンプルな仕組みのエアガン。東京マルイのエアコッキングシリーズは1985年12月14日に第1弾のルガーP.08が発売された。マルイがそれまで発売していたP08のスプリングガン(バネの力でストライカーを前進させ鼓弾を発射する)を時流に沿って進化させた、ケースレス式の6mmBB弾仕様のエアガンだ。
当時、他社が5,000~6,000円の価格帯でエアコッキングガンを発売する中、エアガンメーカーとしては後発であったマルイは、1,900円という超低価格で当時のサバゲーマー達に大きな衝撃を与えた。1,900円シリーズの愛称でも呼ばれる本シリーズは、アルミバレルを採用し集弾性も良く、その低価格もあってベストセラーとなった。
初期のモデルはホップアップがなく、マガジンリップも無かったが、その後10歳以上対象モデルも含めて急速にバリエーションを増やしながら改良され、1992年5月に発売されたグロック17では固定ホップアップが初めて搭載された。
実に30年以上の歴史を持つベストセラーシリーズは現在18歳以上用が30モデル、10歳以上用が24モデルをラインアップ、今回はその中でも人気の18歳以上対象のコルト M1911A1ガバメント 【ハイグレード/ホップアップ】をレビューしよう。
スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||
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実銃のコルトM1911A1は1911年に米陸軍に制式採用されたオートマチックハンドガン。マンストッピングパワーに優れる.45ACP弾を使用し、装弾数7+1発。1985年にベレッタM9へ制式の座を譲ってもなお、現在も米軍に使用され続け、民間モデルも含めて数えきれないほどのクローンを生んでいる。
マルイのエアコキのコルトガバメントは18歳以上用では2種類ある。ノンホップ、割り箸マガジンの[1,900円(税別)]と、今回紹介する固定ホップアップ付き、フルサイズマガジン仕様のハイグレード[3,500円(税別)]だ。またローパワーの10歳以上用では固定ホップ付き割り箸マガジンタイプ[2,500円(税別)]がある。
パッケージ。パッケージサイズは28.5cm×17.5cm×5cm。
パッケージ内容は本体、マガジン、保護キャップ、取説とBB弾少々。
スライドフレーム共にプラ製ながらスライドはパーカーグレーの塗装仕上げ。刻印も同社ガスブロのものと同じで、雰囲気抜群。低価格シリーズとは思えない仕上がり。
アウターバレルもプラ製で光沢のある仕上げ。チャンバー部には何も刻印が無いが、スライドとの質感のコントラストがカッコいい。なおスライド長はガスブロに比べて2mmほど短い。
ガバ特有の.45ACP弾を撃ち出す大きなマズルを再現。バレルブッシングとリコイルプラグは一体の金属パーツとなっている。
フロント、リアサイトはスライド一体成形ではあるが、リアサイトなどはドブテイルの複雑な形状を上手く再現している。スライドが少し短いためか、フロントサイトはガスブロに比べて小さ目。
ハンマーもプラ製。コックすることができ、トリガーと連動してハンマーが落ちる仕組み。エキストラクターのモールド、ファイアリングピンも再現されるなど低価格なシリーズとは思えない。
サムセフティも実銃同様にライブ。ハンマーをコックしてのセフティオンはもちろん、実銃とは異なりハンマーが落ちている状態でもセフティを掛けることができる。セフティを掛けるとハンマーもロックされる。
グリップはガバ特有の形状をリアルに再現していて握りやすい。グリップパネルは内部に錘が入っていて、ガスブロとは互換性が無いが、サイズ自体には差が無く、ネジ周りの加工を行えば実銃用グリップも装着できるかもしれない。
ガバ特有の握り込んで解除されるグリップセフティも機能する。グリップ底部にはランヤードリングも備えるが、プラ製なので破損には注意したい。
チェッカリングの入ったトリガー。やはりプラ製だが、遊びがほとんどなく、ストロークが短いこともあり、DAオート系とは異なり、粘りはほとんど感じずにシアが切れる。
コッキングによってバネを圧縮するので、それなりの力がいるが、スライドの後退量は4cmほどとガスブロに比べて少し短く、カシャポン、カシャポンと連射も容易。
アウターバレルはショートリコイルも再現される芸の細かさ。
ハイグレードのマガジンはフルサイズでプラ製ながら内部に錘も入っていて重量は80gあり、マグキャッチを押すとストンとマガジンが落下するのも良い。装弾数は25発とエアコキとしては十分すぎるキャパがある。
スペアマガジンも800円(税別)とリーズナブル。
マガジンを装着しての実測重量は395g。この軽さが軽快なフットワークをもたらしてくれる。
一応、スライドストップを引き抜けばスライドアッシーが取り外せてシリンダー、ピストン、スプリング、チャンバー、バレル周りを分解することもできる。
さらにチャンバーのタッピングビスを2本外せばインナーバレルとチャンバーパッキンも分解できる。インナーバレルはアルミ製で長さは91mm。ホップパッキンを確認してみたが特に問題はなさそうだった。軽くオイルを拭き取って組み直す。
なお、これらの分解はメーカー非推奨なので修理や保証の対象外になる場合もある。自己責任で行ってほしい。
30mでの実射テスト
いつものビレッジ2のシューティングレンジ、30mでの実射テストを行った。動画を見てもらうと判るが、箱出し直後だったからか、マルイ製0.2gベアリングバイオBB弾で少し山なりながら素直な弾道で30m先のマンターゲットに確実にヒットできる集弾性を見せた。
スタッフからは「エアコキにしてはホップ弱すぎないか?」という意見が出た。確かにマルイの18歳以上用エアコキシリーズは0.25gBB弾が付属しており、固定ホップが強めに設定されているという印象があったが、今回の個体は0.2gでもやや弱めのホップだった。しかしながら使用し続けることでパッキン内側のオイルが飛び、ホップの掛かりが良くなる可能性もある。
事実、20年以上前に購入したSIG P228を現役でゲームに使用しているが、0.2gBB弾で伸びのあるド真っ直ぐな弾道を描き、いまだに30m先で上半身が狙えるほどの精度がある。いずれにせよ価格に対して命中精度の良さがこのマルイのエアコッキングの最大のウリなのだが、なかにはパッキンが不良のものもあり、最近インドア用に買ったノンホップの18歳以上用グロック17Lでは弾ポロ現象が頻発した。この辺りの品質が安定しないのは最近のマルイの気になるところではある。
初速は平均64.5m/sで、しかも上下差が1m/s内に収まるという安定度を記録。パワーソースを必要とせず、弾さえあればすぐ撃てて、軽くてかさばらないのでサバゲの荷物に一丁放り込んでおいても気にならないエアコキはサバゲーマーなら必携の一丁。
特に今回紹介したコルト M1911A1ガバメント HG/HOPUPはセフティの操作性、マガジンの出し入れのしやすさ、装弾数、コッキングのしやすさ、トリガーの切れの良さ、外観のリアルさとあらゆる面でバランスがとれており、万人にお勧めできるモデルだ。
エアコキオンリーのサバゲーをまだやったことが無い人がいたらぜひ一度試してもらいたい。走って、隠れて、撃って、そしてまた移動して、ときには走りながら撃ってと、サバイバルゲームの原点とも言うべきすべての要素が集約されるスリリングでスピーディ、濃密なゲーム展開が味わえるはずだ。
価格も安いのでぜひフィールドでも販売して、エアコキワンメイクゲームを定例会でも盛り込んでもらいたいところ。
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