東京マルイ ガスガン グロック22 【エアガン レビュー】

東京マルイ ガスガン グロック22 【エアガン レビュー】

2016年6月に発売された東京マルイのガスブローバックガン、グロック22をレビュー。

グロックと言えば言わずと知れた現代ポリマーフレームピストルの元祖であり、シンプルな操作と無骨なデザインが受け入れられ、世界中の軍隊・警察といった公的機関に採用されている。
もともと9mm口径で登場したグロック17のバリエーションモデルとして.40 S&W弾が採用されグロック22としてラインアップに加わった。
これが米国警察や、連邦捜査局などに「凶悪犯罪に9mm弾じゃマンストッピングパワーに欠ける、もっとパワーのある弾薬を!! でも.45口径は反動キツイからイヤ!」なんていう展開で90年代後半から採用されることになった。FBIは早くから9mmと.45ACPの中間口径に注目し、一時期は10mmオートなども採用を検討していたらしい。ただ、またここ最近になるとコストや汎用性の面から9mm口径に回帰する動きもあるようだ。

東京マルイ ガスガン グロック22 スペック & 初速データ
全長 202mm
重量 705g
銃身長 97mm(インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 25+1発
定価 15,800円(税別)
発売日 2016年6月15日

最高 76.08m/s
平均 74.71m/s
最低 73.06m/s
ジュール 0.558J
※東京マルイ ベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、気温25.3度、湿度49.0%、10発、X3200にて測定。

パーツリスト

東京マルイのガスブロのグロックシリーズは、2000年発売のグロック26を皮切りに、2006年にはフルサイズモデルのグロック17が発売、様々なバリエーション展開を経て本モデルで7機種目となる。
東京マルイのグロックシリーズ最新作がどのような進化を遂げたのかレビューしてみよう。

パッケージ
パッケージデザインは黒を基調としたモノトーン調。パッケージサイズは31.5cm×18.8cm×5.3cm。
今回もフライング・スクワッドにて購入。

パッケージ内容
パッケージ内容は本体、マガジン、フラットマグプレート、保護キャップ、フォロアーストッパー2個、クリーニングロッド、取説・パーツリストとBB弾少々。なお取説はグロック34のものが入っており、捕捉説明書としてグロック22の見開きペライチが入っている。

艶消し塗装仕上
ベースはフルサイズのグロック17で、メカニズム的には最新のグロック34を踏襲している。艶消し塗装仕上げのスライドにはモデルナンバーである22と、.40口径を示す刻印が入っている。

ホールドオープン
ホールドオープン。箱出しだからか、スライドをジャキッと引くと結構な重さを感じた。

フロント、リアサイト
フロント、リアサイトは固定式。ホワイトドットはいかにもプリントと言った感じで安っぽいが、気になるようであれば社外品のカスタムパーツに交換してしまおう。チャンバーにも.40の刻印が入る。側面のシリアル刻印もグロック22オリジナル。

マニュアルセフティ
ダストカバー部に入るシルバーのシリアルナンバープレートはマルイのガスガンオリジナルのマニュアルセフティとなっている。後ろに下げてセフティオンとなりトリガーがロックされる。素早い切り替えができず、アンダーレールにライトなどを搭載すると操作できなくなるので不便。

X300ウエポンライトを装着
SUREFIRE製のX300ウエポンライトを装着。レール部がかなりキツキツで、ライト側のレール取り付けネジを少し緩めないと装着できないくらいだった。ユニバーサルロックでレール溝に対してカチッと固定されグラつくことはない。

マズル径
グロック22ではアウターバレルも新規に作られており、口径の違いによるマズル径も再現されている。
ノーマルのグロック17が手元にないのでグロック18Cとの比較になるが、9mm口径に比べてマズル直径が大きいのがわかる。

ダミーカートの比較
ダミーカートで弾薬の比較をしてみよう。9mmの薬莢長19.1mmに比べて.40 S&Wは21.6mmと長く、弾頭直径も10.16mmと大きい。写真の.40S&W弾はジャケッテッドホローポイント弾頭だが、フルメタルジャケット弾頭では180グレインとなり、9mmのFMJに比べると4gほども重い。エネルギー換算では1.6倍超となる。もっともこれは実銃の話。エアガンではいずれも6mmBB弾を撃ち出す。

トリガーセーフティ
グロックならではのトリガーセーフティを備える。またこのトリガーにはコッキング・インジケーター機能があり、ハンマーがコックされている状態ではトリガーは前進し、ハンマーがダウンした状態ではトリガーは後退した位置で停止する。一見してハンマーの状態がわかる便利な機能だ。

グリップフレームは3rdジェネレーションをモデルアップしているのでフィンガーチャンネル、フィンガーレストを備えたグリップ形状となっている。
握り心地はとてもよく、手に馴染む。
また、背面下部にはランヤードホールがある。

通常分解
通常分解。フレームのスライドリリースレバーを押し下げてスライドを前方へ抜き、リコイルスプリングとバレルアッシーを取り外す。

可変ホップアップ
可変ホップアップを搭載する。チャンバー下の小さなダイヤルを回すことでホップアップを調節できる。またグロック34から採用されたスライドストップの削れ防止はスライド内側に板状の金属製パーツが取り付けられ、これにスライドストップが噛みあうようになっている。従来のスライドに埋め込まれた金属ピンの方式に比べてより耐久性が増している。

フレーム側
フレーム側。基本構造は初代グロック26やグロック17から変わりないが、各部がリファインされている。例えばトリガーバーの肉厚が増してトリガーのキレが良くなったり、プラ製マグキャッチのマガジンと噛みあう部分に金属がインサートされ耐久性が向上している。

チャンバー横に突起
グロック34同様、チャンバー横に突起が設けられている。この突起はスライド内部の溝に沿ってガイドとなっており、アウターバレルがティルト動作するサポートとなっている。その結果、チャンバーカバー部とスライドが擦れるのを防止し、グロック17よりもチャンバーカバー上面にキズが付きにくくなっている。

マガジンマガジンは亜鉛ダイキャスト製でリップ部分はプラスチック製。
6mmBB弾を25発装填できるが、25発詰め込むとかなりギチギチになり、装填不良を起こす可能性もあるので1発少なく入れるのが良いだろう。
大型のマグバンパーが標準装備だが、従来型のフラットマグバンパーも同梱される。
また、マガジンキャッチ用の切り欠きが両側に設けられた点も従来とは異なる。
弾確認孔のモールドマガジン背面には実銃で言うところの残弾確認孔のモールドがある。
このグロック22には.40口径の刻印がある新型となっているが、サイズ的には互換性があり、従来のグロック系マガジン(26の短いのは除く)も使用可能となっている。
ちなみに実銃のグロック22は装弾数15発と17に比べると2発少ない。
マグバンパーマグバンパーを矢印の方向にスライドさせガスを注入する。やや硬めに固定されているが力を入れてスライドさせれば写真の位置まで移動する。
バンパーを交換する際はこの状態でマガジンフォロアーを押し下げればバンパーを引き抜ける。
実測重量は703g空マガジンを装着しての実測重量は703g。

グロック20/21用
BLACKHAWK!のCQC シェルパホルスターに入れる場合はグロック20/21用を選ぼう。マルイのグロックは実銃に比べてフレーム幅が厚い。実際に手持ちの17/22シェルパに差し込んでみるとキツキツではあるがロックするところまでは無理くりと言った感じで押し込むことができた。ロック前の+ネジを少し緩めてもあまり変化がなく、なんとか差し込めるけどうまく抜けないといった状態で実用的ではなさそう。

室内8mの距離
室内8mの距離でペーパーターゲットを撃ってみた。箱出し直後で立射、0.2g BB弾10発、1秒間隔でラフな射撃にもかかわらず、幅5cm以下に集弾した。ガスガンの場合、連射しているとガス圧が低下するため、ホップ回転が不安定になり上下の着弾パターンが大きくなる傾向にある。

ブローバックのリコイルはバンッと弾かれるような大きな音共に鋭い反動がある。同じマガジンでグロック18Cと撃ち比べてみてもリコイルはグロック22のほうが強く感じる。
初速は74m/sと平均的だが、弾道性能は相変わらずの安定性を見せる。

屋外での30m射撃テスト

さて、いつものビレッジ2のシューティングレンジにて30mマンターゲットへの射撃テストを行った。
気温は25度、湿度は60%と、梅雨時の曇り空というコンディション。
東京マルイの0.2gベアリングバイオBB弾を使用しての立射。

屋外での30m射撃テスト
結果、30m先のマンターゲットにはビシバシ当たる。まあ、グロック34でも同様だったので、この結果はある意味当然と言える。少し気になったのは付属の.40S&Wノーマルマガジンだと初速がやや不安定になること。1秒間隔くらいで撃っていると後半マガジンの冷えによる圧力低下を感じた。このため、ホップの掛かりが強かったり弱かったりして、着弾が縦に乱れることがあった。
射手の腕や風の影響もあるが、動画を観てもらうとその様子が見てとれるだろう。

グロック用の50連ロングマガジンでも射撃してみたが、こちらは初速、リコイル共に非常に安定した射撃を体感できた。明らかにノーマルマガジンよりビシッとしたリコイルと、それが連射しても持続する感触だ。ハンドガン戦などでグロック22をメインに使用する場合は50連マガジンの使用も視野に入れたいところ。



2000年にグロック26が発売されてから16年という長い年月をかけて熟成され信頼性を極めたブローバックユニットはもはや文句のつけようがない出来栄え。サバゲーのサイドアームに、シューティングに、コレクションに、FBIコスで連邦捜査(LE)ごっこするにもバッチリな一丁。新たにマルイのグロックを買うならばベストチョイスというスタンダードなガスブロハンドガンだ。

ただ、あえて難を言うとすれば...、モデルアップが安易すぎないか? ということ。つい半年前にグロック34を発売したばかりで、もうバリエーションを追加って早すぎない?
しかも、ユーザーからの要望も多いと聞くコンパクトのグロック19でもなく、最新のGen4フレームでもなく、MOS(モジュラー・オプティクス・システム)によるミニドット搭載可能なスライドでもなく、今グロックをモデルアップするならコレだよねっていうインパクトに欠けると思うのだ。
グロック17の.40口径版なんてマニアックなのが刺さる人が果たしてどれほどいるだろうか? 

グロック19 Gen4 MOS
2016年のショットショーで展示されていた実銃のグロック19 Gen4 MOS。あまりにもレビューで毎回出せ出せ言っているので、意地になってマルイは出さないんじゃないかと疑ってしまうほど(笑)。
これがマルイのガスブロでモデルアップされて欲しいんだけど。

2016/06/15

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